「ごめんなさい、間違いでした」がなぜ言えない…訂正にも「言い訳」を挟むNHKと週刊文春の「謝れない病」の根深さ
配信
■「謝れない」メディアからいずれ読者・視聴者は離れていく メディアは、政治家や企業の不正や不祥事を暴くという点で、依然として重要な役割を担っていることは間違いない。しかしながら、反省して立ち直ろうとしている人や組織にとって、メディア報道が足かせになることも少なくない。 筆者は、過去に企業の炎上や不祥事への対応を行ってきたが、不祥事を起こした企業が、組織改革、再発防止策を取っている最中に、批判的な報道がされ、対応が遅れてしまうことも多々あった。 正当な批判であれば良いのだが、誤報や偏向報道であれば、それを正すための手続きが必要になる。黙認すれば、風評被害が生じてしまう。何も悪いことをしていない従業員や取引先にまでダメージを与えてしまうこともある。 逃げ場を失った人や組織にとどめを刺すことが、メディアの役割ではないはずだ。 不正を暴いたり、糾弾したりするのは良いのだが、過度に批判したり、自分たちの過ちを認めなかったり、正当化したりするメディアは、視聴者や読者にも支持されなくなってしまう。 ネットでは「マスゴミ」と揶揄されることも多いが、多くの読者や視聴者の一次情報の入手先は、依然としてマスメディアである。 正しい情報を発信することはもちろんだが、もし誤りがあったら、素直に認めて訂正し、誠実に謝罪ができることが、支持されるメディアになる上で必要なことであると思う。 ---------- 西山 守(にしやま・まもる) マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授 1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。 ----------
マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授 西山 守
- 81
- 163
- 14