2019年にモハメド・ガド(Mohamed Gad)氏が株取引を行ったとき、同氏はその5年前に失敗した経験があるにもかかわらず、慎重ながらも楽観的だった。
ガド氏の最初の株取引の挑戦は2014年のことで、ガド氏は1000ドルの軍資金でペニー株取引に手を出し、わずか1週間で市場から撤退せざるを得なくなった。この短い経験から、ガド氏は株取引が自分には向いていないという結論に至ったのだった。
しかし2019年に退屈な日々が続いたことで、ガド氏は考え直すことにした。もっと良い取引方法はないかと考えたガド氏は、堅実に株取引を行う方法についての情報を探し始めた。「最終的には、株取引に関する入手可能なあらゆる本を読み漁りました」とガド氏は話す。
いくつかの株取引に関するセッションにも参加しました。中には多くのことを学べる有意義なセッションもありましたが、『コースを売りつけようとしているだけ』というものもありました。
そしてウィリアム・オニール(William O'Neil)の『オニールの成長株発掘法(How to Make Money in Stocks)』という本に出会って初めて、ガド氏はようやく何かをつかんだ気がした。この本に書かれている特に優れた成長株に重点を置いた取引手法は、ガド氏にとって歓迎すべき発見だった。この本では堅実な利益と売上がある企業を探すことが強調されていた。すなわち、まったくの未知の銘柄に投資するのではなく、より堅実なファンダメンタルズを持つ銘柄に投資せよということだ。そしてガド氏は日中の仕事に集中できた。夜中にポジションが消滅することを恐れて目覚めることもなく、ぐっすり眠ることができるようになったのだ。
ガド氏がこの本で新たに得たものは、COVID-19のパンデミックと世界的なロックダウンにより、いくつかの取引を試しながらデータとチャートを見直す時間ができた時にようやく形になった。2020年のS&P 500は好調で、年間で16.3%上昇した。そして彼は最終的に175%の利益を得て、その中で最も大きく上昇した銘柄がテスラ(Tesla)だったとBusiness Insiderに語ってくれた。
自分は天才だと思いました。今や株取引を完全に理解しており、昼間の仕事を辞めて、簡単に株で食べていけると思っていました。
そう思ったのはガド氏だけではない。
2020年には新たな個人投資家が急増したのだ。しかし、その多くは方向性のない過度な期待を追いかけ、後に厳しい現実に直面することになった。2021年第4四半期には急激な景気後退が起こり、S&P 500は1年間にわたり下落を続けた。特にガド氏のお気に入り銘柄のテスラが大きく下がり始めた。ガド氏はホールドし続けていたのだが、2022年10月までにこの戦略が賢明ではなく、このままではそれまでの利益の約75%を失うことになると気づいたのである。
ガド氏は自身の戦略を修正し始め、エントリーとエグジットの範囲を狭め、株式のフィルタリングをより意図的に行うようになった。そしてアメリカの投資チャンピオンであるオリバー・ケル(Oliver Kell)の著書『Victory in Stock Trading』によって、企業への感情的な愛着を取り除き、各ポジションをチャート上の単なるティッカーとして見るという、ガド氏の戦略が最終的に出来上がったのだった。
それ以降、ガド氏は将来の価格変動とパターンを判断する一助となる過去のデータ確認に注力するようになった。必要であれば、お気に入りのテスラを売却してでも撤退できるようになったのだ。
2024年には、ガド氏は元数学教授のノーマン・ザデー(Norman Zadeh)氏が開催する個人トレーダー向けの年次コンテスト「全米投資選手権」で自分のスキルを試すのに十分な実力が身に付いたと感じていた。ガド氏は出張から戻った5月にこのコンテストに参加し、5月から12月にかけて308%の上昇を記録して株式部門への挑戦を終えた。
ガド氏のコア戦略
取引戦略は指紋のようなものだ。表面上は同じように見えるかもしれないが、微妙な部分がトレーダーごとにそれぞれ違っている。