孔子のY染色体は、曲阜孔氏の男性1,118名を対象に中国の復旦大学が調査を行い、ハプログループC2c1a2a2b*(C-F3555, subclade-F13136)であることが特定されている。これはY染色体の国際的研究組織であるY-fullにも掲載されている周知の事実である。
(source1: https://www.yfull.com/tree/C/)

また日本の皇室のY染色体(皇統)は、世界では珍しいD1b1a2(D-IMS-JST055457)の系統で、さらに細かく分類されたデータによると、D1b1a2b1a1a(D-CTS8093)という系統に属している。
(source2: https://www.familytreedna.com/public/japan/default.aspx?section=ysnp)

これらは、東山天皇の男系子孫複数名の口腔内粘膜から得られたサンプルを、イギリスの研究者が解析した結果に基づくものである。
(source3: https://www.eupedia.com/genetics/famous_y-dna_by_haplogroup.shtml#D2)

またこれらの結果は、日本人の人口増加の傾向と、皇胤氏族(いわゆる源氏、平氏、橘氏、紀氏等に代表される系統)の増加の割合や年代と見事なまでに合致している。

地方の旧家に行けば、源氏の末裔や、平家の落人の家系の家が今でも多い。「…そんなにどこもかしこも皇統氏族ばかりのはずは無く、きっと中世に創作された偽系図であろう」という説を唱える人(かつて姓氏家系研究の第一人者と言われた太田亮博士など)が一部にはいたが、一夫多妻の社会の中で、外敵の侵略を受けることなく形成された日本列島の中においては、人口増加のグラフと総合しても、常に権力者が種の繁栄に有利であり、この社会的選択を2千年以上続けてきた結果においては、「どこもかしこも権力者の子孫」という状況となることは統計学的にも正しく、逆に言えば「被支配者の子孫は数代で断絶して残り難い」のである。

その人口減少の穴埋めは、権力者の子孫の系統で権力闘いから脱落した系統が担うことになる。かくして、権力者と被支配者は同系統の祖先を持つ人々と言う集団が構築される。これが、現在の日本列島のY染色体比率とも見事に合致した結果となっている要因である。

「CTS」というのは一塩基多型(SNP)の変異の痕跡をマーキングしたもので、具体的に言えばウェルカム・ トラスト・サンガー研究所(The Wellcome Trust Sanger Institute)でのクリス・タイラースミス博士(Dr. Chris Tyler-Smith)の命名分類によるSNP群。
(source4: https://isogg.org/tree/index.html)

「IMS-JST」というのは日本の研究機関で発見された枝で、科学技術振興事業団と東京大学医科学研究所で発見命名されたSNP群。先に挙げたF13136の「F」は復旦大学で発見命名されたもの。

日本の皇室のY染色体DNAは、既に世界的に登録され、何年も前から学識者の間では周知の事実となっているが、TV、新聞などのマスコミでは一切報道されていない。

これは何を意味するのか?

かつてミトコンドリアDNA(mt DNA)で日本人の起源を探る試みが提起された時、マスコミはこぞってこれを報道し、NHKで特集番組もあった。しかし、mt DNAは母系の先祖のことであり、マスコミが報道したかったのは、バイカル湖周辺に起源があって「朝鮮半島を通って南下した」ということを恣意的に報道したかったためである。

マスコミは「Y染色体はやがて消失する」、「Y染色体は何の役にも立たないゴミ屑のような情報しかない」というかようなセンセーショナルな記事はこぞって報道するが、のちにその説が誤りであり「Y染色体は無くならない」、「Y染色体上には人類拡散の歴史が集約された有益な情報が残されている」という報道は正しく成されただろうか。

私が知る限り、極めて不公平な記載であったと認識している。

かつて欧米では「アドルフ・ヒトラーはユダヤ人のDNAを持っていた!」という記事がセンセーショナルに報道されたことがあった。

Y染色体情報をよく知る者にとって、これは完全なる事実誤認で、発表したとされる科学者は「私はそのような発表はしていない」と異例の声明を出す事態に発展した。アドルフ・ヒトラーのY染色体情報から読み取れたのは、「ごくありふれたオーストリア人の系統」ということである。

しかし、この声明は広くは報道されず、未だにそういった俗説を鵜呑みにしている人物が多い。「ヒトラー ユダヤ人仮説」は戦時中に連合国が風聴したプロパガンダに発し、戦後それをまことしやかに漫画にまとめて発表したのが手塚治虫の『アドルフに告ぐ』という作品である。

日本で「アドルフ・ヒトラーはユダヤ人のDNAを持っていた!」という記事が翻訳転載される形で報道された時、「手塚治虫の『アドルフに告ぐ』は正しかったのだ」というような、世間の反応を聞くたびに私は憂慮の念を深くせざるを得なかった。

そして「ヒトラー ユダヤ人仮説」は、日本における「天皇 朝鮮半島渡来起源仮説」と同等の低俗な「実は××だった」説に依存しており、根底は「180度あり得ないことがもし真逆だったら」という妄想に端を発しているのである。

それが、新聞・書籍を売らんがため、視聴率を稼がんための極めて世俗的な利益享受者の為に真実が歪められ、報道されて世に敷衍していっているのである。

その証拠に当該の漫画家は、脳内の空想を膨らませて『アドルフに告ぐ』や『火の鳥』という作品を書き、飯のタネにしていたのである。

フィクションとは言え、実在の人物をモデルにする限りそれらの人々の名誉を毀損することがあってはならないし、充分に配慮して然るべきだと思うが、皆様はいかがに考えられるだろうか。

同様の手法を使って、実在の人物をモデルに名誉毀損を行ったのが司馬遼太郎という人物である。当該人物は『功名が辻』という作品の中で、巧妙な嘘を混ぜ混んだ作品を発した。それを読んだ人の感想は「山内一豊という人物は戦国武将として一番嫌いだ。特に種崎で相撲大会と見せかけて、一領具足を集め鉄砲で虐殺した事件は許されることでは無い」とまでその人物は断言しているのである。

しかし、当該小説の「種崎相撲大会で鉄砲虐殺事件があった」というのは作者の創作でフィクションの部分である。

しかるにそれを読んだ人物は、「その行為を以ってその人物が嫌いだ」というのである。この事はそれだけにとどまらず、今だに高知県では「自分の先祖は一領具足の末裔で、山内家に差別的待遇をされた為に零落したのだ」と信じる人が出て深刻な対立構造を構築してゆきつつあるのである。また、数年前から突如として、「種崎相撲大会被害者慰霊祭」までが挙行される事態に発展し、列席者の一人は「我々はこの事実を忘れないように語り継いで行かなければならない」と発言しているのである。

『功名が辻』の当該部分には巧妙に、「『山内一豊公記』などの正史には、この事件は載せられていない…」と書かれていて、「権力者に都合の悪い事件は伏せられたのだ…」ということを暗示するような書き方になっているが、実際にそんな事件が無かったのだから書かれているはずが無いのである。しかし、尾ひれがついて信じる人が出はじめ、遂に慰霊祭までが挙行される事態となった。そして、それが新聞で報道されることで、負の連鎖が起きているのが現実である。

この展開は、朝日新聞が虚偽を掲載して国際問題に発した「慰安婦問題」と同様の事象であるし、信じている人にとっては、被疑者とされた人が何を言っても「都合の悪いことを隠そうとしている」としか受け取らないだろう。

同様のことは中国における「いわゆる南京事件」にも言えるし、日本の東北地方においては戊辰戦争の時、「官軍が賊軍の死体埋葬を許可しなかった」云々の虚偽伝説にも共通する話である。「埋葬不許可令」が真実ではないことが再三、論文などで取り上げられてきたにもかかわらず、小説などで書かれ、それを基に現地の案内板に書かれて、今でも信じている人が多い。隣国の「慰安婦問題」で右往左往する人を「情弱」と一笑に伏してはおれないのが現実である。

このように、虚偽、妄想、不公平かつ正しからざる報道が成されてきたのが現在の日本の報道体制の現実である。我々はこの由々しき事態をどれだけ把握しているだろうか。公平中立な報道は潰えてしまったのだろうか。

DNAに話を戻し、世界に目を向ければY染色体D系統は、日本人以外では、チベット人やアンダマン諸島のジャラワ族とオンゲ族、フィリピンのマクタン島、グアム島から検出されるだけである。これに近いE系統は、中近東や地中海沿岸、アフリカの一部の人々だけで、このD系統とE系統のみがYapという特殊な遺伝子構造を持っており、その他の全世界の人々はこれらの遺伝子構造を有していない。

地理的に最も近い、お隣の朝鮮半島では、このタイプを持つ人々はほぼゼロ%というか結果である。

このD系統の日本国内の分布は、アイヌ88%、沖縄56%、日本本土42~56%である。

世界でも稀な古代血統とされるY遺伝子D系統が、日本人を特徴づける要素ではないかと考えられている要因でもある。

しかし、マスコミでは大々的には報道されず、wikiなどでは、まるで誰かに検閲されているかのように、この関連の記事は削除されている。(削除を行っているのは「ABCEdit」なる人物)

日本人が古代血統であると困る人々がいるのだろうか?

本当に不気味な現象である。

しかし、一部の人々にとって「不都合」なことであっても、科学は「真実を射抜き」それらを隠し通すことは出来ない。

ちなみに皇室が、古代血統であることはこのYapという遺伝子構造を持つことが既に証明されており、かつて、反日史観を支持する人々の間で一世を風靡した江上波夫の「騎馬民族渡来征服説」、「天皇朝鮮起源仮説」などは根底から覆される結果となった。また同時に「明治天皇すり替え仮説(大室寅之祐即位仮説)」、「系図改竄仮説(継体天皇以降万世一系仮説)」、「非万世一系仮説(間男仮説)」なども終止符が打たれる結果となった。

関係者筋の話によると、早ければ来年(2018年)の10月初旬には、仁徳天皇陵の発掘調査が発表されるとの情報があり、戦後蔓延した反日歴史観は払拭されるであろうと言われている。

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1)Yap - Yapとは、古代、アフリカ大陸の北東部にいた一人の男性に起きた突然変異の特徴を残す遺伝子構造で、Y染色体上の長腕部「DYS287 Yq11」に、約300塩基からなる挿入多型のAlu配列(Alu sequence)の構造を持つことで知られており、日本列島はユーラシアの中で最古の系統の人種が住む国であると言える。オカルト学説ではかつて「Yapマイナス」が日本固有種という説を載せる本があったが、これは資料の完全な読み間違えで、「Yap+(ポジティブ/陽性)」がYapを有する系統(いわゆる日本固有種/縄文系)、「Yap-(ネガティブ/陰性)」はYapを有しない系統(いわゆる通常種/弥生系)である。この種の間違いは、飛鳥昭雄らの著作に誤掲載されたことに始まり、種々の本はその孫引きによって敷衍したものである。
2)騎馬民族征服王朝説とは、東北ユーラシア系の騎馬民族が、南朝鮮を支配し、やがて弁韓を基地として日本列島に入り、4世紀後半から5世紀に、大和地方の在来の王朝を支配ないしそれと結託して大和朝廷を立てたという説。騎馬民族日本征服論ともいう。東洋史学者の江上波夫が考古学的発掘の成果と『古事記』『日本書紀』などに見られる神話や伝承、さらに東アジア史の大勢、この3つを総合的に検証した結果と称して発表したプロパガンダによる仮説であるが、現在は否定されている。これらプロパガンダに乗せられる形で、作品を発表した代表的な人物は、手塚治虫や司馬遼太郎など。
3)Japanese Emperors are D1b1a2(IMS-JST022457) The Japanese monarchy (Imperial House of Japan) is the oldest continuous hereditary monarchy in the world still in existence. It has "reigned since time immemorial." Imperial family's genealogical tree sparked the interests not only by Shinto priests, but by anthropologists/geneticists. In these results, we aim at demystifying the lineages of Japanese imperial family for encouraging the further researches in this field. "Genetic Evidence"Most scientists agree on the use of SNP on non-recombining portion of Y-chromosome, known as Y haplogroup. Majority of Japanese males had genetic markers specific to Japanese islands as well as Okinawan. "Birth rates of ruling family"Ruling family and group often dominates in social ranks, and more controversially, in reproductions. Using Y-chromosome data, Genghis Khan's offsprings may have been 16 million people, suggesting that the group of larger disributions could be much likely to be the rulers genetic make-ups. Japan is the oldest continuous hereditary monarchy in the world, and unlike briefly ending rulership of Genghis Khan's heirs, Japanese imperial family and their associates dominated Japan for more one thousand years. Thus, rough estimations of how likely imperial family belonging to each Y-haplogroups may hold equality relation with the frequencies - distributions of Y haplogroup. To this extent, it is natural to expect that there would be more than 60% probability of Japanese emperor descending from the Jomon people of Japan. If Korean farmers really did become dominant in Japan as recently as 400 BC, one might have expected the modern Japanese and Korean languages to be as closely similar as other languages that diverged at such a recent date (eg, German and Swedish), whereas their relationship is in fact much more distant.
4)ドイツの政治家・アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler, 1889-1945)のY染色体は、ハプログループE1b1b1(E-M35.1)である。これは、ジャーナリストのジャン=ポール・ムルダースと歴史学者マルク・フェルメレンが、アドルフの甥・ウィリアム・パトリック・ヒトラー(筆名 ウィリアム・パトリック・スチュアート=ヒューストン)の息子にあたる、アレクサンダー・スチュアート=ヒューストンおよび、アドルフの再従兄弟ノルベルト・ヒードラーなど、アドルフの親族39人からDNAを採取して行った解析の結果によるものである。この結果に対して、「ヒトラーの先祖はユダヤ人の可能性がある」とセンセーショナルに報じられたが、Y染色体の研究者・マイケル・ハマーは、「ドイツとオーストリアの男性の9%未満が、このハプログループE1b1b1(E-M35.1)に属し、その中の大多数である約80%は、ユダヤ人の祖先とは関連していない。このデータで明らかなことは、ある一人の人物のハプログループがE1b1b1と呼ばれるY染色体の枝に属しているということであって、その人物の先祖がユダヤ人である可能性が高いという意味ではありません」という異例のコメントを発表した事件。