「昨年膵臓がんで奥さんが急死されたとき、数百人の参列者が集まったんです。事務所の社葬でしたが、参列者の大半は旦那さんの関係者でした。その葬儀で、旦那さんは1時間にわたって妻がいかにかけがえのない人だったのかを『独演』していました。けれど、私は正直、そのスピーチにも違和感を覚えました。亡くなった奥さんを悼んでいるようでいて、実は『悲しむ夫』の役を演じているような気がしたのです。娘のJ子さんも、そんな父親の姿には失望していたのではないでしょうか」(前出のBさんの友人)
今回の事件を起こすかなり前から、J子が父親を嫌い、憎悪すらしていたのではないかと疑わせる証言が、いくつもある。
「実はJ子さんが中学生の頃、一時的に母親のBさんと家を出ていた時期があったそうなんです。それも、父にJ子さんが暴力をふるうようになり、母親が連れ出したのだと聞いています」(J子の同級生を娘に持つ地元住民)
一部報道では、今年の春にも、J子が金属バットで父に襲いかかり、頭蓋骨を骨折させた、などと報じられている。その引き金となったのが、父の再婚だったことは想像に難くない。
「Aさんは妻が亡くなってから3ヵ月しか経っていないのに、20歳以上年下の女性と再婚しています。若い女性と街を歩いている姿も目撃されている。思春期の娘が父親のそうした行動をどういう目で見ていたのか、言うまでもありません」(地方紙社会部記者)
死んでしまえば、お母さんのことはどうでもいいの?やり場のない怒りをぶつけるように、J子は父に殴りかかった。その頃、J子は父に対しての憤りを、周囲にこう漏らしている。
「中学から高校にあがる前に、ウチの娘がJ子ちゃんと商店街で会ったんです。その時、娘はJ子ちゃんとファーストフード店で世間話をしたのですが、彼女が突然父親のことを『ゴミ』とこき下ろしはじめたそうです。Bさんの死後に開かれた校内の弁論大会でもJ子ちゃんは『マイ・ファーザー・イズ・エイリアン』と言い放ったと聞いています」(前出の同級生母)
父の早すぎる再婚を機に、父娘は別居状態に入った。表向きは「海外留学準備」のため。だが、父と娘の関係は、もはや修復不可能な状態に陥っていた。
ひとり暮らしを始めたJ子の部屋で、やがて惨劇が起こった。母を喪った痛み、別の女を家に迎えた父への憎しみ。鬱積したJ子の怒りが破壊衝動へと変わった時、それが向かった先は、たった一人の彼女の友だち、愛和さんだった。
J子の父は今、深い苦悩と悔恨の底に沈んでいるだろう。自分は、娘を育てることに失敗した。原因は、自分にあるのか。二度と、取り返しのつかない結果を招いてしまった……。