大学入試、岐路に立つ理系「女子枠」 人気二極化で出願ゼロも 浮かぶ地域格差

「女子枠」の人気は二極化している
「女子枠」の人気は二極化している

大学受験は25日から国公立大2次試験が始まる。昨今、この時期に行われる「一般入試」の入学者数を、推薦型の「年内入試」がしのぐようになった。理工系学部の年内入試の一環として、出願者を女性に限る「女子枠」を設ける動きが広がるが、人気が二極化し、地方では出願ゼロのケースも。女子枠のあり方が岐路に立たされている。

一般入試との併願も「楽な気持ちでチャレンジ」

「女子枠のおかげで大学に入ることができた」。芝浦工業大(東京)工学部2年、齊藤友理さん(20)はこう話す。幼いころからものづくりに関心があり、機械工学の研究が盛んな点にひかれて受験を決めた。

出願したのは高校3年の9月。書類選考や数学と理科の学力試験、面接などを経て11月に合格した。「一般入試との併願もできるので、楽な気持ちでチャレンジできた」

近年、女子の理工系志向が高まる。大手予備校の河合塾によると、この春の大学入試で、工学部出願予定とした女子受験生は国公私立いずれも前年から1割以上増えた。

平成29年に女子枠を設けた芝浦工大。平成26年に13・8%だった女子学生の割合(学部)は昨年21・8%に。令和9年までに30%以上とすることを目標に掲げている。

女性活躍推進、国の成長戦略が枠増を後押し

昨春に入学した学生のうち、年内入試による入学者数は約31万人。入学者全体の51%となり、2年連続で半数を超えた。

年内入試が多数派となるなか、その一つである女子枠も存在感を増す。この春の入学者向けの入試では、国公立は千葉大や神戸大など15校が新設し、倍増の30校。私立も東京理科大や大阪工業大など20校を超える。

一方で人気の明暗が際立つ。昨年の東京工業大(現・東京科学大)物質理工学院の女子枠には、募集定員の約6倍にあたる128人が殺到。大阪工業大も2倍超の56人が出願した。東北工業大(仙台市)は昨年の入試で新設したが、出願はゼロ。琉球大(沖縄県)も20人の定員に対し、出願は2人のみだ。

「女性は理工系が苦手」というステレオタイプな見方が根強く、進路決定にも影響してきた。しかし、女性活躍推進が国の成長戦略に組み込まれ、女子枠の急増には、国の後押しがある。とはいえ、アクセス面などの地域格差、受験生への周知不足などが影響し、人気が二極化している可能性がある。「枠を作ったからといって、必ずしも人が集まるわけではない」(予備校関係者)と指摘する声もある。

また、公平性の観点から批判があるのも事実。河合塾が一昨年、高校1、2年に実施したアンケートでは女子枠「反対」が35・3%。「特別扱いだから」などの理由が上がった。

同塾教育研究開発本部の近藤治主席研究員は「女子枠のメリットがうまく伝わっていない。理工系学部に女性が増えることで、男性だけでは思いつかないような考え方を共有できる。女子枠の必要性を丁寧に発信し続けることが重要だ」としている。

年内入試と女子枠 大学入試では、年明け以降に国公私立を問わず学力検査を伴う一般入試が本格化する。一方、推薦型が中心の年内入試では、受験生は進学先を、大学側は一定の入学者を、年をまたがずにいち早く確保できるため、双方にメリットがある。このため、近年は年内入試の比重が高まっており、女子枠はその一方式として行われる。(塚脇亮太)

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