障害者向けグループホーム(GH)をフランチャイズで全国に展開し「最大手」とうたう会社が直接運営していた大阪市内のGHが2023年、市の実地指導の際、チェックされる複数の業務記録の文書を捏造していたことが15日、市への取材で分かった。指導を受けて作った会議録でも従業員の印鑑を勝手に押す偽装をしていた。
この会社は旧「アニスピホールディングス」(東京、現在は2社に分割)。「わおん」などの名称でGHをここ数年で急速に増やし、今年1月現在、370カ所ある。捏造は本社から派遣されたスタッフがエリアマネジャーと行い、他の従業員に対し「本社で作ってもらった」「他の拠点でもよくやっていた」と発言していた。法令順守意識の低さが問われそうだ。
同社は24年11月に「アニスピHD」と「SCJ」の2社に分かれている。直営GHを引き継いだSCJは取材に対し、捏造の事実を認めた上で「あってはならない事案で、重く受け止めている。会社組織として作成したり、他の拠点でも行っていたりした事実はない」などと答えた。