夏屋彩園

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MSI Clawを買って良かったけど、オススメはしない話

一ヶ月ほど前、MSIのClawというハンドヘルド型PCを買った。ハンドヘルド型って俗に言われてるのがどういうPCかというと

Claw-A1M-002JP 第一世代CoreUltra7搭載/メモリ16GB/ストレージ1TBの上位構成

こういう奴である。一回りくらいでかいSwitchみたいな形を想像してくれればいい。詳しい人にはMSIが作ったSteam Deckみたいなやつだよといえば伝わると思う。

構成はCPUが第一世代CoreUltra7、メモリが16GB、ストレージが1TB。お値段は2024年12月現在メーカー直販にて89,800円。私自身はAmazonアウトレットで69,391円で購入した。7万円で買ったPCがこのスペックだったらかなりお買い得という感じだ。ノートPCと単純比較できる代物ではないが。

 

買ってみて思ったのは、やはりお手軽にPCゲームが遊べるの最高〜!ということである。元々使っていた15.6インチノートがデカくて邪魔という理由でPCゲームから遠ざかっていた身としては、小型と軽量で思い立ったらすぐ起動して遊べるという利点は非常に大きい。おかげでHADESⅡのアーリーアクセスとかめちゃくちゃ遊んでいる。あとEpicで無料配布してたヴァンサバ。Balatroとかもめちゃくちゃおもしろい。こういう軽量ぎみなゲームをごろ寝しながら遊べるというのがこの手のPC最大の存在意義だと思う。あと旅先にも持ち出しやすいので、出張なんかが多い人にもいいんじゃなかろうか。

逆にうーん……なところはパッド部の形が悪いソフトウェアアップデート当てないと使い物にならないなどなど。筐体の大きさや重さは使ってみると意外と気になる。PC界では小型だが、ゲーム機として考えると大型、というラインだ。さらにパッド部はあまりグリップ感が良くない。具体的に説明はしづらいのだが、1時間とか握ってると痛くなってくる感じ。SwitchLiteではなかったことなので、重さと形状と諸々複合要因なんだとは思うが、あまり長時間使うのには向かないと思う。あと筐体裏側についてるマクロボタンが絶妙に邪魔。私が使わないだけではあるが、いらないのにカコカコ押してしまって少しストレス。これらを解消するために、長時間やりたいときはスタンドに置いてXboxコントローラーを接続して使っている。こうすると箱コンマジで使いやすくて感動する……。

ソフトウェアアップデートに関してはガジェット買ったらそりゃやれよという感じではあるが、Clawは特に必須という感じがある。実はClawはあまり評判が良くなかったPCで、ソフトウェアやBIOSアップデート等で諸々修正されてだいぶマシになったという経緯がある。なのでこれを当てないと結構やばい。私も開封してセットアップ中に幾度となくインターネット接続が途切れる、ゲームを起動すると常に左スティックが入力されたままの状態になるなど割と困る状況に陥った。これらはすべてアップデート類を適用したら解消されたものの、アップデートなければ使い物にならない機器だったのか……という気持ちになりもした。購入後もこまめに確認をしたほうがいいだろう。幸いにもホームメニューから手軽にアップデート類の提供状況は確認できる。

 

さて、総合すると個人的には「買ってよかった」に入るものではあるのだが、タイトルのとおりあまりオススメはしない。一番大きな理由は、ハンドヘルド型PCはまだ時期尚早なジャンルであるという認識だからだ。

SteamDeckを筆頭に、中国新興メーカーやASUSLenovoなどの大手PCメーカーも参戦してにわかに盛り上がりを見せている市場ではある。あるのだが……正直なところ、今の時点でのハンドヘルド型PCは明確な目的を持っている人かガジェットマニアにしか勧めるべきではない商品だと思う。まだ多くのメーカーが1,2世代ほどしか販売していない機器ゆえ、成熟しきっているとは言い難い。実際ASUSのROGALLYの初代モデルとかはSDカードスロットが熱でぶっ壊れるとかいう問題もあったし(マイナーチェンジ版のXでは治ったらしい)、大手だから大丈夫という話でもない。メーカー側にノウハウが貯まりきっていないという点は事実だろう。また、長期使用の報告も当然存在しないので、1年後2年後もっと先に機器がどうなってるか?修理とかサポートの状況はどうなっているのか?という点で不安は残る。

私は「大したスペックはいらない」、「予算は10万未満」、「電子機器は小型軽量であればあるほどいい」という大前提があって、そこにバチっとハマったからこそClawを買ったし今のところは満足している。だが、この機器があと何ヶ月何年動くかは正直読めない。小さな筐体に、酷使するであろうゲームパッドをつけた機器がどれだけ使い倒せるものか、という感じだ。MSIがどれだけ修理とか受け付けてくれるかもわからないし。一応台湾でClawの次世代機の詳細が発表されてるらしいのでハンドヘルド型PCはもうしばらく売ってくれるようではあるが……

故に、無責任に「オススメだよ!皆も買おう!」とは言えない。「貴方の使用用途に合っていて、かつ発展途上ジャンルであることを認識したうえで買うならいいと思う」という感じだ。具体的には据え置きのデスクトップがある人のサブ機とか、旅行出張が多い人のお出かけ用とか。ノートPCがメイン機の人が完全な置き換えを考えているならちょっと考えたほうがいい感じはする。私は半分その気持ちで購入したが、居住空間がめちゃくちゃ狭いとかのっぴきならない事情がある人でも13インチノートPCとかのほうがいい気はする。良く考えて買ったほうがいい機器である、ということだけは覚えて帰ってほしい。

とはいえ、これだけ小型な筐体でもちゃんとPCであるし、描画設定調整すればわりといろんなゲームが動くというのはロマンがある。ドックやハブを駆使すれば周辺機器も色々繋げて、ガッツリPCとして利用できるわけだし。面白いジャンルだと思うし、個人的に最近のゲーミングノートは私の想定用途に対してオーバースペックに感じていたので、CPU内蔵グラフィックだけでこれだけゲームが遊べるということがわかったことも大きい。本当はIntel機よりAMD機の方がグラフィック性能は高いらしいが……。

興味を持った方はきちんと自分のやりたいことと必要なスペックを確認して、その上でお店で現物を見てから購入することを強くオススメします。