「女子高生で6年生の弟とお風呂…」貧乏多産のリアルと母の「托卵」疑惑。4男4女の親になる資格のある人とない人の決定的な違い
昨今、妊娠や出産をめぐる話題がSNSを中心に議論されることが増えた。例えば多産DV。これは女性に望まぬ妊娠・出産を繰り返させ、逃げにくくする、配偶者間の性的DVの一種だ。危機管理コンサルタントの平塚俊樹はこう話す。 「SNSで当事者が声を上げ始めたことでその存在が明らかになりつつあります。子沢山がすべて不幸というわけではないのでその点では注意が必要です」 もうひとつこの数年で認知された言葉がある。それが托卵。 「ドラマの題材になるくらいですから、相当浸透していますよね。托卵とは動物の習性のひとつで自分の卵の世話などを他の動物に代行させること。カッコウなんかが代表的だと言われています。いずれにせよ、これらの問題は当人だけでなく傷つく人がいます。特に子どもたちは最大の被害者でしょうね」 今回お話を聞いたのは、子沢山家族で育った女性。最近になり知った多産DVがまさに実家でのことだったと話してくれた。 ---------------------------------------------
石川美琴さん(仮名・34歳)は、4男4女の子沢山で育った。長女だったこともあり幼い頃からいつも下の子の面倒を見るのが当たり前だったと話す。 「環境ってすごいですよね。私の家はもちろんその団地は数家族、子沢山がいたんです。だから自分の家が特別だとは思わなかったんですよね。おむつ替えたり、風呂入れたり、学校連れて行ったり、洗濯物を畳んだり…それくらいは当たり前の日常でした」 ー昔の家はみんなこうだった。 「これは親の口癖でしたね。昔はもっと兄弟がいて上の子は学校にも行けなかったと。だからあんたは幸せねと言われていました。そのときはそんなもんなんだなと思っていましたね。兄弟は上に兄が2人、あとはみんな年下です。今思うとよく生活してましたよね」 もちろん自分の部屋などない。 「あの家にいてプライベートなんてものは皆無。思春期になるとそういうスペースが欲しくなるでしょう?でも諦めていましたね。着替えですら男兄弟や父にみられることもあったくらい。何より過酷だったのがお風呂で初めて1人で入ったのは高校生になってから。それまでは兄弟と一緒に入らされていたんです。お湯がもったいないとか言われて。高学年の弟と入るとか異常すぎますね、今になれば」 両親の仲は良かったのだろうか? 「ちょっと不思議な関係性だったんですよね。父は母の18歳上で亭主関白ぶっていましたが、最後の最後は母に弱い感じもあって。母は専業主婦だったので事実上、父の働きだけで10人家族を養っていたことになります。近所に住む親戚が畑をやっていて、そこからの援助がなければ、おそらく食べるのにも困っていたと思います。とはいえ、つねにおかずは1品。ご飯だけの日もありましたし、裕福だとはいえない環境でした」 高校に行きたいと言い出すのもやっとだったそう。