『身体を傷めて光っているホタル。』 | フィーチャーズ

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フィーチャーガールによる
コラム女子プロレス団体

先日、リード・フレアー選手が亡くなりました。


この間まであんなに元気にビールを飲んでたのになぜ…と私はは今も信じられません。




昨日の3.31NOAH後楽園ホール大会では、無敵だと信じてたレスラーも人間なんだとふと気付き怖くなった瞬間がありました。



昨日は久しぶりの良い席にウキウキで、私も楽しく観戦していました。
選手との距離も近い特リンは
迫力が違いますよね。



しかし石森選手対リッキーマルビン選手で、私は色々考える出来事がありました。



リッキー選手は試合中テンションが高く、最初は私も楽しく声援を贈っていました。


石森選手がコーナーに投げつけられた時、なかなかすごい角度で首からいったな…と思っていました。


すると、すぐそばの場外に叩き出された石森選手がなかなか立ち上がらないのです。



何かおかしいと覗き込むと、
石森選手が小さく痛いと繰り返しながら手が小刻みに震えているのが目に入ってきたのです。


軽やかな2人の試合に沸いていた会場はざわめきへ変わっていました。





私は急にリードのことを思い出し、
プロレスラーは死と隣り合わせでリングに立っている事実を思い出しました。



石森選手の鮮やかで華麗な技をいつも見てるから感じないだけで

この人も生身の人間なんだとハッと気付いた時には、じんわりと手に汗をかいてきたのを感じました。



レフリーストップしろよ!という声も聞こえます。


もしものことがあると思うと…私もそうしてくれと願いました。



しかし、業を煮やしたリッキー選手がレフリーの制止を無視しリングに戻してフォールを繰り返します。



私は、返さないで!早く病院へ行って!と心の中で祈りましたが、

石森選手はフォールを返すのです。



そうするといつも選手がフォールを返せば手をたたいて喜ぶシーンでも不思議なもので、
急に観るのが辛くなってきたのです。



それからも執拗に首攻めが続き、
私は一刻も早く終わってくれと願っていました。




石森選手は最終的にリッキー選手から辛くも勝利を納めたものの、ベルト授与時には立ち上がるのも難しかったようでした。


座ったままベルトを受け取っていたことからも負傷した部分がかなり追い込まれていたのが伺えました。




プロレスラーは非日常を私達に提供する代わりに、
普通よりも特別なものを得ることもあれば失うこともある。


時には失うものが健康や命だったりすることを私達観客は忘れがちです。




そして最初リッキー選手がレフリーの制止を振り切って試合を続行した時に「なぜ止める?仕事だから死んでもいいじゃないか」というようなことを言っていました。


そんなことを言うなんて!と最初私は憤慨しましたが、

全てが終わってからリッキー選手が言っていたことがわかる気がしました。




健康や命の犠牲を払ってリングに立つと決めたのは誰でもない、レスラーみんながそうなんだ。


どんな時でも何が起きても不思議じゃないのです。




リッキー選手自身も飛び込んだり、スワンダイブ式のウラカンラナなど派手な技を多く使う選手です。

もちろん危ない目にも沢山遭っているはずです。




彼はもしかしたら、

「お前もその覚悟を持ってるなら俺と最後まで闘え!」と言っていたのかもしれないと私は感じました。





先月17日の全日本両国大会から色々な団体を観ましたが、
今回であれからモヤモヤしていた色々な答えが全て出た気がしました。





本気で戦っていないプロレスラーなんて一人もいないのです。


みんないつだって自分の命と向き合ってきたのです。



そして私達ファンはいつだって観ているしかないけれど、
命の輝きを見せてくれる選手達に対して尊敬する心は忘れてはいけないと思ったのでした。

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