熊本大学は14日、元大学院生の女性(40)が学術誌に投稿した論文で盗用があったと発表した。元院生は既に自主退学し学位も取得していないため、処分はしないという。
発表によると、元院生は留学生で、2014年4月から社会文化科学教育部の博士課程に在籍。在学中の18年3月に発刊された学術誌に投稿した論文で、盗用が確認された。
大学側は24年7月に外部からの通報を受けて調査を開始。その結果、論文全体の半分以上にあたる計5800字、32カ所で先行研究論文と語句や文章が同じだった。25年1月に元院生に論文の取り下げ勧告をし、取り下げた。元院生は「研究の遅れに焦りがあった」などと話したという。
論文は元院生が査読を経て自ら投稿したものだったが、大学側は盗用に気づけなかったことを認めた。富澤一仁副学長は「不正が起こったことは遺憾。論文チェックの仕組みや手順を構築し、再発防止に努める」と述べた。【山口桂子】
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