オウム真理教 | 国際テロリズム要覧2021 | 公安調査庁

アーカイブされた 2021年8月29日 03:18:18 UTC

オウム真理教

(1) 結成時期

1984年(昭和59年)2月

(2) 組織・機構

ア 教祖・創始者

麻原彰晃こと松本智津夫(以下「麻原」)(死亡)
オウム真理教(以下「団体」)の教祖・創始者。1955年(昭和30年)3月2日,熊本県八代郡金剛村(やつしろぐんこんごうそん)(現八代市)で出生。熊本県立盲学校を卒業後,鍼灸師として生計を立てたり,千葉県船橋市内で医薬品の販売業を営んだりしたが,その間,仙道,仏教,ヨーガ等に傾倒し,1984年(昭和59年)2月,「オウム神仙の会」を設立した。1987年(昭和62年)7月頃,名称を「オウム真理教」に改め,「最終解脱」を果たしたと吹聴して,構成員に自らを「尊師」,「グル」と呼称させ,上命下服の位階制度を確立した。その後,1990年(平成2年)2月施行の衆議院議員総選挙に落選したこと等を契機に団体の武装化を進め,松本サリン事件,地下鉄サリン事件等を引き起こし,1995年(平成7年)5月に殺人及び殺人未遂容疑で逮捕された。その後起訴された13事件につき,2006年(平成18年)9月に死刑判決が確定し,東京拘置所に収容されていたところ,2018年(平成30年)7月に刑が執行された。

イ 組織形態,意思決定機構

現在,「Aleph」の名称を用いる集団及び「Aleph」と一定の距離を置いて活動する「山田らの集団」(注1)(主流派)並びに「ひかりの輪」の名称を用いる集団(上祐派)が団体と同一性を有する主要な集団として活動しており(後記(5)及び(6)参照),いずれの集団も,麻原の意思に従い,また,麻原の意思を推し量りながら活動している。

ウ 行動原理

麻原の説く殺人を勧める内容や,結果のためには手段を選ばないとする内容を含む危険な「教義」(注2)である「タントラ・ヴァジラヤーナ」を最上位に位置付けて活動している。

(3) 勢力

ア 構成員

日本国内に約1,650人

イ 拠点施設

日本国内に15都道府県下31か所

ウ 資産

2020年(令和2年)10月末時点の資産(現金・預貯金・貸付金)は約6億2,000万円
国内の信徒数の推移
<国内の信徒数の推移>

(4) 活動地域

日本等

(5) 沿革

 団体は,1987年(昭和62年)頃から本格的な活動を開始し,独自の出家制度を確立した上,在家の構成員が出家する際には,不動産,預貯金等の全財産を寄進させたほか,1992年(平成4年)1月,コンピュータ販売,飲食業等を営業目的とする会社を設立し,活発な営業活動を展開した。
こうして獲得した潤沢な資金を基に,団体は,山梨,静岡の両県に「サティアン」と称する大規模施設群を建設したほか,活動拠点を全国各地に確保した。また,米国・ニューヨーク,ロシア首都モスクワ,ドイツ・ボン等海外にも進出して勢力拡大を図るとともに,団体内部に我が国の行政機構を模倣した省庁制度を導入して組織体制の整備を図った。
その間の1990年(平成2年)2月施行の衆議院議員総選挙では,政治団体「真理党」を設立し,麻原以下幹部構成員25人が立候補したものの,全員落選した。また,同年10月には,熊本県阿蘇郡波野村(なみのそん)の大規模施設建設をめぐり,国土利用計画法違反等で複数の幹部構成員が逮捕・起訴された。
これらを「警察権力,行政,議会,住民等が一体となった弾圧」と捉えた麻原は,目的のためには殺人をも肯定する独自の教えを説き,サリン等の化学兵器や自動小銃の研究,開発,製造等の武装化を進め,麻原を独裁者とする祭政一致の専制国家体制を樹立するという政治上の主義を推進する上で障害となるあらゆる勢力を排除・抹殺するとの方針を採るに至った。
団体は,かねて松本支部・道場(当時)存続の障害と捉えていた長野地方裁判所松本支部の裁判官を付近住民と共に殺害する目的で,1994年(平成6年)6月27日,松本市内の同裁判官宿舎付近でサリンを噴霧し,8人を死亡,約140人(刑事裁判記録に基づく被害者数)を負傷させた。さらに,1995年(平成7年)3月20日,首都中心部を混乱に陥れ,団体に対する強制捜査の矛先をそらす目的で,東京・霞ケ関駅を通過する地下鉄3路線の車両内において実行犯5人が所持していた袋からサリンを同時に発散・気化させ,13人(注3)を死亡,5,800人以上(平成20年の「オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律」に基づく給付金の支給時に認定された被害者数)を負傷させた。
その後,警察当局は,全国の施設に対する一斉捜索を実施し,麻原を始めとする団体幹部の多くが逮捕・起訴された。また,団体に対する宗教法人の解散命令や破産宣告が下され,「サティアン」等の施設は破産管財人の管理下に置かれた。
公安調査庁長官は,1996年(平成8年)7月11日,破壊活動防止法に基づき,公安審査委員会に団体の解散指定処分請求を行ったが,同委員会は,1997年(平成9年)1月31日,「今後ある程度近接した時期に,継続又は反覆して暴力主義的破壊活動に及ぶ明らかなおそれがあると認めるに足りるだけの十分な理由があると認めることはできない」としてこれを棄却した。
 団体は,同決定を契機に拠点施設の再建・拡充や新規構成員獲得に向けた活動を活発化させ,パソコン販売,出版等の事業で得た潤沢な資金を背景に,拠点施設を次々に確保した。これにより,地域住民との対立が激化し,関係地方公共団体等から団体に対する新たな規制措置を求める声が相次いだことから,1999年(平成11年)12月3日,「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」(以下「団体規制法」)が成立(同月27日施行)した。これを受け,公安調査庁長官は,同法施行日の同月27日,公安審査委員会に,同法に基づき,団体に対する観察処分の請求を行った。2000年(平成12年)1月28日,公安審査委員会は,同処分の適用を決定した。
 これに対し,団体は,1999年(平成11年)12月29日に広島刑務所を出所した上祐史浩(以下「上祐」)を中心とする運営体制を確立し,以降,観察処分を免れるため,外形上,麻原の影響力を払拭したかのように装う,いわゆる“麻原隠し”の取組を開始した。すなわち,2000年(平成12年)1月18日,一連の事件における複数の団体幹部の関与を認める見解を表明するとともに,団体名を「宗教団体・アレフ」に改称し(2003年(平成15年)2月に「宗教団体アーレフ」に再改称),これを公表したのを皮切りに,2003年(平成15年)3月には,麻原のビデオや麻原の脳波を注入するとされるヘッドギアの使用を禁止するなどした。
 上祐が主導したこれら一連の“麻原隠し”の取組は,古参構成員の反発を受けるとともに,構成員の脱退をも招いたことから,上祐は,“麻原隠し”の撤回を余儀なくされ,2003年(平成15年)10月中旬,「長期修行入り」を名目に一旦は指導部から退いた。しかし,上祐は,2004年(平成16年)11月頃から,麻原がかねて団体の維持・発展のために,団体の実態や麻原の影響力を隠した「別団体」を組織し,団体本体との間で役割分担をしながら活動することを求めていた旨主張し,自らの考えに賛同する者と共に一派(以下「上祐派」)を形成し,再度,“麻原隠し”を重視した活動を始めた。これに対し,麻原を前面に出して活動することが麻原に対する真の帰依であるとする多数派(以下「主流派」)が強く反発したことから,麻原の意思の捉え方や目的実現のための活動方針をめぐる両派の路線対立が尖鋭化した。
 上祐派は,2007年(平成19年)3月,「宗教団体アーレフ」から脱退し,同年5月には「ひかりの輪」を設立した。その後,同派は,従来の活動形態を変更してでも麻原の意思を実現することこそが麻原に対する真の帰依であるとの信念に基づき,麻原の位置付けを変更したとする規約等を作成したり,「宗教団体アーレフ」時代の教材を廃棄したりするなど徹底した“麻原隠し”を展開した。さらに,同派は,インターネットや各種メディアにおいて麻原批判を展開するなど,対外的に「脱麻原」を強調する取組を推進した。
 一方,主流派は,2008年(平成20年)5月,「宗教団体アーレフ」の名称を「Aleph」に変更した。以降,同派は,従来の活動形態を維持しつつ,各修行を実践して,麻原の意思を実現することが重要であるとの観点から,麻原の写真等を施設内の修行道場の祭壇等に再び掲げ始めたり,危険な「教義」を含むとして自主回収していた教材を再び使用したりするなど,麻原への絶対的帰依を明示的に強調する活動方針をより一層鮮明にした。
 「Aleph」では,2013年(平成25年)10月以降,麻原の二男を「Aleph」の活動に復帰させることを画策した麻原の妻らと,これに反対した麻原の三女らの動きに端を発し,幹部構成員の間で内部対立が起こり,2014年(平成26年)5月以降,麻原の三女に同調するなどした幹部構成員を相次いで「除名処分」や「会員資格一時停止処分」等に付した。こうした中,2015年(平成27年)1月以降,処分を受けた幹部構成員の一人は,同調する構成員と共に「Aleph」と一定の距離を置いた活動を開始した(以下「山田らの集団」)。
 また,「Aleph」は,2018年(平成30年)3月,オウム真理教の死刑確定者のうち7人が,東京拘置所から他の拘置施設に移送されたことを受け,麻原の死刑執行が迫っているとの危機感を強め,同年4月以降,麻原の偉大性や,麻原の延命を祈願する必要性を説いたDVD等を用いた指導を強化した。さらに,麻原の死刑が執行された同年7月以降は,かつて麻原が自身の死後も構成員との関係が継続する旨言及した説法を抜粋した映像を用いるなど,生前と同様に麻原への絶対的帰依を徹底する指導を行った。
 日本国外の動向について,2000年(平成12年)7月,ロシア人構成員のグループが麻原奪還を目的に日本国内での連続爆破テロを計画し,自動小銃,手製爆弾等を用意していたところ,ロシア連邦保安庁(FSB)が,この動向を把握し,複数のロシア人構成員を逮捕した(シガチョフ事件)。
また,2016年(平成28年)3月,モンテネグロ治安当局が,同国内に滞在していた主流派のロシア人構成員ら58人を「国際組織犯罪」に関与した疑いで一時拘束する事案が発生した。同構成員は,団体のセミナー開催を目的としてモンテネグロに入国・滞在していたものとみられ,拘束された構成員の中には我が国から渡航した日本人構成員4人も含まれていた。当局による取調べの中で,同構成員が「国際組織犯罪」に関与したという事実は確認されなかったが,同国の外国人法に基づき,全員が国外退去処分とされた。
さらに,同年4月には,ロシア治安当局が,ロシア連邦刑法第239条第1項(市民に対する暴力及び市民の健康に対するその他の損害を伴う行動を行う団体の設立)に基づいて提訴された刑事事件の捜査の一環として,モスクワ及びサンクトペテルブルクにおいて,「オウム真理教」の指導者の居住先,宗教儀式の実施場所等の関係先20数か所を捜索した。同捜索では,儀式の際に使用される物品,コンピュータ等が押収されたほか,モンテネグロ治安当局に拘束されて国外退去処分を受けたロシア人構成員に対する尋問が行われた。
その後,同年9月,ロシア連邦最高裁判所は,ロシア連邦法「テロリズムへの対抗について」第24条に基づく同国最高検察庁の請求を受け,「国際宗教団体『オウム真理教』(Aum Sinrikyo, AUM, Aleph)」をテロ組織として認定,同国内における活動を禁止する決定を下した。同決定により,「オウム真理教」は,「アルカイダ」,「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)等が含まれる「テロ組織リスト」に登載され,団体の活動への参加,資金提供,勧誘等の行為が刑事罰の対象となった。さらに,2018年(平成30年)5月,ロシア当局は,ヴォルゴグラードでセミナーを開催したロシア人構成員1人を逮捕し,2020年(令和2年)11月,ロシア軍事裁判所は,同構成員に懲役15年の判決を言い渡した。
ロシア以外の諸外国における団体の活動に関しては,上祐を始めとする上祐派の幹部構成員が,2018年(平成30年)にタイに渡航して,現地でロシア人構成員等に対する指導を行った。

(6) 最近の動向

 主流派「Aleph」は,麻原の死刑執行(2018年<平成30年>7月)後も,これまでと同様,麻原の生誕を祝う「生誕祭」や,年3回開催している集中セミナーにおいて,麻原が説法する映像を視聴させたり,幹部構成員が麻原に対する帰依を求める指導を行ったりしているほか,小学生や未就学児童に対して,「真理かるた」,「真理すごろく」等の子供向けの教材を使用して,麻原の説く「教義」の定着を図っている。
また,2020年(令和2年)には,新型コロナウイルス感染症の感染拡大が懸念される状況下において,人数や時間を制限しながらも,在家の構成員を全国の施設に集めるなどして,麻原に対する絶対的帰依を扶植する指導を継続した。
さらに,「Aleph」は,麻原の死刑執行後も,これまでと同様,新規構成員獲得に向けた勧誘活動を,麻原の説く「『衆生救済』を実現するための重要な取組」と位置付け,組織を挙げて積極的に取り組んでいる。具体的には,宗教色を感じさせない形で,街頭での声掛け,SNS等の利用等を通じて一般人と接点を持ち,団体名を秘匿したヨーガ教室や勉強会に誘導し,その後,徐々に麻原の教えを扶植するなど,団体への抵抗感を軽減させた上で入会させるという巧妙な手法で勧誘活動を行っている。
また,かつて麻原が後継者に指名した麻原の二男については,幹部構成員が後継者としての「正当性」等を強調する発言をするなど,二男の団体活動への復帰に向けた気運の醸成が図られているが,その実現につながる具体的な動きまでは見られなかった。
なお,主流派「山田らの集団」においても,「Aleph」同様,麻原の死刑執行後も,幹部構成員が麻原の説法を使用した勉強会を開催するなど,麻原に対する絶対的帰依を堅持する活動を継続している。
 上祐派は,ホームページに松本・地下鉄両サリン事件の総括文書等を掲載したり,「『ひかりの輪』基本理念」に麻原の「教義」を信じることが誤りである旨加筆したりして,「麻原との決別」や「主流派との違い」を主張するなど,対外的に「脱麻原」を改めて強調する活動を継続する一方,麻原の死刑執行後も,全国の施設内に麻原がその化身であるとした仏画を掲示し続けている。また,年3回の「集中セミナー」においては,過去に麻原が行ったものと本質的に変わりのないカリキュラムをこなすとともに,麻原が重要なものと主張したヨーガ行法を構成員に奨励するなど,同派が今なお麻原の影響下にある実態が確認されている。

(7) 団体規制法に基づく観察処分

ア 観察処分の決定,期間更新決定等

公安審査委員会は,2000年(平成12年)1月28日,団体に対する観察処分の適用を決定して以降,2003年(平成15年)1月23日,2006年(平成18年)1月23日,2009年(平成21年)1月23日,2012年(平成24年)1月23日,2015年(平成27年)1月23日,2018年(平成30年)1月22日及び2021年(令和3年)1月6日の計7回,「依然として麻原が団体の活動に絶対的ともいえる影響力を有している」,「殺人を暗示的に勧める危険な綱領を有している」,「団体が現在も無差別大量殺人行為に及ぶ危険性がある」などとして,同処分の期間をそれぞれ3年間更新する決定を行った。

イ 実施状況

公安調査庁は,観察処分に基づき,2000年(平成12年)2月から2020年(令和2年)12月末までの間,19都道府県下延べ816か所(実数136か所)の施設に立入検査を実施したほか,団体から計84回(3か月ごと)にわたり,組織の現状に関する報告書の提出を受けた。
なお,主流派・上祐派ともに,同報告書において資産の一部等報告すべき事項の一部又は全部を報告しなかったり,報告内容が不正確であったりした。
教団施設への立入検査で確認された祭壇
〈施設への立入検査で確認された祭壇〉
年月日 主要テロ事件,主要動向等
84.2.14  「オウム神仙の会」設立
87.4上旬  東京本部設置(東京都世田谷区赤堤)
87.7中旬  「オウム神仙の会」を「オウム真理教」に改称
87.11  米国・ニューヨーク支部開設
89.2 構成員殺人事件
 麻原の指示を受けた村井秀夫らが,脱退の意思を有していた構成員を殺害することを企て,静岡県富士宮市所在の団体施設「富士山総本部」の独房修行用のコンテナ内において,構成員の頸部にロープを巻いて絞め付けるなどして窒息させて殺害
89.4  西ドイツ・ボン支部開設
89.7  山梨県西八代郡上九一色村(にしやつしろぐんかみくいしきむら)(現南都留郡富士河口湖町(みなみつるぐんふじかわぐちこまち))に「サティアン」と称する施設群(以下「上九施設」)の建設を開始(平成6年5月頃まで)
89.8.25  東京都は,オウム真理教を宗教法人として認可
89.8.29  「宗教法人オウム真理教」の設立登記
89.11.4 弁護士一家殺人事件
 麻原の指示を受けた村井秀夫らが,団体に対して批判的な活動を行っていた弁護士一家を殺害することを企て,構成員が,弁護士方に侵入し,同人らの頸部を絞め付けるなどして窒息させて殺害
90.2  衆議院議員総選挙に「真理党」として団体幹部ら25人が立候補したが全員落選
90.4頃  麻原が団体幹部らを集め,「今回の選挙の結果,今の世の中は,マハーヤーナで救済できないことが分かったので,これからはヴァジラヤーナでいく。現代人は生きながらにして悪業を積むからポアする」などと発言(以降,団体が武装化を推進)
92.9  ロシア・モスクワ支部開設
93.3  スリランカ支部開設
93.4  山梨県南巨摩郡富沢町(みなみこまぐんとみざわちょう)(現南部町(なんぶちょう))に自動小銃製造工場となった「清流精舎」を建設
93.6.28  東京・亀戸道場異臭事件(炭疸菌(たんそきん)の散布事件)
93.7.2  東京・亀戸道場異臭事件(炭疽菌の散布事件)
93.8  上九施設にサリン製造実験を行う「クシティガルバ棟」を建設
93.9  上祐がロシア支部長に就任
93.11中旬  宗教団体関係者の関連施設周辺にサリンを噴霧(東京都八王子市内)
93.12中旬  宗教団体関係者の関連施設周辺にサリンを噴霧(東京都八王子市内)
94.1.30 構成員殺人事件
 施設から脱走し,構成員を連れ出すために上九施設に侵入した出家した構成員を殺害しようと企て,同人と共に侵入した元構成員に殺害するよう,麻原が指示。その周囲にいた井上嘉浩らが出家した構成員の身体を押さえ付け,元構成員が頸部をロープで絞め付けて,窒息させて殺害
94.5.9 弁護士殺人未遂事件
 麻原の指示を受けた中川智正らが,団体に対して批判的な活動を行っていた弁護士を殺害することを企て,信徒が,同弁護士所有の自動車のフロントウインドーアンダーパネルの溝及びその付近にサリン溶液を滴下し,その後,同自動車を運転した同弁護士がサリン中毒症で負傷
94.6.27 松本サリン事件
 麻原の指示を受けた村井秀夫らが,長野県松本市北深志所在の駐車場において,サリン噴霧車に設置した加熱式噴霧装置を作動させてサリンを加熱し気化させた上,大型送風扇を用いてこれを周辺に発散させ,8人がサリン中毒で死亡,約140人がサリン中毒症で負傷
94.7.10頃 構成員殺人及び死体損壊事件
 麻原の指示を受けた新實智光らが,スパイ容疑をかけた在家の構成員に拷問を加えたが,拷問を加えてしまった以上このまま生かしておくと後々団体の発展にとって障害になるおそれがあると考え,上九施設において,同在家の構成員の頸部をロープで巻いて絞め付けて,窒息させて殺害。その後,死体をマイクロ波加熱装置,ドラム缶等を組み合わせた焼却装置(マイクロ波焼却装置)の中に入れ,これにマイクロ波を照射して加熱焼却し,死体を損壊
94.12.2 VX使用殺人未遂事件
 麻原の指示を受けた新實智光らが,上九施設を抜け出した出家した構成員を匿い,同人に弁護士を紹介するなどした者を殺害することを企て,東京都中野区の路上において,注射器に入れたVXを後頭部付近に掛け,VX中毒症で負傷させたもの
94.12.12 VX使用殺人事件
 麻原の指示を受けた新實智光らが,在家の構成員の身辺調査の過程で不審人物として名前が挙がり,スパイ容疑をかけた会社員を殺害することを企て,大阪市淀川区の路上において,注射器に入れたVXを後頭部付近に掛け,VX中毒により殺害
94.12末 サリンプラントがほぼ完成
95.1.1  自動小銃1丁が完成
95.1.4 VX使用殺人未遂事件
 麻原の指示を受けた新實智光らが,団体構成員に対し脱会を促す活動を行っていた,オウム真理教被害者の会会長を殺害することを企て,東京都港区の路上において,注射器に入れたVXを後頭部付近に掛け,同会長がVX中毒症で負傷
95.2.28~3.1 公証役場事務長監禁致死事件
 麻原の指示を受けた井上嘉浩らが,東京都品川区の路上において,団体への出家を案じ身を隠した構成員の所在を聞き出すため,同構成員の実兄である公証役場事務長をワゴン車内に押し込んで,上九施設に連れ込み,意識喪失状態を継続させるため大量に投与した全身麻酔薬の副作用である呼吸抑制,循環抑制等による心不全により殺害
95.3.19  オウム真理教東京総本部に対する火炎びん投てき事件(自作自演)
95.3.20 地下鉄サリン事件
 麻原の指示を受けた団体幹部15人が,いずれも東京都千代田区の営団地下鉄霞ケ関駅に停車する日比谷線,千代田線及び丸ノ内線の各電車内等にサリンを発散させて不特定多数の乗客等を殺害することを企て,実行犯5人が各電車内において,サリン入りビニール袋を先端を尖らせた傘で突き刺し,サリンを流出気化させて発散させ,乗客ら13人がサリン中毒により死亡,5,800人以上がサリン中毒症で負傷(平成20年の「オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律」に基づく給付金の支給時に認定された被害者数)
95.3.22  警察は,上九施設を強制捜査
95.4.18  ロシア連邦モスクワ市オスタンキノ地区裁判所が,オウム真理教ロシア支部の解散を決定
95.4.23 村井秀夫殺人事件
 団体幹部村井秀夫が,東京・南青山の団体総本部に入ろうとした際,報道陣に紛れ込んでいた徐裕行(じょひろゆき)に牛刀で右脇腹を刺され,翌日,出血多量のため死亡。徐はその場で逮捕,1995年(平成7年)11月,東京地方裁判所で懲役12年の判決を言い渡され,2007年(平成19年)1月,刑期満了により出所。また,共犯の容疑で逮捕・起訴された暴力団員については,決定的な証拠や供述が得られず無罪が確定
95.5.5 新宿駅青酸ガス事件
 井上嘉浩らが,団体に対する捜査を撹乱するため,繁華街の公衆便所内にシアン化水素ガス発生装置を仕掛け,同ガスによりその公衆便所内の利用者等を殺害することを企て,東京都新宿区の営団地下鉄新宿駅の公衆便所に備え付けられたゴミ容器内に,シアン化水素ガス発生装置を設置したが,同装置からの発火を目撃した者の通報で現場に臨場した同駅職員によって消火
95.5.16 都庁爆発物郵送事件
 井上嘉浩らが,東京都知事らを殺害することを企て,新刊書の内部をくり抜き,その中に,爆薬トリメチレントリニトロアミン(別名ヘキソーゲン)を充填して起爆装置を施したプラスチックケースを挿入した上,同書の表紙を開披することにより爆発するように仕掛けた手製爆発物を製造,これを封筒に入れて,知事公館宛て速達郵便物として投函し,都庁7階の知事秘書室において同郵便物を開封した都庁職員が左手全指挫滅切断等の負傷
95.5.16  麻原が殺人及び殺人未遂で逮捕
95.7.4 新宿駅青酸ガス事件
 平田悟らが,JR新宿駅及び地下鉄茅場町駅構内の便所にシアン化水素ガス発生装置を設置したが,新宿駅に設置した装置のみが若干作動して青酸ガスを発生させたものの実害は発生せず
95.10.7  上祐が国土利用計画法違反事件に係る有印私文書偽造等の容疑で逮捕
95.12.21  「宗教法人オウム真理教」が解散登記
95.12  ニューヨーク支部閉鎖
96.3.28  東京地方裁判所は,オウム真理教の破産を宣告
96.4  ボン支部閉鎖
スリランカ支部閉鎖
96.7.11  公安調査庁長官は,破壊活動防止法に基づき,団体に対する解散指定処分を公安審査委員会に請求
97.1.31  公安審査委員会は,上記解散指定処分請求を棄却
97.10.8  米国政府は,「1996年反テロリズム法及び効果的死刑法」に基づき,オウム真理教を外国テロ組織(FTO)に指定
99.12.3  「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」が成立(同月27日施行)
99.12.27  公安調査庁長官は,同法に基づき,団体に対する観察処分を公安審査委員会に請求
99.12.29  上祐が広島刑務所を出所
00.1.28  公安審査委員会は,観察処分(3年間)を決定
00.2.4  「オウム真理教」が「宗教団体・アレフ」に名称変更
00.7.1 ロシア人構成員武器不法所持事件(シガチョフ事件)
 「麻原奪還」を目指し日本での連続爆破テロを企図したロシア人構成員のシガチョフ,ヴォロノフ,トゥペイコが,ロシア連邦保安庁(FSB)により武器の不法所持で逮捕
02.1.23  ロシア連邦沿岸地方裁判所(ウラジオストク)は,シガチョフらに実刑判決(最高がシガチョフの禁錮8年)
02.1.30  「宗教団体・アレフ」の代表に上祐が就任
02.5.2  欧州連合(EU)は,テロと闘うための有効な手段の適用を定めた「2001/931/CFSP」(2001年12月27日採択)に基づくリストを更新し,「資金・資産の凍結」の対象とされるテロ関係者,団体のリストにオウム真理教を追加
03.1.23  公安審査委員会は,団体に対する観察処分の期間の更新を決定
03.2.6  「宗教団体・アレフ」が名称を「宗教団体アーレフ」に変更
03.4.10~17  上祐らがロシアを訪問
03.7.2  オーストラリア政府は,国連安全保障理事会決議第1373号に準拠した「国連憲章(テロリズムと資産取引)に基づく規則2002」(以下「2002年規則」)を制定し,オウム真理教に対し,資金・資産の凍結措置を適用
04.2.27  麻原に死刑判決(東京地方裁判所)
04.7.6 薬事法違反事件
 団体幹部らが,「桃源クリーム」と称する医薬品を無許可で販売したとして,薬事法違反で逮捕。約2,300万円を売り上げていたことが判明
04.9 分派グループメンバー傷害致死事件
 「ケロヨンクラブ」を名乗って活動を行っていた分派グループが,女性メンバー(当時36歳)に対し,「修行」の名の下,竹刀で殴打して傷害を加え殺害
05.5 職業安定法違反事件
 団体幹部らが,雇用関係のない複数の信徒を無許可で一般企業に派遣し,ソフト開発業務に従事させていたとして,5月26日及び6月16日,職業安定法違反(労働者供給事業の禁止)の容疑で逮捕。2001年(平成13年)11月から2005年(平成17年)1月までの間に約4億5,700万円を売り上げていたことが判明
06.1.23  公安審査委員会は,団体に対する観察処分の期間の更新(2回目)を決定
06.9.15  麻原の死刑判決が確定
06.11.17  カザフスタン・アスタナ市裁判所は,オウム真理教をテロ組織と認定し,オウム真理教の同国内における活動を禁止
07.3.8  上祐ら構成員65人が「宗教団体アーレフ」を脱会した旨表明
07.5.7  上祐らが「ひかりの輪」の設立を表明
08.4.14  オーストラリア政府は,前記「2002年規則」を廃止して「国連憲章(資産取引)に基づく規則2008」を制定し,引き続き,オウム真理教に対し,資産凍結措置を適用
08.5.20  「宗教団体アーレフ」が「Aleph」に名称変更
08.6.18  「オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律」が成立(同年12月18日施行)
09.1.23  公安審査委員会は,団体に対する観察処分の期間の更新(3回目)を決定
09.9.3~13  上祐ら3人がウクライナを訪問し,ロシア人構成員を集め,説法会を開催
10.8.31~9.10  上祐ら3人がウクライナを訪問し,ロシア人構成員を集め,説法会を開催
11.1.27~2.2  上祐ら3人がウクライナを訪問し,ロシア人構成員を集め,説法会を開催
11.5.9~19  上祐ら3人がウクライナを訪問し,ロシア人構成員を集め,説法会を開催
11.9.7~15  上祐ら3人がウクライナを訪問し,ロシア人構成員を集め,説法会を開催
12.1.1  警視庁は,假谷清志逮捕監禁致死事件等に関与したとして特別手配されていた平田信を逮捕
12.1.23  公安審査委員会は,団体に対する観察処分の期間の更新(4回目)を決定
12.5.9~19  上祐ら3人がウクライナを訪問し,ロシア人構成員を集め,説法会を開催
12.6.3  警視庁は,地下鉄サリン事件等に関与したとして特別手配されていた菊地直子を逮捕
12.6.15  警視庁は,地下鉄サリン事件等に関与したとして特別手配されていた高橋克也を逮捕
12.9.4~13  上祐ら3人がウクライナを訪問し,ロシア人構成員を集め,説法会を開催
13.2.12  ウクライナ入国管理当局が,上祐ら3人の同国への入国を拒否
13.10.15~24  上祐ら3人がトルコを訪問し,ロシア人構成員を集め,説法会を開催
14.4.15~24  上祐ら3人がトルコを訪問し,ロシア人構成員を集め,説法会を開催
14.9.30~10.9  上祐ら3人がトルコを訪問し,ロシア人構成員を集め,説法会を開催
15.1.23  公安審査委員会は,団体に対する観察処分の期間の更新(5回目)を決定
15.5.12~21  上祐ら3人がトルコを訪問し,ロシア人構成員を集め,説法会を開催
15.10.14  トルコ入国管理当局が,上祐ら3人の同国への入国を拒否
16.9.20  ロシア連邦最高裁判所は,オウム真理教をテロ組織と認定し,オウム真理教の同国内における活動を禁止
18.1.22  公安審査委員会は,団体に対する観察処分の期間の更新(6回目)を決定
18.1.26  高橋克也の無期懲役判決が最高裁で確定。オウム真理教による一連の事件に係る裁判が終結
18.3.19~23  上祐ら3人がタイを訪問し,ロシア人構成員を集め,説法会を開催
18.5.1  ロシア治安当局が,ロシア連邦ヴォルゴグラードにおいてセミナーを開催していたロシア人構成員1人を拘束
18.7.6  法務省は,オウム真理教関連事件の死刑確定者13人のうち,麻原を始めとした7人の刑を執行
18.7.26  法務省は,オウム真理教関連事件の死刑確定者13人のうち,残る6人の刑を執行
18.10.22~24  上祐ら4人がタイを訪問し,ロシア人構成員を集め,説法会を開催
20.11.26  ロシア連邦軍事裁判所(ロストフ・ナ・ドヌー)は,ロシア人構成員に対し,テロ支援組織を創設したなどの罪で実刑判決(懲役15年)
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