…いや、本人から聞き出してないからボダとか言っちゃいけない。ごめん。でもお前は絶対ボダ。
とあるSNSで、おれが描いたカス漫画をリスペクトした小説を書きたいと連絡をくれた神字書きがいた。
十五年以上インターネットのドブで二次創作をしてきたが、そんな機会など一度もなかったおれは舞い上がり、その申し出を快諾した。
その結果、スプリッティング行為と試し行動を繰り返され、おれの描いた作品は「神字書きがおれの漫画のネタを元に、自分の好きなものを表現するための下敷き」にされた。
結果としておれは発狂し、同人活動と、活動していたSNSを引退することになった。
これを見たすべてのBPDの人を傷つけるのは本意ではないので、あらかじめ書いておく。
タイトルに「ボダ」と書いたのは、おれが怒りを向けている個人の振る舞いが『BPD当事者の中でも過激派であるものたちの振る舞いや特徴をステレオタイプ化した概念(ボダ)』と完全に一致したからだ。
おれは同じ病を抱える人間でも、みんなとちゃんとしたコミュニケーションが取れ、誰かを悲しませず、時には苦しんだり、無理をしながらも頑張って社会生活を送る人がいることを認識している。
また、読んでいるお前が「おれが怒りを抱いた相手と別の個体」であることを理解している。だから、このエントリのことは気にせず、そのまま通過してくれ。
ただし、お前が誰かと趣味で共同作業をすることになった時には「こういうことはしちゃいけないんだな」「こういうことをすると相手は泣いちゃうんだな」ということだけは覚えて、日常に戻っていってくれ。
このエントリの内容の趣旨は一貫して「よくあるSNS同人トラブル」である。
おれが自己の気持ちに整理をつけるために書いている。面白いことはほぼない。
文章については、手元にシステム事故報告書(職場で事故があり、たまたま代筆を依頼されていた)の様式があったので、なるべくこの記載様式に則ったものとして書いている。
……が、この数日、神字書きの発狂に振り回されたせいで食事・睡眠ともまともに取れておらず、精神状態がかなり悪いので、訳のわからない表現があった場合は許してほしい。
・おれ
・相手
神字書き。村民歴はおれより長いがさほど長くない。
普段はかなり繊細な人物で、非常に思いやりがある。友達もファンも多い。周囲に創作のプロがいるらしい。(伏線1)
・おれと神字書きのいる村
SNS上でコンスタントに作品を投稿してるのは、おれ、神字書きを含めても数人。
おれがSNSに載せた壁打ちを見た神字書きから、この話を小説にしたいと連絡があった。
この字書きとは以前も同様のやり取りをしており、その際綿密なコミュニケーションが取れていたことから、今回も同じように進めてもらう前提で、承諾した。
神字書きは「権利表記として壁打ち投稿にリンクを貼りたい」と言っていたので、メモ書きにリンクを貼られるくらいなら……と、壁打ちの前後も含めた漫画を作ることにした。
最終的に、おれの作った設定資料・ストーリーラインを元に作品を作ることとし、互いの作品は、共作として扱うことになった。
それ以降、メッセージ上でお互いの成果物を共有し、それぞれの進捗に感想を書いたり、会話をしたりしながら作業を進めた。
だが、おれの下書きが完成した頃、それまでやりとりをしていた神字書きと突然会話が噛み合わなくなった。
神字書きの様子がおかしいことに気づいて声かけをした瞬間、神字書きはパニックを起こした。
神字書きの状態を案じ、事態の回復に努めたものの、神字書きは問いかけに噛み合わない言動を繰り返し、以降の会話をシャットアウトした。
対話が途絶する形となったため、おれは以下の内容を伝え、対話を終了することにした。
・数いる絵描きからおれの作品を好み、小説にしたいと言ってくれたことへの感謝
・少なくともおれ側の作業は続けるので、作品を公開したあと、おれの漫画を楽しんでほしいこと
数日後、様子が戻った神字書きから以下の連絡があった。
・友達に戻りたい
・原稿は続ける
・よかったら下書きが書けたので見てほしい
これ以降、ぽつぽつと小説の進捗が送られてくるようになった。
しかし同時に、神自書きが送ってくる小説の内容が少しずつ「おれが書いた内容」から逸脱したものに変わっていった。(伏線2)
改変に対し思うところはあったが、厚意で書いてもらっているものであり、また、指摘をすることで相手が再びパニックになる可能性があったので、おれは何も言わなかった。
しばらくの後、神字書きの原稿が完成した。
指定された日におれは漫画を投稿し、神字書きもまた、小説を公開した。
神字書きが書いたのは、おれの漫画の本編を小説にしたものではなく、おれが没にしたネームを小説にしたものだった。『予告編』と題されていた。
『予告編』を通し、一定の評価を獲得したらしい神字書きは、その勢いに乗り、本編小説の制作に着手した。
そうするうちに作品の改変が進み、神字書きのおれへの態度も変わっていった。
まず、作業の進捗が送られてこなくなった。
次に、おれの書き込みは神字書きの進捗へのコメントを除き、神字書きから無視されるようになった。
描写や表現を変更したことを、おれは神字書きのSNS上の進捗書き込みから知るようになった。
こうして、コミュニケーションの手法は「神字書きの独断で構成の変更を決定し、その内容を決定事項としてSNSに進捗として書き込み、おれの反応を待つ」という形式にシフトした。
ここでの言動を経て、おれはようやく、神字書きの創作姿勢が当初と大きく乖離していることに気づいた。
神字書きの創作思想は、当初の「漫画をリスペクトしたものを作る」から「漫画のネタを下敷きにし、自己の好きなものを表現した作品を作り、周囲の評価を得る」にすり替わっていた。
さて、これは当然の帰結だが、神字書きが進捗に関する書き込みをした場合、当然神字書きの作品を楽しみに待つ読み手からのコメントがつく。
結果、以下の状態になった。
・神字書きが制作中の小説について何か発言したら、おれは絶対に反応しないといけない。
・神字書きの進捗報告を介し、「神字書きがおれの作品をめちゃくちゃにしている現場を、何も知らない共通の友人やファンが肯定し、応援している光景」を見せられる。
それを数日間見続けた結果、おれは発狂した。
生活に支障が出始めたので、もっともらしい理由をつけてSNSに現れるのをやめ、神字書きへの反応もやめた。(神字書きの言動が不快なだけなので、この間のおれはROMとして過ごしていた)
その後、おれからの反応がなくなった神字書きは発狂し、おれ向けの進捗報告やキラキラ書き込みを削除し、界隈に匂わせを始めた。
おれは神字書きの行っている行為がスプリッティング行動であると確定し、後述の「対応方針」に則った対応を行い、ジャンルを撤退した。
・おれが逃亡した後、界隈の人が神字書きのメンタルケアをさせられるような逃げ方をしない。(最優先)
・神字書きを極力刺激しない。
・上記条件を満たす引退理由を捻り出し、SNS上で引退フラグを立てる
・その後、アカウントを消すことを伝え、今後の作品の取り扱いについての案内と、ありがたい申し出をもらったことについてのお礼を伝える。
・アカウントを削除する。
・完了
連絡後、神字書きから返事が届き、おれの懸念事項がすべてクリアされていることを確認した。素直に引退理由を信じていたので、そのままクローズした。
アカウントも潰した。
神字書きからの返事は、申し訳ないがたまたま飲む約束をしていた友人たちに確認してもらい、「おれが読んでも大丈夫か」「相手が暴走してないか」の判定をしてもらってから読んだ。
内容を見た友人たちがおれが読むより先にマジギレしてくれたので、正直めちゃくちゃ救われた。
そこまで怒るなら描写の改変がエスカレートした時点で止めればよかったのでは?
→以下の懸念事項があり、今回は策定した対応方針に則り「本人に伝えない」という選択をした。
・界隈の村民が少なく、下手に刺激をすると村全体が神字書きの匂わせ・発狂に振り回されること。
・この時点で神字書きに対し違和感を抱き始めていたので、発狂する→周囲が善意で吉牛する→神字書きのスプリッティングが強化される、のコンボが決まるのを避けたかったこと。
結果的に、最優先事項である『垢消し後に村の住人たちが対応に追われないようにする』をクリアできたので、今できる対応としてベストの対応をしたと思っている。
①初回発狂の時点で相手がボダだと見抜き、以降は、患者の対応プロセスに則った接し方をするべきだった。
②『何かが原因で相手にパニックを起こさせたこと』と、『自分の作品に手を加えていること』の二つを切り離して考え、毅然とした対応を取るべきだった。
おれは相手がボダだと気づかず、過剰な期待を寄せられる受け答えをしてしまった。
また同時に、自分にその認識がない状態で、神字書きが報酬系を満たすための土台作りに協力してしまった。
そのことについては悔やんでおり、同時に、今も界隈の村民に対し、非常に申し訳なく思っている。
1.5人月
210時間(週30h)
土日・平日問わず、業務時間外はほぼずっとこの原稿/返信作業にかかりきりになり、神字書きがおかしくなった後も神字書きからの連絡への対応に勤しんでいた。
いやおれ何やってんの?
メシがきちんと食えなくなった
夜眠れなくなった
ストレスで髪が抜け、キモ・デブ・ハゲのトリプルコンボになった。
これらにより配偶者を泣かせた。
界隈の村長ポジだった同人書きに、これまで世話になった礼と、今回の件の情報共有をする。
(村長は対人スキルが高いので問題ないと思うが、如何せんメンヘラが暴れて人口減少した村でもあるので、おれがいなくなったあと、村長周辺で被害者が出た場合に備えて情報を流しておきたい)
これを読んで「そんなことある?」と思ったお前らへ
ある。あった。
あるわけねーだろwwwwと思ったお前ら、お前らはめちゃくちゃ幸運だと思う。周りを大事にしてそのまま元気に生きていってくれ。
同時に、いつか現実やネットでボダとぶつかり事故を起こしたら、この書き捨てを思い出し、確実に逃げてくれ。
おれはインターネット上だったから詰むところまで追われず、逃げられただけだ。リアルで出くわしていたらと思うとぞっとする。
これを読んで古傷が痛んだ、おれと立場が同じだった時期がある人間へ
おつかれ。お前が今も元気でいてくれて、おれはすごく嬉しく思う。これからはいいことしかないはずだから、うまいもん食って生きてくれ。
お前はボダに振り回されずに生きていい。ボダが気分で連絡をとってきたら拒否れ。
今のお前に、『ボダと切り離されている、何かあった時に逃げられる安全な環境』が存在していることを願っている。
神字書きと同じ病を抱える人・そのまわりの人へ
しつこくて申し訳ないが、おれはこの神字書きという『個人』に対して怒っているので、お前は気にしなくていい。お前らが全員これだとは思っていない。
もしも読んでいて罪悪感を感じるのなら、時折他者に対する自分の接し方を振り返り、「自分の考え方が独善的になっていないか」「相手の意思をきちんと確認しているか」「自分の行動が、相手をないがしろにするような行動になっていないか」と思い返してみてほしい。
それだけで多分、おれみたいになる人間は減る。
この字書きのおかげで
の両方を捨てないといけなくなった。
新規村については、おれが騒いでるのを見た別の村のフォロワーが供給を与えてくれるレベルまでいっていた。本当にありがたかったし、楽しかった。
だからその分、今めちゃくちゃ虚しい。
同時に原稿の予定も潰すことになったので、しばらく余暇時間ができた。三種揃ってしまったキモ・デブ・ハゲをせめてキモ・ハゲの二種にしようと思う。
神字書きはこのプロの方におれのカス漫画の内容を全て伝え、時折監修を受けながら小説を書いているそうだ。
伏線2:神字書きによる改変(初回)について
神字書きが最初におれの漫画の描写を改変しようとした時、どうやら前述のプロの方が、全力で改変を止めてくれたらしい。
プロは神字書きよりも推しの解像度が高く、おれの解釈通りの推しになるように後押ししてくれたということを神字書きの発言から察した。そのことに関して、心から感謝している。
日本のどこかにおれのカッッッスい性癖を紹介された還暦越えのお父さんがいる。
神字書きのお父さん、マジでごめん。おれがこんなもん描いたばっかりに。
最後に、伏線回収とともに発覚したオチを書いて締めようと思う。
現在、おれの漫画を自分なりの解釈で小説に書き起こし、そのことをファンに向け「小説ならではの表現」と熱く語っている神字書きだったが、おれからしてみると、意識高く創作論を語る神字書きよりも、おれのカス漫画を読まされたかわいそうな神字書きのお父さんのほうが、おれの漫画に対する解像度が高かった。
神字書きのお父さんの解釈は、おれの考える解釈と完全に一致していた。
/以上。
見出しと強調とオチがあるともうそれだけで警戒する