球界に噂広がる…「○○選手の数字上げたのは米国製バット」日本製も今季から“しごき加工”解禁 投高打低変わるか
2025年2月8日 10時13分
◇渋谷真コラム・龍の背に乗って キャンプ編 ◇7日 中日春季キャンプ
近年の「投高打低」の流れが変わるかもしれない。今季からプロ野球では「牛骨など硬質でのしごき」により、表面加工を施したバットの使用が解禁された。NPBは調査の上で反発係数に変化はないとしているが、多くの選手はそう思ってはいない。メーカー関係者を含む球界の内外に取材した結果、これは「不公平」をなくすための措置であり、バット革命が起こりうる。それが僕の結論だ。
というのも、米国のメーカーではしごき加工は一般的である。すると昨季あたりからこんな声が聞こえ始めた。「パ・リーグの○○選手は、前半戦はあんなに成績不振だったのに、後半戦で一気に数字を上げたのは米国製のバットに変えたからだ」。「セ・リーグの××選手がポストシーズンで大活躍したのは、しごき加工のバットが納入されたからだ」。名前は伏せたが、彼らは不正をしたのではない。大リーグではOK。だから輸入バットは必然的にルールの網をくぐり抜けていた。国内メーカーとその契約選手からは不満が噴出。すなわち加工の効果があると信じているからだ。
「打球の音を聞けばわかりますよ」。この日、打撃練習を見ていた福留孝介さんが言った。視線の先には中田がいた。彼は今キャンプに「ビクタス」「マルッチ」「ミズノ」の3社のバットを持ち込んだ。いずれもしごき加工を施している。
「打球の音を聞けばわかりますよ」。この日、打撃練習を見ていた福留孝介さんが言った。視線の先には中田がいた。彼は今キャンプに「ビクタス」「マルッチ」「ミズノ」の3社のバットを持ち込んだ。いずれもしごき加工を施している。
「若いころはアオダモでしなりを求めたけど、今は硬くてはじくのを使いたい。ムラやばらつきもあるし、どのメーカーにするかを決めるために試しているところ。ただ(機器で計測した)打球速度は、去年までとは全然違います」
その数値も教えてくれたが、言葉からもわかるように本人は偶然だとは思っていない。しごき加工の効果を、合流2日で実感できたのだ。
僕が聞いた限りでは、国内メーカーで加工専門の機械を導入したのは2社。加工技術は試行錯誤の段階で、まだ米国製には及ばないのが現状だ。供給数も限られており、打感が合わないという選手もいる。この規制緩和で野球は変わるのか。今季は強打者の使用バットにも注目だ。
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