
「次世代のクリエイティブを担うのは誰か」を探った結果、たどり着いたのは「チーム」だった――。彼らはどのようにアイデアを生み出し、どのような形で連携してプロジェクトを成功させているのか。日経デザインの特集「次世代を担うクリエイティブチーム」では7つのチームを紹介し、新たな組織の形を探った。
- 第1回ナイキ“飛び出す広告”で世界席巻 クリエイター集団「CEKAI」の秘密
- 第2回ドバイ万博日本館も担当 “新しさ+楽しさ”追求するデザインチーム
- 第3回アサヒ“若者向けビール”ヒットの裏側 新価値つくる独自メソッド
- 第4回バーミキュラECサイトの「体験」生み出す “泥臭さ”と戦略の融合
- 第5回“はみ出るマンガ肉”も考案 企画集団「0100010」の正体
- 第6回ツインバードを“再価値化” 博報堂の全領域横断型チーム
- 第7回同世代女性3人のクリエイター集団 地域の経済循環を生み出す
- 第8回次世代担うクリエイティブチーム7選 新たな組織の形も示す今回はココ
「CEKAI」
2013年に井口皓太氏と加藤晃央氏が設立した、世界を舞台に活躍するクリエイター集団「CEKAI」は、自らを“クリエイティブアソシエーション”と表現する。会社としての一面はあるものの、フラットな関係のクリエイターがつながりを持ち、それぞれがプロジェクトベースで働く自律分散型のチームだ。
加藤氏は、「CEKAIの設立目的の一つが、純粋に『いいものを、つくる』こと。フラットな組織にすることで、義務的な仕事からクリエイターを解放している。所属クリエイターは、どのプロジェクトにどう関わるかも自由。縛らないし囲わない、仲間同士でもライバル同士でもある有機的な組織を、クリエイティブアソシエーションと呼んでいる」と説明する。
「NEW Creators Club」
2019年に結成されたデザインチーム「NEW Creators Club」(以下、NEW)のメンバーは、山田十維氏、沖田颯亜氏、坂本俊太氏、藤谷力澄氏の4人で、平均年齢は29歳。全員、武蔵野美術大学出身で、学生時代からの仲間だ。
21年10月から22年3月までアラブ首長国連邦で開催された「2020年ドバイ国際博覧会」では日本館のアートディレクションを担当。23年11月に竣工した複合施設「Shibuya Sakura Stage」に開設されるクリエイション拠点「404 NOT FOUND」のアートディレクションも手掛けている。
代表を務める山田氏は大学卒業後、CEKAIにプロジェクトマネージャーとして所属していた。21年にNEWを法人化したタイミングで独立。山田氏以外の3人は、現在もそれぞれ別の会社にデザイナーとして所属している。
「それぞれの会社は条件付きで副業可能だが、現段階で3人はあえてNEWからお金はもらわないことにしている」と坂本氏。NEWの収益は山田氏の報酬や事務所費用などを差し引き、それ以外は作品制作のための経費やデザインの研究費用、国内外のデザイン賞への出品費用、年1回開催している展示費用などに充てているという。
「NEW STANDARD」
「NEW STANDARD」(東京・世田谷)は2014年創業で、ブランドコンサルティングファーム、マーケティング&クリエイティブエージェンシー、シンクタンクという3つの事業を展開。創業10年目のスタートアップながら、アサヒビールやTOPPAN、アシックス・ジャパン、オルビス、ヤマハ発動機など、名だたる大手企業150社以上の新価値創造のプロジェクトの実績を持つ。
NEW STANDARDは元々、スマートフォンを軸にした、世界中から集めた新しい気づきや価値観と出合えるミレニアル世代及びZ世代向けライフスタイルメディア「TABI LABO」の運営会社として設立された。共同創業者であり、代表取締役CEOを務める久志尚太郎氏は、「創業時からメディアのビジネスで勝つことは考えていなかった」と話す。
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