2024年11月の兵庫県知事選で真偽不明の情報がSNS(ネット交流サービス)上で拡散されたことなどを受け、選挙期間中のSNS利用のあり方が議論の的になっている。
そんな中、シンクタンク・コンサルティング会社「紀尾井町戦略研究所」(東京都港区)が1月30日、18歳以上の男女1000人を対象にデジタルリテラシーに関する意識調査をオンラインで実施したところ、偽情報や誤情報に「だまされない自信がない」と答えた人が5割近くに上った。
多くの人が情報を得る環境に不安を抱えている実態が浮き彫りになった形で、選挙中のSNS規制に前向きな人も75%を超えた。
20代の情報源は…
同研究所によると、回答者の属性は男性62・2%、女性36・9%で、年齢は10代0・5%▽20代3・3%▽30代14・5%▽40代28・3%▽50代32・7%▽60代15・2%▽70代以上5・5%。
ニュースなどの最新情報を得る手段を複数回答で尋ねたところ、「インターネットのポータルサイト」(77・4%)と「テレビ」(71・5%)と答えた人が突出して多く、3位以下は「紙の新聞」(34・5%)▽「YouTubeなどの動画配信」(31・7%)▽「X(ツイッター)やインスタグラムなどのSNS」(28・0%)▽「新聞社などメディアのニュースサイト」(26・5%)▽「LINEなどのメッセージアプリ」(23・4%)――と続いた。
年代別に見ると、「インターネットのポータルサイト」と「テレビ」はそれぞれ、30代以上がいずれも6割以上となったが、20代は4割台だった。
また、「紙の新聞」と答えた人は、30代が23・4%、70代以上が67・3%と年代が上がるにつれて増える傾向が見られたが、20代は12・1%と低さが際立った。
20代は「インターネットのポータルサイト」と「テレビ」だけでなく、「XやインスタグラムなどのSNS」も4割台で、突出して多いものがなかった。
4割弱が「実際にだまされた」
情報に接する際、偽情報や誤情報にだまされない自信があるかどうかを尋ねると、「自信がない」(6・8%)と「あまり自信がない」(41・4%)と答えた人が計48・2%に達し、「自信がある」(5・8%)と「ある程度自信がある」(37・9%)の計43・7%を上回った。
実際に偽情報や誤情報にだまされたり、後で間違った情報だと気が付いたりしたことが「あった」と答えた人は38・7%で、「なかった」の33・8%よりも多かった。
信頼できるメディアを複数回答で聞いたところ、最多は「新聞」の40・3%だった。一方で、「信頼できるメディアはない」が2位の36・8%となり、「テレビ」(35・7%)や「インターネットのポータルサイト」(14・4%)を上回った。
ただ、「新聞」と答えた人を年代別に見ると、70代以上は6割を超えたが、20~30代は2割台にとどまった。
9割弱が子どものSNSに「規制を」
選挙中のSNS利用については「規制すべきだと思う」(29・0%)と「ある程度規制すべきだと思う」(46・7%)が計75・7%に達した。
また、SNS上の偽情報対策に関し、石破茂首相は1月28日の参院代表質問で「表現の自由に配慮しながら、どのような情報を流通させることが違法かを明確化したガイドラインを早期に策定する」と答弁した。
この対応を妥当だと思うかどうかを尋ねた質問には、「どちらかといえば妥当だと思う」(41・5%)と「妥当だと思う」(21・6%)が計63・1%となり、「妥当ではないと思う」(5・5%)と「どちらかといえば妥当ではないと思う」(4・9%)の計10・4%、「どちらともいえない」の20・7%を大きく上回った。
オーストラリアなどの諸外国で子どものSNS利用を規制する動きがある中、日本の子どものSNS利用のあり方についても尋ねたところ、「禁止する必要はないが、何らかの規制は必要だと思う」が64・5%、「禁止すべきだと思う」が22・3%に上り、ほとんどの人が何らかの規制が必要と考えていることが分かった。【稲垣衆史】