【独自】和解拒否したことで…デヴィ夫人が元従業員との裁判で約2900万円の支払いを命じられていた

2度にわたり解決案を“蹴った“
〈本件紛争の早期解決という観点で、労働審判委員会から、調停案として解決金300万~400万円(編集部注・Aさん分の解決金)の範囲で提案がなされた。当該調停案をうけ、双方が持ち帰って検討することとなった。令和4年(’22年)6月30日に第二回期日が開かれ、被告代表者であるスカルノ氏が初めて出頭した。原告(編集部注・Aさん)及び訴外Bとしては、調停案に応じる意向を有していたところ、スカルノ氏は調停案の内容について到底納得できるものではない様子であった。被告側からは解決金40万円程度であれば支払うとの提案がなされたが、原告及び訴外Bはその内容では到底受諾できる内容ではなかったので当該提案には応じなかった。
そのため、当該調停は不調に終わると思った矢先、被告代理人からもう一度スカルノ氏を説得するのでもう1期日開いてほしいとの要望がなされたことから、再度被告の方で検討することとなった。令和4年(’22年)8月2日に第三回期日が開かれたが、やはり被告において調停案に応じる意向はないとのことであったため、同日、労働審判が出され、裁判所から300万円の解決金および同日付の合意退職の合意が提示された。これに対して、後日、被告から労働審判の異議申し立てが出されたため、本件訴訟に移行することとなった〉(「訴状に代わる準備書面」より)
つまり、これだけの大金を支払わなければならなくなった原因は、労働審判で提示された解決案を2度、自ら“蹴った”からで、原因はデヴィ夫人にあったということになる。もし労働審判の段階でデヴィ夫人がこの解決案を受け入れていれば600万円ですべては解決していたのである。
「当事者ではなく事情を詳しく把握していないので断言はできませんが、訴訟で認定されているやり取りの内容だと退職の合意があったとは通常考え難いです。また、一般的に日本は労働者の保護が手厚く解雇が強く制限されています。さらにデヴィ事務所側の弁護士が労働審判中にデヴィ夫人を説得しようとしていたことを踏まえると、デヴィ事務所側が一切お金を払わない結末はほとんどなかったのだろうと思います。
ただ、労働審判という制度は、短期間で判断を下すものですから、どうしても証拠の判断が十分にされないことが多いのです。訴訟の中でしっかりと証拠を見てもらう、言い分を聞いてもらうという判断を選ぶことは決して間違ってはいないと思います。ご自身の栄誉的なところで、やっぱり結論を曖昧に終わらせたくないという気持ちがあったのかもしれませんね」(正木弁護士)
「負けたっていいわよ!」と言って、デヴィ夫人は突っ走ったのかもしれない。ただ2人への支払い額は600万円で済むところが2900万円に膨れ上がり、2300万円も増えてしまったわけだが……。デヴィ夫人はこの裁判結果をどう思っているのか、控訴のことも含めデヴィ事務所に問い合わせたが、
「コメントは控えさせていただきます」
と、その心情を窺うことはできなかった。さすがに控訴してまだ争う、ということはないとは思うが……。
- 取材・文:酒井晋介
- PHOTO:中村和彦(1枚目)