現場概要
若手が育つ現場にしたい。少人数ながらもやりきった大規模な宅地造成
宅地造成ならではのリスクと戦いながら近隣住民への配慮を徹底し未来の住宅地をつくる
東京を中心に当社の宅地造成の実績が増えてきている中、一戸建てが100棟近く建てられる本現場は、当社でもトップクラスの規模です。周辺道路の舗装や排水工事を経て、電気や水道などのライフラインを配備するところまでを請け負っています。
舗装工事との大きな違いは、現場が剥き出しの土一色である点。大雨が降ると、泥水となってあふれ、近隣の住民に迷惑を掛けてしまう可能性があります。場合によっては災害につながってしまうことも。最悪の事態に陥らないよう、雨水流量計算に基づき敷地内に貯水槽を設け、水があふれないようにしています。
また、佐島の丘は海から近い場所に位置し、風が強いという特徴があります。現場の備品が飛ばされないように管理を徹底するほか、舞った埃を清掃するために終業時には散水車で近隣の道路を清掃し、周囲への配慮を徹底しています。現場は住宅に囲まれているので、外で作業を行う際には、近所にお知らせの紙を貼って告知するなど、地元の自治会協力のもと工事の完成を目指しています。
本工事に取り掛かるまでにも苦労がありました。ここ三浦半島南西部には、非常に硬い特徴を持つ佐島石が多く分布しており、重機で地面を掘るときに支障が出るほどです。それらを取り除くため、破砕機を使用して拳くらいの大きさに砕いてから工事を始めました。
また、本現場は近年では珍しく間知ブロックを使用しています。建設に伴う土地の形質変更の際には、地盤が崩れるのを防ぐためにL型擁壁をよく使いますが、今回の現場では、コストダウンが見込める間知ブロックの使用を提案しました。斜面に適用しやすく、施工が容易になるメリットもあります。
若手が他の現場でも独り立ちできるように
宅地造成の現場は、測量業務など、機材を使用する頻度が舗装工事に比べて多いので、若手職員が仕事を覚えるには最適です。本現場では2022年度入社の社員に1年強、経験を積んでもらいました。
私は長年土木現場に携わってきた経験から、若手を育てたいという思いが強くあります。教育の際に心掛けているのは、他の現場に行っても通用する力量を身に付けてもらうこと。そして、仕事を好きになってもらうことです。そのためにも、なるべく現場を楽しんでもらえるように会話を盛り上げ、業務の難易度を段階的に上げつつ実践を積み、できることや成功体験を増やしていけるようにしています。
佐島の丘は、子どもたちも多く住む住宅街で、現場は元々草木が茂っていた丘でした。ここに新たな家が建ち、近隣にお店なども増えて皆さんの生活が豊かになり、街として大いに盛り上がる未来が楽しみです。
社員コメント
朝は朝礼から始まり、測量や現場の写真撮影を行います。昼礼を終えるとまた測量。毎月1回、3Dドローンで現場を上空から撮影するのですが、1カ月ごとにこれだけ進んだのだと過程を確認できるのがやりがいです。本現場に配属されて1年以上が経ちますが、作業員が変わるたびに現場の雰囲気も変わるので、いつも新鮮な気持ちで仕事に臨んでいます。
現場で心掛けているのは時間管理です。現場の規模に対して職員数が少ないため、時間配分を意識し、作業効率を上げられるように頑張っています。今は徳永課長のもとで仕事を覚えていますが、今後は一人で現場を監督できるよう、技量を磨いていこうと思います。