今から7年前。
「──
「ああ。もっとも、俺達の方は最弱の血だが・・・・・・ヘラの方はアルフィアの血が混ざっている」
「それを俺に・・・・・・いや、俺達に?」
「・・・・・・アルフィアと決めていた事だ」
「・・・・・・いいだろう、見極めてやる」
「生意気な」
決着のついた
▲▲▲
「──あら、お帰りなさいベル。ずいぶん早いですね」
「ミノタウロスに沢山いて・・・・・・ちょっと【ロキ・ファミリア】と揉め事になりました。お互い消化不良で終わりましたけど」
とある日、【フレイヤ・ファミリア】のホーム──
そこでは殺し合いを行う団員達を治療するヒーラー達、通称『
入団当初から無茶をしていたベルは彼女にはよくお世話になっている。
「貴方が不覚をしたということは、相手は幹部ですか?」
「はい」
蹴り技により腕につけられた痣をヘイズが癒す。
「打撃による痣・・・・・・相手の顔がよく浮かびます。良く大事にならずに済みましたね?」
「他の幹部が合流したので、僕の方から手を引きました」
「それは懸命な判断です」
『良い子良い子』と髪を撫でられるベルは、特に抵抗する素振りを見せる事なく受け入れている。
「──おいベル!!」
間違いなく美少女であるヘイズにそんな事をされ、少し頬を染めているベルに苛立ちの含まれた声が飛んできた。
「ヴァンさん?」
「丁度良い、お前も洗礼に参加しろ!」
ハーフパルゥムである彼は、一時期はベルの面倒を見ていたことがあるが、今となってはLv.を追い抜かれたため【ファミリア】での立場的にはベルの方が上になっている。
とはいえ関係性はあまり変わってなく、ベルは今も彼の教えに色々と助けられていた。
「聞いてなかったんですかヴァン? ベルは【ロキ・ファミリア】の蛮族の相手をしてお疲れなんですよ」
「知ったことか」
「知ってください」
「・・・お前はどうなんだベル?」
「・・・・・・一応揉めた相手が相手なんで、ヘディンさんに報告しに行きます」
「ちっ」
ベルの返答に不服なヴァンは舌打ちを響かせ、再び戦場に戻っていった。
「・・・・・・さて、私もそろそろ仕事を再開しますかねー・・・・・・。ベル、ヘディン様への報告は早めに、でないとまた叱られますよ」
「はい」
▲▲▲
「ヘディンさん、僕です・・・・・・・・・・・・いないのかな?」
ヘディンとは、【フレイヤ・ファミリア】の幹部の1人でありながら、【ファミリア】の参謀的なポジションを務めているホワイトエルフである。
「──何をしているんですか貴方は?」
「あ、ヘルンさん・・・・・・!」
「ヘディン様達幹部はオッタル様に収集され、円卓の間にいます」
「円卓の間に? ・・・・・・わかりました、ありがとうございます」
フレイヤの付き人であるヘルンにそう言われ、ベルは円卓の間と呼ばれる部屋に向かった。
円卓の間とは一部例外を除いた第一級冒険者の幹部のみが入ることのできる部屋であり、何かしらの問題が起きた際の会議に使われるのが主だ。
(何の会議をしてるんだろう?)
心当たりが無いベルはいくつか予想を立てながら歩き向かい、到着すると同時に扉を開けた。
「──失礼します」
「─む、ベルか? もう帰ってきたのか?」
「はい、ちょっと
円卓の間に用意されている席は9席。
団長──【猛者】オッタル。
副団長──【
幹部──【
幹部──【
幹部──【
次男にグレール。三男にベーリング。四男にドヴァリン。
これで8席。
そして最後の1席・・・・・・幹部──【
ベルはアルフリッグの隣に座り、会議に混ざることになった。
「会議を再開する前に、ベル。先に
「確かにそれは気になるな」
「Lv.6へのランクアップを目指してダンジョンに行ったお前が早々に探索を切り上げるとは、かなりの大事だったようだな」
「とはいえ、前の探索で
「いや、ベルにLv.を追い抜かれるのが嫌な
「「「黙れよアルフリッグ!!」」」
弟3人の逆ギレが長男を襲う。
ちなみにその時、珍しくキレたベルVSグレール&ベーリング&ドヴァリンの殺し合いが始まったのだが、暴走したグレール達の後を追ったヘディンが物理的に雷を落とした事で決着となった。
「おいっ、小人どもは無視して早く言え兎っ」
「あ、はい。その、上層にミノタウロスが登ってきて・・・・・・なんやかんやあって【ロキ・ファミリア】の幹部と軽く衝突しました」
「雑な報告をするな愚兎。・・・・・・それにしてもここで【ロキ・ファミリア】か。奴らも遠征から帰ってきたのか」
「牛畜生どもの上層進出とは関係があるのか?」
「えっと、僕も詳しくは聞いてないんですけど、ミノタウロスが【ロキ・ファミリア】から逃げてきたみたいで」
「モンスターに逃げられるとは、ざまぁ【ロキ・ファミリア】」
「ざまぁ【
「死人は出たのか?」
「死人は出ていないそうです、僕も何体か倒したので・・・・・・」
「「「チッ、余計な事を」」」
「よ、余計な事って・・・・・・」
呆れたような声を出すベルだった。
「・・・・・・報告は以上か?」
「あ、はい」
「それでは会議に戻る」
「あ、会議の内容って──」
「無論、遠征の件だ」
嫌な予感がするベルだった。