兵庫県の25年度予算案、県立大学の無償化に14億円計上
兵庫県は10日、一般会計で2兆3582億円となる2025年度予算案を発表した。24年度当初予算に比べ0.8%増加した。24年の県知事選挙で争点となった県立大学の授業料無償化の推進に13億8000万円を計上した。
斎藤元彦知事は同日の記者会見で、防災・危機管理対策や若者支援などが重点分野と説明。「斎藤県政が2期目になり、新たな躍動をつくり出していくことが大事だ」と強調した。
県立大無償化は24年度から順次、県内在住者の授業料と入学金を無償とする取り組み。25年度は学士課程の1年生を除くすべての学生と大学院生が対象となる。県外学生に対する入学金の引き下げも新たに実施する。事業費確保のため、2月補正予算案に50億円の基金設立費用を盛り込んだ。
斎藤氏は「学生にとって、奨学金の返済が将来の結婚や子育てに大きな負担になっている。兵庫県からできることをやり、国の議論や取り組みを促していきたい」と述べた。
老朽化した県庁舎再整備の関連では、今後の庁舎解体に伴う暫定的な移転のため民間オフィスの選定・契約を始める。33年前後をめどに新庁舎を完成させる方針。解体せずに残す一部庁舎の老朽化対策工事の費用として65億円を計上した。
大阪・関西万博に向けた取り組みには計17億6000万円を充てる。万博会場での「兵庫県ゾーン」の展示や、県内での体験型観光事業「ひょうごフィールドパビリオン」への誘客の取り組みを進める。
産業振興として、県内の航空・宇宙産業への技術指導や中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援を新たに盛り込んだ。また、水素ステーションの整備補助などに1億9000万円を盛り込み脱炭素の取り組みを後押しする。
県財政は、好調な企業業績などを背景に県税収入が9982億円と過去最高を見込むが、「引き続き厳しい状況が続く見込み」(財政課)。1995年の阪神大震災関連の負債が重荷となっており、長期金利の上昇が響く可能性もある。一般会計で28年度までに総額160億円の収支不足が生じる見通しだ。
県の外郭団体が進める「分収造林事業」と、企業庁が開発用地として県内各地の土地を購入・造成して企業などに販売してきた「地域整備事業」でも、多額の負債が明らかとなっている。計1200億円にのぼる債務処理は県債管理基金で一時的に立て替えるものの、24年度から33年度まで年120億円を基金へ積み戻す。
2025年国際博覧会(大阪・関西万博)は2025年4月13日から10月13日まで大阪市此花区の夢洲(ゆめしま)で開催されます。公式キャラクターは「ミャクミャク」。パビリオンの解説やアクセス方法のほか、イベントや参加国・地元の動きなど最新ニュースを豊富な写真や動画でお伝えします。
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