同情するより挑発しよう。
盲導犬を連れている盲目の男性K様が「鎌倉にいるなら会いましょう!」とご連絡をくださり、イタリアンランチをご馳走してくれた。K様は、最近はブラインドスキーなるものを初体験したのだが、死ぬかと思ったと笑いながら語った。臨死体験を笑って語れる男は素敵である。誰が惚れずにいられるだろうか。ブラインドスキーなんて凄過ぎる。盲目の世界はクレイジーな男たちが多い。盲導犬はめちゃめちゃ可愛かった。頭をなでなでしたかったが、お仕事中だから、それは控えた。
K様は言った。盲目の世界も、楽しく積極的に生きる人もいれば、自分に同情して暗く消極的に生きる人もいる。それは、普通の世界も同じだと思う。五体満足でも不幸な人もいるし、難病のデパートでも幸福な人もいる。私は聞いた。目が見えないと、その質問は百億回くらいされたよって質問をされまくると思うのですが、そういう時にイラッとしないのですか。目が見えないと大変じゃないですかとか言われたら、俺なら「それに答えるのが大変だよ。大変に決まってるだろ。ちったぁ想像力を働かせろよ」と思ってしまいそうだ。
K様は言った。盲導犬を連れていると、どうしても盲導犬に注目がいく。そして、盲導犬の隣にいる人が見えなくなる。だから、私はできるだけ伝えるようにしている。目が見えないことに絶望した時期もあったが、周囲の優しさに支えられて、楽しく生きている。坂爪さんに連絡する時も、職場の上司に「ここに書いてある電話番号に電話してください」と頼んで、電話番号を入力してもらった。坂爪さんにも、道案内をしてもらったり、左肩を貸してもらったり、メニューを選んでもらったり、いろいろなことをしてもらっている。感謝できることはたくさんあると、K様は言った。
磨き上げられたK様の人格に感動した。楽しくランチを食べ、K様は「鎌倉に来なかった人に感謝ですね。その人が来てくれなかったおかげで、私は坂爪さんに会うことができました」と言った。私は、その日、別の人から鎌倉に呼ばれて来たのだが、鎌倉に着いた途端にその人と連絡がとれなくなり、鎌倉で途方に暮れていた。その隙間に、K様が会いたいですとご連絡をくださり、我々は会うことができたのだ。K様は、その人に感謝だと言った。私は、俺は感謝をしないと言った。その人が来なかったおかげでK様と会えたのは事実だが、それは俺とK様に人生を楽しむ実力があったからで、鎌倉に呼んだ人とは関係ない。人を呼び出しておいて、その場に現れないことは、ダメだ。だから、私は、感謝をしない。感謝をするより「ざまーみろ」と言いたい。俺たちはお前より楽しくやっているよと、悔しがらせてやりたい。
目が見えないとか、ガンになったとか、虐待を受けて育ったとか、この世には無限の不幸がある。だが、私は同情しない。同情は、相手の人生の否定である。私は、憐れまないし、寄り添わない。たとえ、それによって死ぬことになったとしても「よくやったよ」と言いたい。それがお前の人生だ。同情して否定するより、挑発して肯定する。感謝は大事だと思うが、感謝し合うより、刺激し合いたい。悔しがらせ合いたい。俺はこんな風に人生を楽しんでいるぜと、挑発し合いたい。感謝し合うより、挑発し合う方が、楽しいし、元気になる。人生がつまらないと嘆く人には「俺たちを見ろ」と言いたい。ここに、ブラインドスキーを楽しんでいる奴がいるぞと言いたい。どうだ、参ったか。悔しかったら強くなれ。強くなって、俺たちと友達になってみろと言いたい。その時は、心の広い俺たちである。狂人の世界へようこそと言いながら、君をあたたかく迎え入れるだろう。
おおまかな予定
2月11日(火)神奈川県横浜市界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
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