100人以上のタイ人女性が東欧のジョージアで中国系犯罪組織が管理する「卵子農場」と称される施設に軟禁されているとみてタイ当局が捜査している。タイ人女性らは毎月強制的に卵子を採取されているといい、脱出した被害女性を保護するタイの「パヴェナ子供・女性財団」は採取された卵子は販売目的で他国に密輸されているとみている。
被害女性3人を救出
タイの英字紙「バンコク・ポスト」紙などが報じた。
子供・女性財団は昨年9月、中国系犯罪組織に身代金を支払って釈放されタイに帰国した被害女性から事件の相談を受けた。
タイ外務省も国際刑事警察機構(インターポール)と連携し、1月30日に被害女性3人をタイに送還させた。ジョージア内務省も2月6日に3人の送還を発表した。
解放された被害女性らは3日、顔を隠した状態で記者会見に臨み、事件に巻き込まれた経緯を説明した。
合法的な代理母目的で渡航も
当初、SNSで女性向けの求人広告を通じ、不妊夫婦のため「代理母」になる目的でジョージアに渡ったという。
合法的な仕事と紹介されていたが、ジョージア到着後、中国系犯罪組織側にパスポートを没収された。案内された4軒の施設には少なくとも100人のタイ人女性が住み、健康状態は悪そうだったという。
代理母を求める夫婦は現れず、タイ人女性らは卵巣を刺激するホルモンを投与され、毎月1度麻酔をかけられて卵子採取手術を受けさせられたと訴えた。
財団代表のパヴェナ・ホンサクル氏は採取された卵子は体外受精に使用されるため、海外に密輸されていると指摘する。パヴェナ氏は3日、フェイスブック(FB)に「被害にあったタイ人女性は今も数百人いる」と訴えた。
財団は3日、中国系犯罪組織の取り締まりのため中国政府の協力を求めるようタイ政府に要請している。