南砺市上平小と平中を統合した義務教育学校が来年4月に開校する現在の上平小(市教委提供)

  ●住民アンケートは「学園」多く

 南砺市議会全員協議会は10日開かれ、市教委が上平小と平中を統合する義務教育学校を「五箇山学舎」とする校名案を提示した。これに対し、旧上平村長の山本勝徳市議は住民アンケートで「学園」を使う校名案が多かったとして「個人的には五箇山学園がよいと考える」と再検討を求めた。市教委側は各校で説明会を開いた上で、市議会2月会議に「五箇山学舎」とする条例案を提出する。

 平・上平地区の義務教育学校は来年4月、現在の上平小を一部改修して開校する。市内の義務教育学校は2校あり、井口地区に「南砺つばき学舎」、利賀地区に「利賀学舎」が設けられている。市教委は「既設2校は学舎であり、統一感がある」として「五箇山学舎」を選んだ。

 一方、山本氏は「学舎は固く、学園のほうが伸び伸びしている」と再考を求めた。住民アンケートに回答した児童生徒は「学園」を望む声が多かったとした上で、平・上平地区と同様に、世界遺産合掌造り集落がある岐阜県白川村の義務教育学校名が「白川郷学園」であることも挙げ「五箇山学園」が適切と主張した。

 山本氏の発言を受け、松本謙一教育長(富大名誉教授)が各学校で「学舎」を選んだことに関する説明会を開催する考えを示した。

 住民アンケートは昨年8~9月、平・上平地域義務教育学校設置協議会の校名選考の一環として実施された。対象は児童生徒を含む全住民で、157人が回答した。「五箇山学舎」「五箇山学園」「五箇山さみどり学園」など多様な案が寄せられ、うち「学園」を入れた校名案は60件、「学舎」を入れた校名案は50件、このほか「義務教育学校」などの案があった。

 市教委によると、昨年11月末の協議会で、全委員が「五箇山」を用いることを了承したが「学舎」と「学園」のいずれとするかは意見が分かれた。最後は成瀬喜則委員長(富山大学長特命補佐)に一任し、「五箇山学舎」を校名案とした。

  ●新年度から移動支援 市側、中学部活再編で方針

 南砺市議会公共交通対策特別委員会は10日開かれ、市側は中学の部活動再編に伴う生徒の移動支援について、新年度中の早期に対策を実施する方針を示した。山田清志氏(自民クラブ)の質問に答えた。

 市側は、生徒が学校から自宅に帰った後、父母らの送迎で練習場所に向かうことを挙げ「送迎場所が分散していることが課題」と説明した。ライドシェアとバスの併用のほか、父母らの車に乗り合わせる「共助型ライドシェア」の先進事例を研究するとした。

 市教委は昨年春から学校単位の野球とサッカー部を廃止し、地域型クラブに指導を委ねている。市側は今春からの公共ライドシェア実験やバス再編で生徒の移動を支援する方針を示してきた。

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