香港の世論調査機関、「無期限停止」 国安法違反容疑巡り当局が捜査

高田正幸
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 香港の世論調査機関「香港民意研究所」は13日、自費による全ての調査活動を無期限で停止すると発表した。研究所の閉鎖も検討するとしている。元幹部が香港国家安全維持法国安法)違反の疑いで指名手配され、警察の捜査を受けていた。捜査が研究活動に影響を与えた可能性がある。

 香港民意研究所は香港大学の世論調査部門が前身。幅広い世論調査で知られ、香港の人々の自己認識が「香港人か中国人か」といった敏感なテーマも調査対象として扱ってきた。元幹部が昨年12月に指名手配をされたことに伴い、1月には事務所が捜索を受け、主席も取り調べを受けた。

 香港民意研究所は「法律を順守してきたが、現在の環境を鑑み、調査を中断せざるを得ない」とする声明を発表した。

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この記事を書いた人
高田正幸
台北支局長兼香港支局長
専門・関心分野
台湾、香港、中国、反社会的勢力
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    倉田徹
    (立教大学法学部教授)
    2025年2月13日20時52分 投稿
    【解説】

    香港民研の調査は、私を含め、極めて多くの香港研究者が大いに頼りにしてきました。  民研の前身は、鍾庭耀主席の下で香港返還前の1990年代から活動してきました。それ以前の香港は、植民地統治の下、まともな選挙もなく、民意調査自体が個別の研究者に

    …続きを読む