介護報酬の不正受給など 大月市が介護施設の指定取り消しへ
大月市の介護施設が必要な人数の職員を配置せずに介護報酬1100万円余りを不正に受給していたほか、利用者に十分な食事を提供せず衰弱させたなどとして、市は介護保険法に基づいて事業所としての指定を取り消すことを決めました。
大月市によりますと、上野原市のNPO法人「ラクーダ」が運営する大月市の小規模多機能型居宅介護事業所「ナーシングホーム猿橋」は、介護が必要な高齢者などに通所介護や訪問介護、それに宿泊といったサービスを提供していますが、少なくとも去年1月から8月にかけて、職員が必要な人数に達していないのに基準を満たしているように装い、介護報酬およそ1191万円を不正に受給したということです。
また、この間、宿泊で滞在していた男性1人に対し、本来提供すべき食事の半分程度の量しか提供せずに衰弱させたということで、男性は市が入院の措置をとったものの2週間後に亡くなったということです。
さらに施設では、定員を超える利用者に宿泊や通所のサービスを行っていたということです。
大月市が施設の職員から情報提供を受けて監査を行った結果、不正が発覚したということで、大月市は介護保険法に基づいて来月12日付けで事業所としての指定を取り消すことを決めました。
現在、施設を利用している19人については、サービスを利用できるほかの事業所を探しているということです。
運営法人の代理人を務める弁護士はNHKの取材に対し「勤務時間の算定のしかたなどは市と見解の相違があるうえ、弁明の機会も十分に与えられなかった。処分は不当だ」などと述べ、近く、裁判所に決定の取り消しを求める訴えを起こす方針であることを明らかにしました。