俳優・犬飼貴丈の下積み時代「毎日事務所の電話番をしていた」人生を変えたマネージャーとの出会いも【vol.2】

俳優・犬飼貴丈の下積み時代「毎日事務所の電話番をしていた」人生を変えたマネージャーとの出会いも【vol.2】

#犬飼貴丈
#私の町の千葉くんは。
INTERVIEW
2024.10.24

『第25回 ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』でグランプリを受賞してから12年。今年で30歳を迎え、ドラマに映画、バラエティ番組と活躍の場を広げている俳優の犬飼貴丈さん。インタビュー後半は、「昔はシャイボーイでお芝居も恥ずかしかった」と振り返る、犬飼さんの下積み時代のエピソードを伺いました。

毎日事務所で電話番。数年に渡る下積み時代

――犬飼さんにも、いわゆる下積み時代はありましたか?

ありましたよ。上京して数年間は毎日事務所に行って、電話番をしていました。事務所にかかってくる電話を受けて、担当者につなぐという作業を午前中から夜までずっとやっていて。

――そういう下積みのやり方もあるんですね。

いや、基本的にはないみたいです(笑)。「電話番をした俳優は犬飼が初めてだ」って、当時事務所の方に言われましたから(笑)。

――レアケースだったんですね(笑)。当時はどういう心境でしたか?

「あれ? 俳優として雇ってもらったんじゃなかったんだ」って思ってましたね(笑)。芸能の活動をするために上京したのに、電話を受けるばかりで、「あ〜事務所行きたくないな」と思うこともよくありました。でもそうならないためには、芸能の仕事をもらえる人にならないといけないんだって、そういう焦りみたいなものを日々感じていました。

――不安が募りますよね。

そうですね。当時の僕は本当にシャイボーイで、ハキハキとしゃべることもできないような人間でしたから、そういった内面を変えるために、電話番という仕事を事務所が与えてくれたのかなと、今となっては思います。とはいえ、当時は電話を取ることに必死だったので、事務所の期待には応えられていなかったと思いますけど(笑)。

小池徹平さんと三浦翔平さんが気にかけてくれた

――下積み時代というと金銭的にも厳しいイメージ。どんな生活を送っていたんですか?

毎日何人かの先輩に連絡して、ごはんに連れて行ってもらってました。それも今振り返ると、そうやって先輩へ連絡することで、コミュニケーション能力や行動力が培われていったのかもしれませんね。当時の僕は、人と積極的に関わるタイプではなかったので。中でもお世話になったのは、小池徹平さんと三浦翔平さん。同じ事務所の先輩でもあり、またジュノンボーイ出身でもあり、よく気にかけてくださいました。今も会うたびに優しい言葉をかけてくださり、励みになっています。僕も先輩の立場になったら、後輩をおいしいごはんに連れて行ってあげなきゃと思っています。

――もうすでに先輩の立場でもありますよね?

それがこの10年間、ずっと事務所に後輩ができないんですよ(笑)。だからまだ達成できていません。

――では仲良くされている年下の俳優仲間はいらっしゃいますか?

最近は髙橋海人くん(King & Prince)ですかね。髙橋くんは好きみたいです、僕のことが(笑)。よくごはんに誘ってくれるんですよ。髙橋くんは誰からも好かれる才能があるじゃないですか。それは僕には持ち合わせていないところなので、とても尊敬しています。あとは純粋にダンスがうまい。彼のダンスを見るのが好きですね。

今もお世話になっているマネージャーさんに救われた

――話は戻って下積み時代に。まだ俳優としての仕事があまりなかったころ、芸能の世界から抜けようと思ったことはありましたか?

もちろんありました。やっぱり電話番をしていた数年間は、思い描いていた芸能生活とは大きくかけ離れていたので、この生活が続くようならもうやめようと思ってましたね。でも本当にやめようと思ったときに、ちょうど僕のマネージャーさんが変わったんです。その新しい方は僕を拾ってくれた方でもあり、今もずっと見てくださっていて、とても感謝しています。もう8年ぐらいの付き合いになりますかね。人生の先輩でもあるので、物事の考え方をはじめ、ひとりの人間としてアドバイスをしてくれますし、仕事の面でも多くの機会を与えてくださっています。今の僕があるのは、その方が土台を作ってくれたからなのは間違いありません。俳優人生の転機となった、「仮面ライダービルド」のオーディションも、その方が提案してくださったので。

――大きな出会いだったんですね。

そうですね。今もそうですけど、いろんな人に助けられてきた俳優人生です。地元の友人は、僕が毎日電話番をしている時代でも変わらずに接してくれていました。意図的ではないにしろ、いつでも自分が帰れる場所がひとつあることで、諦めずに仕事を頑張れたんだと思います。

「犬飼貴丈」という人間を確立していきたい

――今はどんな気持ちで仕事に取り組んでらっしゃいますか?

マネージャーさんを含め、僕を支えてくださっている方々が本当に優しくて、僕という人間を深く理解してくださっています。そんなみなさんのおかげで自由にお仕事をさせてもらえて、毎日が楽しいです。

僕自身はというと、今年で30歳になったのに、内面は昔のままで全然成熟しておらず、徳島にいた16歳の自分と、言ってることもやってることも変わらないまま。申し訳なく思うことも多いですが(笑)。もうそろそろオンオフの切り替えがしっかりできる大人の男性になって、周りの方々に恩返しをしていきたいですね(笑)。

――芸能界ではどういった存在になっていきたいですか?

以前岩城晃一さんに水族館に連れて行っていただいた際に、会話の流れから「犬飼、お前はナンバーワンにならなくていいんだ。オンリーワンを目指せ」という言葉をいただいたんです。「あれ? どこかで聞いたことのあるフレーズだな」と、そのときは思いましたけど(笑)、今となってはその言葉がとても沁みていて。これまでイケメン俳優や若手俳優といった括りでメディアに出演させてもらってきましたが、「犬飼貴丈」だから呼ばれるような、そんな人間を確立していきたいと思っています。

犬飼貴丈

いぬかいあつひろ 1994年6月13日生まれ。徳島県出身。2012年、『第25回 ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』でグランプリを受賞し、2014年俳優デビュー。主な出演作は映画『ぐらんぶる』、ドラマ『獣になれない私たち』『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』『ワタシってサバサバしてるから』『ひともんちゃくなら喜んで!』など。

ドラマ NEXT「私の町の千葉くんは。」(テレ東系にて毎週水曜深夜24:30〜放送中)

かつての母校で教える27歳の高校教師・小野寺マチ(井桁弘恵)は、結婚を見据えて相手を職業や年収などのスペックで判断する打算的な恋愛をしていた。そんなある日、彼女のクラスに転入生・千葉悠人(山下幸輝)がやってきた。そのイケメン高校生は、マチの高校時代の初恋相手、千葉悠一(犬飼貴丈)の弟で、高校時代の彼に瓜二つだった! 10歳年下の生徒と初恋の相手を重ねてしまい、悠人から目が離せなくなるマチ。そんな中、飲み会で偶然初恋の相手・悠一に再会し……。高校生とは思えない色気で目が離せない弟・悠人と、高校の頃から変わらず優秀でイケメンな兄・悠一。「本能的な恋」と「約束された恋」のはざまで揺れ動くハラハラドキドキ満載のトライアングル・ラブストーリー!

Photo: Ryohei Obama(SIGNO) Styling: Yosuke Matsushita Hair & Make-up: Yui Kato(fringe) Interview: Yuna Nagahama

TAGS

PICK UP

NEW

VIEW ALL