「自分は何とカッコ悪いんだろう。ぶざまで情けないと感じました」
1973年春、18歳の秋吉久美子さんは絶望のどん底にいた。大学受験に失敗したのだ。
前年の夏休み、オーディションで選ばれて映画「旅の重さ」に出演した時は、こんな事態は想像していなかった。優等生だったし、模擬試験も志望校の合格ラインに届いていたからだ。福島県いわき市の女子高を卒業、地元の予備校に通い始めると、みじめな気持ちは一層強まった。同級生や男子校の生徒からマドンナ的にあがめられていたことも、傷を深めた。
突然、芸能界へ
「『東京に出てくればコマーシャルくらいだったらあるわよ』という甘い言葉に、うかうかと乗ってしまったんです」
浪人生になって間もなく、東京から来たアングラ劇団の公演を見に行った秋吉さんは、偶然出会った主宰者の妻、内田ゆきさんに芸能界入りを誘われ、即断した。勧誘の言葉通り、上京2週間後...












