門外不出の“料亭の味”復刻 「めんたいこ一本」でおもてなし
【福岡を食べる】
福岡の食の定番と言えば「辛子めんたいこ」。ご飯のお供やパスタ、卵焼きの具などとして広く親しまれている食卓の名脇役だ。そんなめんたいこを主役にし、丸々1本載せた「めんたい重」を提供する店が福岡市中央区にある。めんたいこって、一人で1本食べるものなのか-。「日本初
福岡市・天神から薬院新川をまたいだ西中洲大通り沿い。巨大な木箱のような店構えが目を引く。店内には和の空間が広がり、壁に飾られた芸能人やプロスポーツ選手のサイン入り色紙の数々が人気店を物語る。
早速、店名にもなっている「めんたい重」(税込み1848円)をいただく。有田焼のオリジナルという白いお重(縦9センチ、横15センチ、深さ7・5センチ)が運ばれてきた。ふたを開けると、刻みノリを敷いた白米の上に、薄い白板昆布をまとった生のめんたいこがドーンと横たわる。しょうゆベースの特製だれを好みの辛さに応じて「基本」「小旨辛」「中旨辛」「大旨辛」の4段階から選び、かけて食すスタイルだ。
ひと口ほお張ると、めんたいこの
オープンは2010年。県内にめんたいこを土産物などとして販売する店は数あれど、「めんたいこをメインにした料理を食べられる店はそれまでなかった」と吉田棟磨店長。福岡を訪れたからには、福岡名物のめんたいこを思う存分に味わってもらいたい-。そんなおもてなしの心が出店に結びついた。
「めんたい重」の起源は、かつて西中洲にあった大手企業専属の料亭。一般客は入店不可で、関係者だけが味わうことができた「知る人ぞ知る逸品」だったという。めんたい重初代代表のおじが料理長を務めていた縁で、開店にあたり、多くの人に楽しんでもらおうと、当時の関係者が料亭の味をアレンジして復刻した。
店舗3階の製造所で漬け込むめんたいこは、一人で1本食べられるように塩味など味付けを調整。店独自の技術試験があり、めんたいこに白板昆布を巻く作業は限られた担当者だけが任される。特製だれはいろいろな唐辛子を独自の配合でブレンドし、うなぎのかば焼きのたれのように継ぎ足しながら味を守っている。
見た目のインパクトや福岡らしさが評判を呼び、テレビや雑誌にも取り上げられ、多いときは1日1600人が訪れる人気店に。めんたいこは元来、朝鮮半島で食べられていた総菜から派生し、戦後に博多の街で商品化された「朝鮮生まれの博多育ち」。新型コロナウイルスの流行前は、韓国人観光客も後を絶たなかったという。
営業時間は午前8時~午後9時(新型コロナの感染状況によって変更あり)。観光客には「旅行最終日の朝ご飯」としても定着しつつある一方、出勤前に朝食として立ち寄る地元の人もいるという。「地元のお客さまも含めて、主役のめんたいこはもちろん、ふたを開けたときの感動を味わってもらいたい」と吉田店長。
実は、めんたい重には「上」(税込み3058円)もある。めんたいこがさらに1本追加され、追加分は生か、炙りかを選べる。かなりボリュームがあるが、めんたいこを存分に味わいたい人にはお勧めという。
(豊福幸子)











































