全国に広がる家系ラーメンの創始者にして、現在も第一線で活躍する吉村家会長の吉村実氏(74)。味はもちろん、スープと同じく濃厚な「吉村語録」が注目を集めてきた。ただ、急速な時代の変化をどう見るか。半世紀に及ぶラーメン人生を振り返りながら、独自の視点で現代社会に”喝”を注入する。(西田直晃)
—ご自身のラーメン人生を支えたものは
劣等感だよ。中卒のね。良い思い出はない。勉強できない、足は遅い、おまけにこんな顔だ。真面目な人間でもなかった。ラーメン以外はね。20代半ばでラーメンに出会った。羽田空港のトラックターミナルに屋台が出ていて、そこで修業した。好きで始めた仕事だから最初は大変だった。貧乏人と金持ちに平等なのは、時間だけだ。なら、人の倍働こうってね。10年間、18時間ほど働いていた。家に帰らず、ゴザを敷いて寝た。
—一番つらい出来事は
毎日だよ。ただ、必死でやってきた。最初は家賃8万円の約10坪の店で、25年間。気付けば、20人程度の行列ができ、今の店では日によっては2時間も並ぶ。これが、いつ消えるのかが怖いんだ。
俺は、吉村家とは別に、会社を2回つぶした。不動産と株で失敗してね。この二つに誰もが手を出す時代があったから。でも、立ち直らせてくれたのは、いつもこのラーメンだった。
—時代は急速に変わっている。「モーレツ」は遠い昔か
若い人をお預かりして教育しても、12時間ほど調理場に立つと、それだけで辞めちゃう。アルバイトの学生さんは1時間おきに休憩する。ただ、日本は給料が上がらないと、評論家が言うじゃない。空白の30年だとか。でも、ちょっと考えてくれよ。少子化で人口が減り、働く時間も減ったとなれば、当たり...
残り 772/1544 文字
この記事は会員限定です。
- 有料会員に登録すると
- 会員向け記事が読み放題
- 記事にコメントが書ける
- 紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)
※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。
カテゴリーをフォローする
みんなのコメント0件
おすすめ情報
コメントを書く
有料デジタル会員に登録してコメントを書く。(既に会員の方)ログインする。