第4話 星座級の親公認とかもう助からないゾ

「はぁ……♡ はぁ……♡」


 夕暮れ時、自宅アパートの一室にいるのは俺1人きりではなかった。

 荒い呼吸音が響く室内、そこにはベッドに仰向けになっては疲労のためか胸を上下させるだけの眞琴がいた。呼吸の度に持ち上がる胸は、重力によって潰れてなおその標高はうずたかい。

 まさしく絶景であり、しかしこれを拝めるのは現状は俺だけとなっている。


「すごいね……♡ こんなにもえっちしたのに疲れた様子がないの、ボクは改めてびっくりしてるよ♡ 頼もしいね、セイハ君は♡」


 うっとりした様子の眞琴は表情をとろとろにしながら俺の胸板を探るように撫でてくる。


「そんな触るほど面白いのか……?」


「そうだね、君のその逞しさの一部に触れてると思うと奥がきゅんってなるね♡」


「ほーん。なら……」


 彼女の引き締まった肌色のお腹は汗でテカり、得も言われぬ素晴らしい質感になっている。そのお腹の筋肉を引き立たせている様はとんでもなく魅力的であり、まさしくエロスの塊だ。


「んっ♡ はぁ♡ んぅ♡ ひゃうっ♡」


 ぐったりした、しかし満ち足りた様子の眞琴にお返しとばかりにその下腹部を撫でる。丹念に、丹念に、その形を確かめるようにヘソ回り、鼠蹊部などを撫でていく。

 それを繰り返して反応を探る。そして、ここが弱いんだろう、という当たりをつけて軽く押してみる。


「そ、そこは今は————あ゛っ♡♡」


 眞琴の背中がブリッジするかのように反り上がり、どこからともなく飛び立った液体によりベッドのシーツがじんわりと湿り気を帯びていく。


 こうして爛れた日常を送っているとはいえ、俺は一応学生としてはちゃんと過ごしている。不純異性交友? 知らない子ですね。

 眞琴がこうして突撃してきたのは、俺に今日バイトがないのを知っていたからだろう。いつかレオの正体がバレそうで怖い。


「あ゛ぁぁ♡ ……はぁ♡ ……はぁ♡ 本当に、セイハ君はテクニシャンだよね♡」


「喜んでくれるのは嬉しいが、そんなにか?」

(女の子の手つきの方が繊細だと思うんだが……)


「そんなに、だよ。……あっ。さっきので、ちょっと漏れちゃったよ。今日はずっと溜めておきたかったのに……」


 なにがとは言わないが、眞琴が奥に溜め込んでいた液体が少しだけどろりと漏れて彼女の肌を伝っていた。

 避妊? 知らない子ですね。


 冗談はさておき、そこら辺はちゃんとしている。精神支配はとても便利で、覚醒前からちゃんと超能力で避妊できている。普通に考えて孕ませてしまったら退学不可避だからな。あと手当たり次第にとなると、いろんな筋によって闇に葬られるのも不可避でもある。ちなみに性感染症に関わらず病気の類は、プレートを使って魂の方から働きかけることで消し去ることができる。お世話になったことはないが便利そう。

 あと、まだこの年だと責任取れないから避妊しないわけがない。そもそも、責任取ると言ったところで、今の俺の地位では彼女たちを支えることすらできない。

 永久結晶を作ったのは自衛目的もあるが、まともな地位を獲得するためでもある。だって、今さら哀理と別れるのはさすがにキツいのだ。となるくらいには気づいたらめっちゃ入れ込んでいた。なにせ俺単体相手だとめちゃくちゃに美少女してるからな。

 ……これ、そのうちしたら全員手放せない! ってなるやつやん。


「すぅぅぅぅ♡」


 シャワーを浴びて匂いやら汗やらを落として、しかしはしたまま制服姿に着替えた眞琴が、後ろから俺に抱きついて匂いを嗅いでくる。


「俺ももうシャワー浴びてるし、そんなに匂われても分からないと思うんだが……」


「そうかな? ボクは君の匂いならどれだけ薄まっても判別できるさ。


「……そうかぁ」


 部屋着になっている俺に顔を擦り付けて舐めるように匂いでくる眞琴。すっかりハマってしまったというか、なんか教室でのえっちで彼女の性癖は完全に壊れちゃいましたね。「眞琴、躾の時間だ! そしてこれがご主人様の匂いだぞ! ちゃんと覚えておけ!」みたいなことしたのが問題だったのだろう。

 あの時はテンションがおかしくなっていた。哀理の時はそんなことなかったのに……。望? あれはもうあっちから暴走させようとしてたじゃん。まあ、フリーダムだからね、しょうがないね。


「最近はしてくれないよね? 最初の時みたく、くれてもいいんだよ?」


「いやもうその話題は勘弁してくれないか……」


 これ以上眞琴の性癖を、バッドステータスバステ塗れの敗北魔法少女みたいにして、負け癖つけるわけにはいかない。

 あとこれ以上は、こんなエロ負けして王子様を名乗るのは無理があるでしょ、されかねない。


「っていうか、最近眞琴めっちゃ色っぽくなってるって噂なんだから、新しい躾はダメだろ。俺たちの関係勘づかれるぞ。あと、そのうち人妻とか言われるようになるって絶対」


「————ん? ボク、もしかして今、求婚されてる?」


「そうはならんやろ」


「今からするんだよ」


 こいつ無敵か。


 さすがに2回戦は————いやもうさっき5回戦を終えたところなのか。つまり第二ラウンド始めっか! になるのか。いやしないけど。これ以上は朝チュンコースなのだ、無断外泊は親御さんが許してくれないぞ、マジで。もっと良家のお嬢様の自覚をもってはくれまいか? ……いや、レズハーレム時代からして自覚なんてないか。






 そして数日後、壮行会本番がやってきた。その間もこれまでもバイトして、そして爛れた日常を送りつつ生徒会書記してたわけだが、美鏡ミラとは一度もえっちしていない。

 機会がないというか、なんというか……。蟠りもないが、でもそういう関係じゃないよね? って感じだ。だって普通えっちは付き合ってからだろう。セフレでもワンナイトでもないならそれが普通。

 俺が普通じゃない? それはそう。


 などと考えているうちに続々と入場してくる選手たち。自信満々な者。特に表情を変えていない者。緊張した様子の者。表情こそさまざまだが、その選手団の大半は星座級だ。

 当たり前だが、勝ちに行くなら優秀な生徒を選ぶだろう。まあ、ここは日本でトップスリーに入るくらいのエリート学園だからな。星座級のバーゲンセールしててもおかしいところはない。ちな俺は下から数えた方が速い。合格できたのは筆記の点数がめっちゃよかったからだな。精神支配の完全記憶で過去問を暗記したから、そこは上から数えた方が速かった。卑怯とは言うまいな。

 それはそれとして血統主義ここに極まれりって感じだな。競技のチームリーダーとか優勝候補とか全員星座級だし、果実級はチラホラ、砂塵級とか1人しかいない。まあ、例年通りだな。まあ仕方ない。この手の優劣は血統で決まるって、某ケイネス先生も言ってたし。

 そして彼らを見送る生徒たちの反応もさまざま。素直に祝福、応援する者。悔しそうな者。嫉妬を隠せない者。興味深げに見つめる者。特に興味がなさそうな者。


 そして我らが生徒会長のありがたいスピーチが始まる。要約すると……まあ、当たり障りのない普通のスピーチだな。彼女、人付き合い苦手だからな。定型に則ってやるのが一番だと分かっているのだろう。

 そしてスピーチ内でのちなみに前年の御三家星誕祭の話題はソフトタッチに留まった。触れないのも触れ過ぎるのもアレとの判断なのだろう。望は全然気にしないだろうが、その時出場した選手は確定で気にする。普通に頑張ったのに活躍も話題も全部、望に掻っ攫われたわけだし。


 俺は当時、望に自慢げに見せられたし、語られたので裏方含めて全貌を知っている。地獄に行ってもこんな面白い殺戮ショーは見られんぞ、って具合にはワンサイドゲームだった。

 獅子院血統の超能力は『身体剛化』という脳筋能力。それがルールに則って力こそパワー全開で活躍もとい蹂躙するものだから、迫力がやばかった。

 なお、彼女が出た競技はメレースナイパー以外の全競技だ。トレジャーハントで優勝できなかったのはチームワークを試されるからだな。望は一騎当千だが、仲間との連携が苦手。なにせ、彼女のパワーにもスピードにも誰もついていけないからな。

 射撃競技のメレースナイパーには出れなかったのは、出場できる超能力に制限がかかるからだ。遠距離攻撃できる超能力に限られるのだ。

 望ならベアリング弾を指弾しても優勝できるんだが……。まあ、制限がかかるのってその手ののうきんを無双させないための措置なんだけど。


 そしてその足で、選手として出場する生徒たちと引率の教師、生徒会でバスに乗り、会場へと出発した。

 この日のため、ミアも永久結晶も強化している。秘されし番外サーティーンが確定で仕掛けてくる以上、警戒は必須。まあ、なにかミスっても大丈夫でしょ。

 秘されし番外サーティーン君たちに全ての罪を背負ってもらう予定だし。




===あとがき===


 結構前にノクターンノベルスで書いて、という感想が飛んできたのですがそもそも、そういうのは書いたことがないからうまくできる自信がないのだよ……

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