三鷹の病院を守れるのか 吉祥寺ショックが直撃した市の危機感 東京
平山亜理
東京都三鷹市が、市内にある病院の存続に危機感を募らせている。隣接する武蔵野市で閉院が相次いだことが拍車をかけたかたちだ。地域医療を支える現場からは切実な声が聞こえてくる。
「吉祥寺南病院の件はびっくりした」
三鷹市健康推進課の白戸謙一課長を驚かせたのは、武蔵野市の救急病院が昨年9月末で診療を休止したというニュースだった。
「住みたい街」として知られる吉祥寺では閉院も相次いでおり、医療危機が叫ばれる。そんななか、三鷹市は昨年、市内にある七つの病院の支援に向けた方針を打ち出した。具体的には、病院機能の維持・拡充、建て替えや改修、そして感染症対策に向けたものだ。
市内には、災害拠点となる杏林大医学部付属病院、中等症者を受け入れる三鷹中央病院と野村病院、そして精神科や泌尿器科など専門医療や慢性疾患の対応が中心となる病院が4つある。1927年開院の井之頭病院を筆頭に、50~70年代に建った病院が多く、いずれも老朽化が進む。
院長がこぼした「事業撤退」の可能性
三鷹中央病院(上連雀5丁目…