研究不正に対応する指針の策定から10年 都内でシンポジウム

大学や研究機関が研究不正に対応する際の指針、ガイドラインの策定から10年がたち、新たな問題への対応について話し合うシンポジウムが開かれました。

このシンポジウムは研究不正をめぐる新たな問題への対応のあり方を話し合おうと、11日、都内で開かれました。

文部科学省が2014年8月に策定したガイドラインでは、研究における不正行為として、ねつ造、改ざん、盗用の主に3つのケースを示していますが、その後、当時は想定されていなかった不適切な行為が問題となり、対応の必要性が指摘されています。

シンポジウムでは、研究不正の問題に取り組む京都薬科大学の田中智之教授が講演し、生成AIを使って作成した架空の論文を投稿することで研究業績を水増しするケースが確認されるなど、新たな問題が急増していることを紹介しました。

続いて行われたパネルディスカッションでは、研究者が不正に手を染める背景には不安定な雇用状況があり、安心して研究に取り組める環境整備についてもガイドラインに盛り込むべきだという意見が出されていました。

シンポジウムを主催した田中教授は、「この10年間で生成AIの登場など研究を取り巻く環境が大きく変わっている。それに対応した新たなルール作りが必要だ」と話していました。

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