文化財・朝日小学校円形校舎の3Dデータ化計画、CF大詰め 三重

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朝日小学校円形校舎=朝日町提供

 国の登録有形文化財に指定されている「朝日小学校円形校舎」(三重県朝日町)を3Dデータ化するために寄付を募るクラウドファンディングが大詰めを迎えた。14日の締め切り目前となった11日現在、目標額の約8割に到達。関係者はラストスパートに期待する。

 朝日小の円形校舎は坂本鹿名夫(かなお)氏の設計により、1962年に建築された。4階建てで、3階までは中央に設けられた円形ホールの外側に特別教室や職員室などが配され、4階には講堂兼体育館がある。

 地域のシンボルでもある円形校舎の貴重さを把握するため、町は2024年7~8月に調査を実施。全国で1741の市区町村にメールを送った。その結果、朝日小と同時期の1950~60年代に建てられ、今も「現役」の円形校舎は朝日小以外では神戸市の美野丘小と北須磨小、長野県飯田市の浜井場小、横浜市の蒔田小の4校しかなかった。

 円形校舎では教室が扇形になるため、教師が児童に目配りしやすいなどの利点があった一方で、増築が難しいという面があった。老朽化などで解体が進み、全国で厳しい状況に置かれていることが分かり、町は新たなプロジェクトを立ち上げた。目標は建設当時の図面をデータ化し、3Dプリンターで模型を作製すること。資金はクラウドファンディング型ふるさと納税で募ることにした。

 目標金額を50万円に設定し、24年11月15日に開始。返礼品はないものの、締め切りを前に40万円を超えている。思い出が詰まった校舎を貴重な文化財として後世に伝えるため、町の担当者は協力の呼び掛けに全力を挙げている。【村社拓信】

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