高校生男子のキスは過去最低、性交は18年前の約半分――変化の理由を学生たちが自己分析すると? #性のギモン
恋愛から気持ちが遠ざかっているのは、コロナの影響もあるという。彼女たちの場合、高校に入学したその年が、まさにコロナ禍元年の2020年だった。 「入学式はありませんでした。その後もオンラインや少人数での授業が続き、たまに顔を合わせる機会があっても、マスク姿なので『だれ?』みたいな。彼氏どころか、友だちをつくるのに精いっぱいという状況でした」 恋愛はめんどうくさいという気持ちもある。女性の社会進出が進み、結婚しなくても生きていける世の中になった。それで、無理に恋愛して結婚する必要はないよね、という人が増えたのではないかという。 「どんなに好きな人でも、付き合うからには絶対、自分の生活のどこかを妥協しなくてはならないでしょう? そんな気力も体力もない……。推しがいれば、彼氏はいなくてもいいという友だちも多いです」 一方で、「性」に関心がないわけではない。高校生女子の「性的関心をもった経験」「自慰経験」が上昇していることについて水を向けてみると、こんな答えが返ってきた。
「インターネットやSNSで、女の子でも気軽に性の情報に触れやすくなったことが大きいんじゃないかな。実際、私も中学生のとき、友だちとスマホでこっそりAVを見ました。それでセックスのことを初めて知りました」 スマホがない時代、中高生女子がAVを見る機会は少なかった。アダルトな雑誌やビデオを手に入れるのは、とくに女子にはハードルが高かった。だが、現代はスマホで検索すれば、すぐにそんな情報にアクセスできる。 「ちょっと興味をもってスマホでチェックすると、アルゴリズムが働いて、関連する情報がどんどん表示されてくるので、ますます関心が高まるということがあります。その中には、女性でも性欲があっていいよね、という情報もあり、性に対する抵抗感が薄まっているのでは」 そうした変化か、最近友人の男子からこんな話を聞いたという。 「彼がネットで知り合った女の子と初めてリアルでデートした。で、ちょっといい雰囲気になった。でも、彼は『さすがに初対面では』と思い、手を出さなかった。そうしたら、女の子が『どうして手を出してくれないの』と泣いてしまったそうなんです」