佐世保「高1同級生惨殺」事件 すべて私のせいなのか……人生はある日突然、狂い出した 早大卒・弁護士・53歳加害者の父「悔恨と慟哭の日々」

家族の「秘密」

J子一家と付き合いのあった別の知人は、母親の人柄をこう評価する。

「彼女は東大出身ということをまったくひけらかさない、謙虚な方。恰好も質素で、いつもジーパンにポロシャツというカジュアルな服装で飛び回っていました。ボランティア活動を熱心にされていましたけど、それと同時に旦那さんの仕事も支えていたんですよ。旦那さんの事務所では電話番から雑務まで、裏方の仕事をこなしていました。『私にはこれくらいしかできないですからね』と笑っていたのを覚えています」

そしてJ子の兄も、エリートの両親と遜色のない優等生だった。兄は高校3年生時の模試で全国20位になるほど学業優秀で、母と同じ東大を目指していたという。結局、東大への進学は叶わなかったが、現在都内の有名私立大法学部に在籍している。

幼少期のJ子もまた、周囲を驚かせるほどに聡明な子どもだったという。

「J子ちゃんが4歳のとき、事務所に遊びに来てお父さんと話しているところに居合わせたことがあったんです。その内容が4歳とは思えないほど大人びていてね。私が『J子ちゃんは本当に利発やねぇ』と褒めると、あの子は『利発っておりこうさんって意味?』と返してきたんです。こんなに小さな子なのに、知らない言葉の意味をすぐに理解できるんだ、とびっくりしたのを覚えています。

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毎年の年賀状も一家全員の姿が写った写真が使われていて、仲良し家族という印象でした」(同前)

そんな「華麗なる一族」の住まいは、市内を見下ろす高台にある。佐世保で富裕層が家を構えるこの地域のなかでも、その家は群を抜いて目をひく大豪邸だ。敷地は約80坪、建物は地上2階、地下1階という造り。敷地内には丁寧に手入れされた観葉植物が並ぶ。

家に招かれたことのある近隣住民の話では、屋内にはグランドピアノが2台置かれており、リビングでは、しばしば青年会議所のパーティが行われていたという。さらに敷地には通行人が足を休めることのできる庭が造園されており、そこにJ子の父が記した「夢いつまでも 自由に生きて」という言葉が刻まれたプレートが置かれている。

カネ、名誉、賢い妻、優秀で聡明な子どもたち。J子の父は誰もが「こうありたい」「こうなれればいいな」と願うもの、すべてを手にしていたはずだった。

だが、娘のJ子は、親友を絞殺し、遺体をバラバラにする事件を起こした。いったい、それはなぜなのか。実は、外見上眩しいくらいにきらびやかだった家庭は、触れればすぐ粉々に砕け散ってしまうほど大きなヒビが入っていたようだ。

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