今回は、現在でもかなりのプレミアがついている、ニッカウヰスキーのシングルモルト余市10年を飲みます。

2022年に復活するも...

シングルモルト余市10年は、1989年に角形のボトルでリリースされました。
その後、丸形ボトルに切り替わり、2015年まで発売され続けました。
終売手前での価格は4500円ほどでした。


DSC_1582_01しかし、国内ではドラマ「マッサン」をきっかけとしたブームが起こり、海外でもジャパニーズウイスキー人気が弾買っていたこともあって、原酒が枯渇する危機に陥り、2015年を以て12年、15年、20年と共に終売してしまいました。

しばらくは、10年と交代でリリースされたノンエイジの余市が売られていましたが、2022年に数量限定で余市10年が復活しました。

リリース当時の価格は8800円と倍になっていましたが、数量限定ということもあり、なかなか市場に出回ることは無く、ネットで販売する価格も倍以上のプレミアがついています。

2025年2月時点でも、安いもので34,800円、高いと5万円を超える値段がつけられています。
バーに行っても、このボトルを置いているお店はなかなか見つからないかも知れません。

私もいくつかの店を回っても結局見つからなかったため、ネットでプレミアがついているものを購入して飲んでみることとなりました。

テイスティング

グラスからの香り、液色

グラスからはラムレーズン、リンゴ、マンゴー、レモンの香りが広がります。
液色は少し淡い琥珀色です。

ストレート

先にミントの爽やかさと燻製のようなスモーキーな香りが広がり、レーズン、リンゴ、ドライマンゴー、ハチミツの香りが続きます。

味わいは、アルコールからの辛みはそこそこあるものの、そこから甘味が広がります。

ロック

白檀を思わせる香りがほんのり先立ち、軽いスモーキーさとミントの香りが続き、レーズン、マンゴーと言った濃厚な甘い香りが続きます。

味わいは、軽い酸味が先に来るものの、甘さが追いかけてきます。

ハイボール

リンゴ、レーズン、ハチミツ、マンゴーの香りが一緒にやってきます。奥から軽く燻製を思わせるスモーキーさが感じられます。

味わいは、全体的に甘味が強く、ほんのりフルーツの酸味も顔を出します。苦さが少なくてとても飲みやすいです。

終売以前とブレンドは変わらない

いろいろな飲み方で飲んでみましたが、10年前に終売したときのブレンドと中身は変えていませんでした。

現在のノンエイジの余市は、潮風を感じるスモーキーさが強めで荒々しさを誇張したようなブレンドでしたが、余市10年においては、スモーキーさを抑え、潮風というよりも燻製のような印象のある原酒を使っているイメージです。

10年以上前は4000円ほどで買えていて、私も何本かリピートで買って飲んでいました。
あのときの10年と再販した10年はほぼ一緒でした。

当時は結構スモーキーだなと思ってましたが、500種類のボトルを飲んだ現在に改めて飲んでみると、結構落ち着いた香りに抑えていたんだな、と感じました。

これが12年、15年、20年となると、スモーキーさが影を潜めて、ストレートですらアルコール感を感じなくなるほど、とても穏やかで甘いウイスキーになっていきます。
そこまでいくと、今なら10万円でも手に入らないでしょう。


今でも新しい余市10年はほとんど入手が難しくなっていますが、万が一1万円台で売っているのであれば、是非とも購入して飲んでほしいと思います。

<個人的評価>

  • 香り A: 燻製のようなスモーキーさとミントの香りから始まり、リンゴ、レーズン、ドライマンゴー、ハチミツ、白檀と豊かに広がる。
  • 味わい A: ストレートではアルコールからの辛みがそれなりにあるものの、全体的に甘さが強い。
  • 総評 A: プレミアがついているが、一度は飲んでおきたい。