1970年代前半の映画界に彗星(すいせい)のように現れ、時代を象徴する青春スターとなった秋吉久美子さん。その後も自らのスタイルを貫いて活躍、幾多の名作映画・テレビドラマに出演してきた。秋吉さんが代表作を通して、半世紀を超える芸能生活を振り返った-。
「幼稚園から高校までずっと優等生でした」。本名「小野寺久美子」の時代を語る表情は、にこやかで柔らかい。
福島県いわき市の水産試験場に勤める父親は文学や映画が大好きで、週末はテレビの日曜洋画劇場を見るのが楽しみだった。家の中ではいつも、イタリア映画「刑事」の主題歌などの映画音楽が流れていた。
専業主婦の母親と妹の4人家族。幼い頃から読書が大好きだった秋吉さんは、高校生でドストエフスキーの小説や哲学書を愛読。学校の文芸クラブで部長を務め、詩や小説を発表していた。
妹の一言
「本に同化しすぎて、道を歩いていても『彼女はたばこ屋の角を曲がり、ふと立ち止まって戻ろうかと考えた』と、ト書き(戯曲などでせりふ以外に、登場人物の動きや心情などを示した文章)が、常に頭に浮かんでいた...












