ただ、首脳陣が率先して、そういう健康的な食生活をしていたかというと、まったくそうではありませんでした。節制が必要なのはあくまでも選手。
監督、コーチ陣は、寿司屋に行った、焼肉屋に行った、カラオケに行ったと、なんの制限もなかったようでした。でも、選手には「選手生活を長くしたいなら、しっかりやれ」とずっと言っていました。
オフに入ると、結婚している選手の奥さんを呼び、栄養士を招いて、食事や栄養の勉強会をやっていました。こういうものを食べさせてくれとか、野球選手にはこういう食事が適しているとか……。過去、他の球団ではやっていなかったと思います。
今でこそ、栄養指導をするチームもあるようですが、当時、オフにそういった勉強をするのは画期的でした。
体が資本というところを徹底していたとも言えますし、それから他の人があえてやらないところまで、いいと思うことは徹底的にやらせたことが大きな差を生んだように思います。
…その徹底ぶりは、日々の練習でも現れます。その詳細は『休みなし、ミスれば怒号が飛ぶ…1980年代「西武ライオンズの黄金期」の壮絶な日々に僕が思っていたこと』で明かします。