超エリート校・浦和高校の校歌指導は「地獄の時間だった」 新入生を追い込む「伝統」に疑問の声
●複数人の応援団に囲まれて全力で「押忍!」
10年ほど前の卒業生Bさんの場合も、入学式翌日、部活紹介などのオリエンテーションのあとに校歌指導があったという。 「側面の暗幕が閉じられると、『校歌指導をおこなう』というアナウンスがスピーカーから聞こえました。誰が話をしているかはわかりませんが、新入生が指名されて一人ひとり歌わせるんです。『1年◯組◯番、立て!』とスピーカーから聞こえました」 椅子の間を竹刀を持った応援団が足音を立てて歩いていた。 「竹刀で脅すんです。気を引き締めるためなんでしょう。そして2、3人が1人の新入生を囲む。そして、大声で『押忍!』と言わせるんです。応援団は煽り役でもあり、『声が小さい』とか『やる気があるのか』とヤジを飛ばしていました。 校歌になるか、応援歌になるかはランダムです。歌えないと、『君は春休みの間、何をしていた!前に立て!』などと言われ、ステージに立たされました。そして歌詞カードを持たされます。終わると、ステージに10人くらい立っていました」 Bさんは指名されていないが、応援団は、新入生を囲んで気合いを入れる。Bさんも、囲まれて、「押忍!」と返事をさせられた。 「当てられたらどうしようとも思いましたが、でも、だんだん冷めてくる自分もいました。私は3人の応援団に囲まれました。何回も全力で叫ばされたのです。囲まれた理由は言われません。おそらく、次の人が指名される間のインターバルだったと思います。 高校生活で『押忍!』と言ったのはこのときだけです。何時間もしていると、『なんでこんなことをしているんだろう?』と思ったりします。ただ、校歌指導が終わったあと、日常生活で暴言を吐かれることはありませんでした」 Bさんによると、儀式的要素がはっきりするのは、2日目の指導が終わったあとだ。 「それまで厳しい校歌指導をしていた応援団の態度が軟化するんです。"エンディング"と呼ばれ、応援団が演舞をするのが、伝統です」 しかし、校歌指導が生徒会や職員会議で問題になったことはないという。 「僕らのころは校歌指導を理由に学校をやめてしまう人はいなかったと思います。不登校の生徒はいましたが、理由はわかりません。それにしても、校歌指導はくだらない、脅しつけて我慢を強いる行事です。僕はなくなったほうがいいと思っています」