高校生男子のキスは過去最低、性交は18年前の約半分――変化の理由を学生たちが自己分析すると? #性のギモン
高校生男子「積極派、慎重派。若者世代は二極化」
「青少年の性行動が減っているのは、悪いことではないと思うんです。その先につながる少子化や高齢化社会への影響についてはよくわからないのですが、自分事として考えると、性行動はリスクがあることなので! とくにセックスは命ができてしまうので、慎重でありたい、あってほしい」 ハキハキと快活な口調で話すのは、神奈川県の中高一貫共学校・公文国際学園に通う高校3年生、本久碧さんだ。本久さんは、高校生による高校生のための性教育団体「セクテル」の立ち上げメンバー。自分たち高校生目線での性教育に関するリアルな情報を、ワークショップや講演、SNSなどで発信している。今回の日本性教育協会の調査結果について「どうして減っているのか」と、セクテルの3人で議論したことがあるという。
「みんなで考えてみたところ、まず出た意見が、やはりインターネットの影響かなと。昔なら、彼氏・彼女がほしければ、学校や塾、地元の友だちの中から探していた。それが最近はSNSやマッチングアプリがあるので、出会いの可能性は無限大。しかも、ふだんの生活の中ではなかなか出会えないような美男美女が、たくさん画面の向こう側にいる。だから、勝手に理想が高くなっちゃって、現実に目が向かないのでは」 さらに、昨今の高校生の間では、ネットで男子対女子の戦いが日々繰り広げられているのだという。 「どちらがデートで奢るのかという『奢り奢られ論争』とか、モテない弱者男性を『チー牛』と呼ぶとか、こんなんじゃモテないと互いをディスり合うとか……。SNSではしょっちゅう盛り上がっています。いまの高校生は男女とも、そんなやりとりを見ているうちに、傷つくのが怖くなってリアルの付き合いを避けたくなっているのでは──セクテルの3人でそんなふうに話し合いました。わざわざリアル社会でリスクを負わなくても、スマホがあれば、AVとかで女の子の裸も見られるし、チャットアプリで疑似恋愛も楽しめますしね」 まわりを見ても、恋愛に興味はあれど、関心事の中心かといえば、そうではない。「モテることはステータスでもなく、勉強や部活、課外活動で活躍しているほうがかっこいいという風潮が、僕らの学校にはある」と本久さんは言う。「僕らの学校には」と限定したのは、それは必ずしもどの学校でも同じというわけではないと思うからだ。「セクテル」の活動で地方の高校に行ったとき、自分たちの学校との雰囲気の違いに驚愕したという。