元熊本大院生が論文盗用 学術誌に投稿 「研究の遅れに焦り」

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熊本大学の元院生が論文を盗用していたとして記者会見した富澤副学長(中央)ら=熊本市中央区の熊本大学で2025年2月14日午後2時28分、山口桂子撮影

 熊本大学は14日、元大学院生の女性(40)が学術誌に投稿した論文で盗用があったと発表した。元院生は既に自主退学し学位も取得していないため、処分はしないという。

 発表によると、元院生は留学生で、2014年4月から社会文化科学教育部の博士課程に在籍。在学中の18年3月に発刊された学術誌に投稿した論文で、盗用が確認された。

 大学側は24年7月に外部からの通報を受けて調査を開始。その結果、論文全体の半分以上にあたる計5800字、32カ所で先行研究論文と語句や文章が同じだった。25年1月に元院生に論文の取り下げ勧告をし、取り下げた。元院生は「研究の遅れに焦りがあった」などと話したという。

 論文は元院生が査読を経て自ら投稿したものだったが、大学側は盗用に気づけなかったことを認めた。富澤一仁副学長は「不正が起こったことは遺憾。論文チェックの仕組みや手順を構築し、再発防止に努める」と述べた。【山口桂子】

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