第1話
文字数 953文字
『ブス』
たったの二文字が、大人になった今でも、しこりとなって残っている。
元々から、容姿に自信があったわけではない。
美しいと自惚れるほど、自分を知らない訳ではなかった。
それでも、面と向かってそう言われると、傷つかずにはいられなかった。
その二文字を最初に投げつけられてから十数年経った今でも、鏡に映る自分の顔が嫌で嫌で仕方がない。綺麗なアクセサリーを見かけても、好みの服を見つけても、どうせ自分には似合わないと目を背けてしまう。
(いつまで、こんな事を続けるんだろう)
しんと冷え切った冬の夜でも輝く星々を窓越しに見上げながら、寝室で布団をかぶって眠りを待つ間、頭の中に浮かんだ疑問。
さっさと眠ってしまえば楽なのに、それは眠りを遠ざけてどんどん大きくなっていく。
大きかろうと小さかろうと、星は星だ。
輝きが仄かであろうと鮮やかであろうと、区別はあれど、優劣はないはずだ。
もし、優劣をつけている存在がいるのなら。
それは、人間だけだろう。
たった一つの脳みそから出た判断に、いつまで縛られていなければならないのだろう。
判断した当の本人は、判断したことすら忘れているだろうに。
そんな無責任で軽々しい二文字に、いつまで縛られていなければならないのだろう。
この夜が明けたら、顔を洗って鏡を見てみよう。
自分にも、ひとつくらいは良い所があるはずだ。
無いのなら、これから作っていけばいい。
肌を、内面を、所作を、磨ける所は磨けるだけ磨いてみよう。
その辺に落ちてる石だって、磨けばきっとそれなりになる。
人間だって、磨きつづければいつかは輝く。
他人の研鑽を嗤うような見る目のない人は、こちらからお断り。
(大した意味も、重さもない言葉に縛られるのは、もうやめよう)
お手軽に相手を傷つけて、下に見て、満足するようなつまらない人間達。
そんな人間達は何年経とうと、どこにでもいるけれど。
自分がその言葉に囚われない限り、心はいつでも、いつまでも自由だ。
見つけやすい欠点をなじる言葉は、もういらない。
それがたとえ、自分自身の言葉だとしても。
蛹のように小さく身を縮こまらせるのは、もうおしまい。
それがどれだけささやかで、ちっぽけなものに終わったとしても。
心ない視線を、言動を、軽やかに越えて生きていこう。
星のように、蝶のように。
羽化するときは、今。
たったの二文字が、大人になった今でも、しこりとなって残っている。
元々から、容姿に自信があったわけではない。
美しいと自惚れるほど、自分を知らない訳ではなかった。
それでも、面と向かってそう言われると、傷つかずにはいられなかった。
その二文字を最初に投げつけられてから十数年経った今でも、鏡に映る自分の顔が嫌で嫌で仕方がない。綺麗なアクセサリーを見かけても、好みの服を見つけても、どうせ自分には似合わないと目を背けてしまう。
(いつまで、こんな事を続けるんだろう)
しんと冷え切った冬の夜でも輝く星々を窓越しに見上げながら、寝室で布団をかぶって眠りを待つ間、頭の中に浮かんだ疑問。
さっさと眠ってしまえば楽なのに、それは眠りを遠ざけてどんどん大きくなっていく。
大きかろうと小さかろうと、星は星だ。
輝きが仄かであろうと鮮やかであろうと、区別はあれど、優劣はないはずだ。
もし、優劣をつけている存在がいるのなら。
それは、人間だけだろう。
たった一つの脳みそから出た判断に、いつまで縛られていなければならないのだろう。
判断した当の本人は、判断したことすら忘れているだろうに。
そんな無責任で軽々しい二文字に、いつまで縛られていなければならないのだろう。
この夜が明けたら、顔を洗って鏡を見てみよう。
自分にも、ひとつくらいは良い所があるはずだ。
無いのなら、これから作っていけばいい。
肌を、内面を、所作を、磨ける所は磨けるだけ磨いてみよう。
その辺に落ちてる石だって、磨けばきっとそれなりになる。
人間だって、磨きつづければいつかは輝く。
他人の研鑽を嗤うような見る目のない人は、こちらからお断り。
(大した意味も、重さもない言葉に縛られるのは、もうやめよう)
お手軽に相手を傷つけて、下に見て、満足するようなつまらない人間達。
そんな人間達は何年経とうと、どこにでもいるけれど。
自分がその言葉に囚われない限り、心はいつでも、いつまでも自由だ。
見つけやすい欠点をなじる言葉は、もういらない。
それがたとえ、自分自身の言葉だとしても。
蛹のように小さく身を縮こまらせるのは、もうおしまい。
それがどれだけささやかで、ちっぽけなものに終わったとしても。
心ない視線を、言動を、軽やかに越えて生きていこう。
星のように、蝶のように。
羽化するときは、今。