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「二次創作は全て幻覚で間違い」という自己卑下による平等の危険性

 二次創作界隈には「他人の二次創作が間違っている・正しくないと否定する」ことが起きないように以下の考え方が普及している。

 私はこの考え方はかなり危険だと思う。

 結論から言う。私は以下の考えが界隈に根付いた方が良いと思う。

二次創作は全て幻覚で間違いだから自由に作っていいんじゃない。私たちが何が好きで何を見たいと思うのも人の自由だから二次創作は自由なんだよ。

 推しのスパダリ化も、受けのキュルルン化も、それが原作の解釈を歪めてるかとか原作を大切にしてるとかどうかじゃなくてその作家がそれを見て萌えたいから描いて萌えてるだけです!!!!

 二次創作に「正しさ」なんてありません!原作の再現性を重視する作家も「原作らしい2人の温度感を二次創作で更に見たいから」原作らしい2人を二次創作に求めてるだけだし、誰かには一次創作に見える作品も誰かの知らない二次創作の楽しまれ方がされているだけです。

 もう、この考え方を持つだけで「原作らしいという”正しさ”を押えているか」という絶対的な社会正誤を基準とした考え方がなくなる。「人それぞれの自分が見たい彼らの姿」という個人の好き嫌いの多様性でしかないという考え方に切り替わる。

 この考え方を持つだけで、みんなだいぶ他人に優しくなれると思う。


二次創作は「原作の解釈」以上に「自分が何を見たいか」で作られている


 「原作に対する解釈」は人それぞれの思う「このキャラはこうだと思う」「この二人はこういう関係だと思う」という受け取り方だ。しかし二次創作はこのような「原作に対する受け取り方」だけで作られるものではない。

 そもそも大前提として「その二人の何が見たいのか」という「私たち欲望」を起点に二次創作は作られている。

 「その二人の何が見たいのか」という原作とは無関係の「個人的な欲望」があった上で、「自分の思う原作らしい彼らを考えながら」二次創作は作られる。

 二次創作というのは

  1. 何が見たいのかという個人的な欲望(原作と無関係の人それぞれの欲望)

  2. 原作に感じる個人的な解釈(原作に対する人それぞれの解釈)

必ずこの順番で構成される。

 この(1)二次創作の起点になる人それぞれの願望について、「原作からかけ離れて思いっきり違う姿を見たい」「原作らしい温度感が好きでそこを見たい」と思うのも人それぞれの自由である。

 「原作らしい温度感が好きで二次創作に求める」層は必ず「原作からかけ離れて思いっきり違う姿を見たい」層の二次創作について「なんか違うな…」となるだろう。「二次創作に求めている”見たいもの”」が違うのだから、それは当たり前だ。原作に対する解釈が違うんじゃなくて、二次創作で見たいものが違うんだ。

 「そもそもなんで原作からかけ離れた姿がみたいねん」と思うかもしれない。これは例えばBL二次創作のように男同士が恋愛感情を向け合うことに萌える層がいたとする。

 この層の恋愛感情の表現において、原作からかけ離れた人格・振る舞いになるということはそこに強烈な恋愛感情が発生している証拠なのだ。だから「キャラ同士の間に強い恋愛感情が発生している姿が見たい層」は、キャラに原作と大きく異なる振る舞いをさせる。それが「強烈な恋愛感情が発生している証拠であり萌える」からだ。これが「二次創作で見たいものが人それぞれ違う」ということだ。

 私たちの解釈が人それぞれ違うのは、「原作からの解釈が同じかどうか(原作の正しさの認識が一致しているか)」よりも以前にそもそも、「二次創作で求めてる見たい姿の願望」が一致しているかどうかが全てだ。

 二次創作界隈は「自分が何が好きで見たいか」という部分に無頓着だ

 私はこの論について過去にも数回記事を書いていたが、その記事を読んでくださった方にもイマイチよく分からないと言われたことがある

 だって私は原作の彼らがどういう雰囲気か考えながら作品を作ってるから、だから原作の解釈を元に作ってると思う

 わかる、気持ちはわかるんだ。特に原作の再現性を重視する層は、「こいつがアヘ顔ダブルピースしたら私が萌える」みたいなノリで自分が萌える定型シチュに添わせてキャラを歪めることを嫌う。

 でも原作の再現性を重視してる作家だって「自分の作品は公式だ」って思ってる作家いないだろ!?

 前述のフォロワーは「だって私は原作の彼らがどういう雰囲気か考えながら作品を作ってるから(原作の解釈を元に作ってると思う)」と言っていたが、彼女が書いているのは「男二人のセックスもの」だった。

 私が「二人が公式で当たり前にセックスしてると思ってるから、二次創作で描いてるわけじゃないでしょ?」と聞いたら「それはそう…公式でセックスしてるとか思わないです…」と返答をしていた。そういうことだ。そうれはそうなのだ。

 どんなに原作らしさを重視して書いていても、セックスさせてる時点で「”私が”二人のセックスしてる姿を”見たいから”」という原作の解釈に無関係な「個人的な欲望」から二次創作は生まれる。でもこれは「セックスさせているから君の作品も原作ではなく間違い」という話ではない。

 「君は彼らの原作らしい距離感と多面性を見たいから、セックスという極端な状況での二人のやり取りシュミレーションという創作を選んだんでしょ?」という話だ。

 どんなに恋愛も性行為もなく原作の番外編のような二次創作があっても、それは「”私が”原作の番外編のような彼らの姿が”見たいから”」という個人的な欲望が起点になっている。

 原作がこうだから(原作の解釈)、私はこう描いた

のではなく

 原作を見て、こういう姿が見たいと思ってから(人それぞれの個人的な欲望)、私はこう描いた(原作から感じる自分なりの解釈)

 全ての二次創作は必ずこの順番で作られる。

 しかし「男同士のセックス」を描いているにも関わらず「原作の解釈を元に作ってると思う」と認識していまうのは

 そもそも原作の解釈以前に、「自分が彼らのどんな姿を見たくてその二次創作をしているのか」という部分をなかなか自覚できないために、二次創作を原作からの解釈だけで作ってると誤認してしまうからだ。


 「自分にとっての好き」は「自分にとっての当たり前の正しさ」にすり替わって認知される


 例えば推しのスパダリ化が嫌いな人は、たいてい推しの人間臭さが好きだ。推しの人間臭い姿が好きだからその面を二次創作で無かったことにされると「こいつ誰?」となってしまう。

 推しの「自分が推しの人間臭さが好きだから(自分の推し像の好きポイント)、そこを描いていてほしい」という個人的な好みを元にした二次創作への欲求は

 「推しはこういうキャラ(原作解釈の正しさ)だからそこは押さえてほしい」という認知にすり替わって認識される。

 つまり自分にとっての「好きだから見たい部分」は自分にとってあまりにも当たり前であるため、そのキャラの個人的に好きな面が描かれている=原作らしいキャラらしさだと認識してしまうわけだ。

 でも解釈違いのあの人は違う、あの人もまたキャラに対する「自分の個人的な好きで見たい部分」を元に自分のキャラ解釈に落とし込んでいる。スパダリ化をする人は推しのカッコイイ姿が好きであり、人間臭くてカッコ悪い姿なんて好きじゃないし興味がないんだ。興味がないから二次創作でその面は無かったことにさせられるのだ。そしてスパダリ化される。

 他にも推しの特定の部分ではなく「多面性」が好きな人もいるだろう。それもまた「推しの多面性が好きだから全部の面を感じられる推しの姿が見たい」なのだ。だから推しの特定の面だけを強調され、他の面が全く無かったことにされてる推しの姿に違和感を感じてしまう。

 基本的に色んな人から解釈が原作っぽいって言われる人はこのキャラの多面性が好きな人だ。推しの様々な面を満遍なく描写しようとするから、幅広い層に「原作っぽい!(私の推しの好きな面がちゃんと描かれてる)」と思われるわけだ。

 「原作に明確に提示されている解釈があるのに、二次創作で全く違う解釈をしている作品」もまた同じだ。その作家は、原作のその解釈について特に絶対にそのまま再現したいほどの特別な高揚がないため、二次創作の再現ポイントとして押さえる気がないだけだ。そして、原作の解釈をこういう解釈に変換したらすごく面白いんじゃない?というノリで二次創作しているだけである。

 いや「面白さのために原作の解釈をあえて歪める」ってもう一次創作で良くない?と思う人もいるかもしれない。それもまた「自分が」当たり前に二次創作に原作らしい再現性を求めているばかりに、いつの間にか二次創作とは原作らしさを再現するものだと思い込むのだ。

 そもそもオールキャラ作品にはメタネタが多いしキャラ崩壊ギャグだって多い。ジブリの二次創作で原作の隙間を埋めるような~とか見たことないだろ?メタネタギャグばっかだろ?全然再現性とかやってない。同じように、原作の「設定を元に怒涛のストーリーを作る」二次創作だってまた1つの二次創作の楽しまれ方なんだ。

 ある女の子キャラに性格からはしそうにないアヘ顔ダブルピースをさせて興奮する男性層がいたって、私たちは「いやオリキャラでやれよ」とか思わないはずだ。その人達が「原作のストーリーと物語があるからこそ今その子にアヘ顔ダブルピースをさせることに興奮する」ことはなんとなく理解できるはずだ。他の原作からかけ離れた二次創作もまた同じように作られ、また別の切り口から楽しまれているのだ。

 つまり、解釈の合う合わないというのは「原作の正しさ」への認識の一致を指すものではない。二次創作において「自分の好きな部分で絶対に押さえたい見たいポイント」が作家と一致しているかどうかだ。

 さらに言うと、「二次創作に求める楽しみ方」が一致しているかどうかだ。

 自分が二次創作において大切にしているポイントを押さえない作家を嫌いになってもいい。原作の再現性こそが二次創作だ!と心のなかで思うには自由だ。でも他の作家に「私の見たい私好みの二次創作だけ作ってよ!それ以外は二次創作じゃないから」と求めることは違う。「この作品は『私』の好きなポイントを押さえてないから、二次創作である必要のない一次創作だ」までいくともう自分の好みと社会の絶対正義の区別がつかない人でしかない。

 あなたにとっては一次創作にしか見えない二次創作も、誰かにとってはあなたと違った切り口から楽しんでる二次創作なんだ。個人的に嫌ってもいい、でも相手に押し付けてはいけない。なぜなら「二次創作に求める楽しみ方」が違うだけだから。これが人それぞれの価値観の違いというやつだ。


「自虐的な謙虚の文化」はいずれ「自虐をしない人間への攻撃」に向かう


 文化は必ず形骸化して根付く

 「二次創作は全て幻覚で間違っているから自由でいい」という言葉はそもそもは「二次創作に正しさ・間違いを求めてはいけない」という考え方から生まれた。

 しかしこのような自己卑下的な言葉が界隈に根付くと

 二次創作界隈の住人全員が「げへへ…あっしの二次創作は全部間違いって私はわかってるんで…幻覚なんで…でへへ…」って自己卑下を定期的にやらなきゃいけなくなっちゃうんだ。

 自己卑下をしないで堂々と「AxBが◯◯しててXXしたら最高」とかいってると「この人ちょっと自己卑下したほうが良いんじゃない…?もうちょっと謙虚にならないと迷惑じゃない?」みたいな考え方が湧くようになるんだ。

 私はそんなことしないと言い切れる方もいるかもしれない。自戒することと他人への指摘は全く別物だと思うかもしれない。でもあなたがしなくても、他の人はする。人間ってのは不完全なんだ。何かで作られた概念が、その由来を忘れて形骸化された的はずれな規律に変わっていってしまうんだ。

 実際、界隈にはすでに以下のような定型文ができている

(他人に対して)自分の二次創作は全部妄想だと自覚したほうが良い

 いや、この世に自分が公式だと思って二次創作してる作家なんていないから!!!!!当たり前に妄想だから!!

 このように言葉が形骸化して、存在しない仮想敵の作家像が生み出され、それを指摘する言葉が生まれてしまっているのである。

 文化として考えが馴染むとは、こういうことなんだ。

 元々は他人の二次創作を否定しないために、二次創作に正しい・間違いなんてないという考えを広めるための言葉だろう。

 しかしその手段に「二次創作はみんな間違ってるから正しいなんてない」「二次創作は全部幻覚で間違い」という考えを使い、その価値観が文化として根付くと必ず以下のようになっていく。

自己卑下をしない作家は、自分の二次創作を公式だと思ってる傲慢なやつだ

この人の作品は自分にとって解釈違いだ。なのにこの人は自己卑下してない。この人にも自分の二次創作は幻覚で間違いだと自覚してほしい。

私はXXさんが描いてる○○のことをこういうキャラだとは思いません、どの解釈が好きだとかTLで語る前に自分の二次創作も幻覚で間違いであると自覚されてはどうですか?(毒マロ風)

 他人の二次創作に正しい・間違いを求めてはいけないという考え方から生まれた言葉が、「自分の解釈の間違いをちゃんと認めてほしい」という方向に向かうんだ。一周回って「解釈違いの二次創作を否定するための言葉」に使われてしまうのだ。

 本末転倒である。


 「自己卑下」が「茶化した自己肯定」として通用するのは「自己肯定感の高い人」だけ

 自分が自分という特殊性癖ぶっ飛び二次創作製造マシーンであることの理由を「自己卑下」で茶化して表現するのはまじで辞めたほうがいい。

 例えば腐女子が「私は狂ってておかしいんでホモが好きなんですデヘヘ~」と自己卑下しながらマナーを守り謙虚な振る舞いをしていたとする。

 するとそれが界隈の文化に馴染んでいくうちに「BLを好きなのは狂ってておかしいと自己卑下するのは、同性愛者に対する差別意識だ」「社会に同性愛への差別意識があり”私はおかしい”なんて考えがあるから私たちは隠れなきゃいけないんだ」とかに発展していくの。

 いやBLが隠れなきゃいけないのは「作品は腐女子だけのものじゃない」からだよ。他の一般ファンと棲み分けしましょうねって話だから。「私という存在の趣味」にちゃんと責任を負ってくれ!

でも実際にこういうことが起きる。

 もうね、言葉が生まれた本来の意味を失ってズレていくのよ。もちろん「二次創作は全部幻覚で間違い」が肯定的な自己卑下なのはわかるんだ。みんな狂って幻覚を見てるね!みんな狂った仲間だね!やったね!だから正しさなんて存在しない!自由だぜ!(肯定)って意味なのはわかるんだ。

 でも、「ポジティブな自己肯定の意味合いとしての茶化した自己卑下」は自己肯定感の高い女性同士にしか正しい意味での機能を果たさない。彼女たちは「私は狂ってるので私の二次創作は全部幻覚ですw」なんて言いつつ、そんな自分が好きで、そんな二次創作をする自分に十分に満足して生きている。自分の存在が恥ずかしいとか自分の二次創作は欲望まみれでクソだとか本気で思ってるわけじゃない。

 だから自己卑下が「茶化し」として肯定的な意味で通用するわけ。自己肯定感が高い人にとっては「私は狂って間違っている」ってのは「自分に対する自己卑下という名の自己肯定」なんだ。

 この人たちにとって、「世の中の全ての二次創作は幻覚で間違いですw」という考え方は、茶化した自己肯定であり、そして他者肯定でもる。だから私も狂ってるしみんなで狂った幻覚を見ましょう(他者肯定)として意味が通用する。


 でも女性界隈は自己肯定感が低い女がめちゃくちゃいて、「何が正しくて間違っているのか」に囚われてる女性がいっぱいいることをみんな知っているでしょ!?あなたがしっかりした人間で大丈夫でも、界隈の女性は大丈夫じゃないの!自己卑下で茶化した自己肯定が通用しないの!

 女性界隈には「相手が自分と同じように自己卑下しないのは、相手が傲慢で界隈の常識的な振る舞いを守ってないからだ」って認識しちゃう人がいっぱいいるの。

 実際に私はただ「原作のここの関係性めっっちゃ萌える~」って熱く語ってただけでこう言われたことがある。

高尚ぶるな、てめぇの楽しみ方もキメェ妄想なんだよ。

 これは言い変えれば、私たちBL化が好きな腐女子は自分が下賤な存在であることを自覚して自戒してるんだから、お前も自覚して自分を卑下しろよということだ。

 世の中には他人が誰かを否定するわけでもなく自分の価値観と好きなものを語っただけで、自分を馬鹿にされた!自分を高尚な存在だと思ってる!見下された!私の好きなものが否定された!マウントとられた!って強い不安を抱えてビクビクする過剰に敏感な自己肯定感の低い人たちがいるの。他人を自分がやっている自己卑下の世界に引きずり込むことでしか自分も他人も肯定できない層がいるの!

 そういう人が解釈違いとか、楽しみ方の違う人間に出会うと

(私にとっては解釈違いなのに)この作家は自己卑下しないで伸び伸び萌え語りしてる。自分の解釈が正しいと思ってそうでムカつく。この人もちゃんと自分の二次創作や好きなシチュが幻覚で間違いだって自覚してほしい。

 みたいな思考回路しちゃうの!自己肯定感の低い人は、自己否定をしていない人を見るだけで偉そうにしてる!自分が正しいと思ってて高尚ぶってる!とか思っちゃうわけ。自分と同じ自己卑下ムーブをしてないとムカついちゃうんだ。私が自戒してるんだからあなたも自戒してって思っちゃうの!

 「二次創作は全部幻覚で間違い」みたいな自己卑下による自由の肯定をすると、言葉が形骸化して「二次創作は自己卑下するものだ」「それが人として正しい謙虚な在り方」だと思い込んじゃう人がいるの。自己肯定感が低い人が自己卑下してると、その自他境界のブヨブヨっぷりで「自分と違う楽しみ方をしてる全ての人間が、自分の楽しみ方は絶対的な間違いだと自己卑下することを求める」みたいなことをやってしまうの。

 「二次創作は全部幻覚で間違いだから自由」は「自己卑下して自分の二次創作は幻覚で間違っていると自覚してるから自由が許される」にみたいな界隈の牽制ルールにすり替わっちゃうの。

 二次創作はすべて幻覚で間違い(だから自由でいい)

 という考え方は、その本来の意味がズレにズレて形骸化し、やがて

自分の二次創作や好きな萌え語りは全て幻覚で間違いだと自己卑下しながら活動しないとヘイトを向けられる

 という地獄みたいな世界を生み出すんだ。私はそんな相互監視された自己卑下という牽制文化によってやっと二次創作の自由が許される世界なんて望まない。


茶化すならもっとポジディブに茶化そうぜ!


二次創作は全て幻覚で間違いだから自由に作っていいんじゃない。私たちが何が好きで何を見たいと思うのも人の自由だから二次創作は自由なんだよ。

 私は「二次創作は自由」を訴えるなら、それは「みんな間違っているから自由」という「自己卑下による集団牽制」ではなく「自分の主体性による自由」であるべきだと思っている。

 おれが「狂いながら幻覚を見てて間違ってるから(自己卑下)」こんな二次創作をうっかり生み出してしまったんじゃねえ!

 おれが「これが見てえし萌えるから(主体性)」からこの二次創作を生み出してんだよ!!!!!!みんな間違ってて幻覚だからおれの二次創作は許されたんじゃない!!おれが自ら望んで選択して生み出した!!!!おれの二次創作の是非は、おれが萌えるからおれが許す━━━━━━!!!これが主体性だ─────────!!!

 自分は「これが好きで見たいからこの二次創作を作るの!」解釈の合わないあの作家もまた「その人はそれが見たくて萌えるからその二次創作を作ったの!」

 あの作品が一次創作に見えるのは、おれにはおれのアイツらへの譲れない拘りがあるからなの!相手が原作を愛していないんじゃなくて、自分に譲れない原作への好みがある(主体性)からそこを無碍にする相手の二次創作が許せないの。

 私たちは原作を正しく愛し正しく解釈するという、基準が人それぞれの異なる価値観にしかないガバガバな謎概念ルールを元に二次創作をしているんじゃない。自分の二次創作は幻覚で間違いだからという自己卑下によって二次創作の自由が社会に許可されるわけでもない。

 人それぞれが「自分が見たい(主体性)彼らの姿」を創作して楽しんでいるだけだ。迷惑行為をしない限り、作品をどう楽しむのも人の自由だ。

 他人の二次創作の楽しみ方を嫌ったり許せなくてもいい!でも自分の価値観を他人に押し付けて阻止することはできない。



 「他人の二次創作を否定しない為」だとして、原作の解釈の正しい・間違いに囚われながら「みんな原作と”間違っている”幻覚だから自由にしていい!」なんてことをするくらいなら

 「みんな好きなもの、見たいもの、二次創作の楽しみ方が違うんだから二次創作は自由で当然!」って考え方の方が「原作の正しさという社会的正義」から開放されるし、自他境界が明確になっていいんじゃないか?

 必要なのは、みんな間違っているから自由という牽制による平等性ではなく、みんな好きなものを好きな楽しみ方で楽しんで良いという主体的な自由ではないだろか。

 その方が他人の二次創作も伸び伸び肯定できるんじゃないかな。「原作の正しさ」から「人それぞれの個人的な好き嫌いで見たい・見たくないもの」の問題に置き換えることで、私はこれが好きだから作って食べる、あなたはそれが好きだから作って食べてるんだね、くらいの認識に落とし込める。

二次創作は全て幻覚で間違いだから自由に作っていいんじゃない。私たちが何が好きで何を見たいと思うのも人の自由だから二次創作は自由なんだよ。

 そんなわけで私はこの考え方を流行らせたいと思っています。よろしくお願いします。拡散力なさすぎて泣いているので気が向いたらRPしてね。


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hot / 箱野
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コメント

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