「望月記者訴訟取り下げて」女性団体が伊藤詩織さんに、監督映画は協力者追い詰める可能性

映像ジャーナリストの伊藤詩織さん
映像ジャーナリストの伊藤詩織さん

「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」(代表・田中優子法政大前総長)は16日、映像ジャーナリストの伊藤詩織さんが自身の監督映画「ブラック・ボックス・ダイアリーズ」を巡って東京新聞の望月衣塑子記者の記事で名誉毀損(きそん)されたとして提訴した問題について、訴訟の取り下げを求める要望書を公開した。映画には一部の関係者の許諾なく個人情報が盛り込まれていると指摘され、要望書は「許諾を得ることに努力し、得られなかったシーンは削除を」と訴えている。

田中優子前法政大総長
田中優子前法政大総長

内部通報者の映像が無断で

伊藤さんは過去に元TBS記者から性暴力を受けたとして提訴しており、映画は性暴力を自ら調査した様子が描かれる。米国などで公開され、映画祭に相次いで出品されている。

一方、日本では公開されていない。伊藤さんの元代理人弁護士らは映画について登場人物から事前の許可を得ていなかったり、許可のない防犯カメラの映像や音声を使用したりしているとして、情報源を保護できていないと主張している。望月記者も同様に映画の問題点を指摘する記事を執筆した。

「女たちの会」の要望書も「内部公益通報者である警察官の映像と音声や協力者であったタクシー運転手の映像と音声が許諾なしに使われている。日本においては通報者や協力者を追い詰める可能性がある」と危惧した。

映画は「#MeToo」の契機に

伊藤さんに対しては「情報源となる人々との丹念なコミュニケーションを怠り、結果的に人権侵害を行ってしまった」とし、「ジャーナリストとして批判を率直に受け止め、望月記者への訴訟をただちに取り下げてほしい」と求めた。

ただ、映画の中身については「社会を変える可能性をもつ。その基盤となったのは、伊藤氏が自身の性被害について声を上げたこと」とし、被害を告発する「#MeToo」(「私も」の意)運動の契機となったとする。

その上で「この作品は日本でも公開してほしい。それによって卑劣な性加害についての認識を多くの人にもってほしい」と訴えた。

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