現在女性として生活していなければ中高生ではない?
先日、例のSNSでこんな投稿を見つけた。
今年はなんと、中高生は参加登録した瞬間に賞品確定です! https://t.co/Nb0yUx7smi pic.twitter.com/hDJhJwOzf2
— 宇宙ツイッタラーX (@kenkoooo) February 6, 2025
CodeQUEEN 2025 予選 (AtCoder Beginner Contest 410) - AtCoder
へのリンクが貼られた投稿と、
参加賞
下記の条件を全て満たす参加者 全員に 大会オリジナルグッズを贈呈します。
1. 現在女性として生活されている
2. 日本国内在住
3. 所属区分が "中学生以下" または "高等学校・高等専門学校(3年生以下)" である
4. 参加時にメールアドレスを記載している(賞品獲得のご連絡を差し上げます)
と書かれた画像 (以下、「画像」) が貼られ、
今年はなんと、中高生は参加登録した瞬間に賞品確定です!
と書かれた投稿である。
画像に書かれているのは、リンク先に書かれている内容の一部を抜き出したもののようである。
画像に書かれた条件を満たすことにより大会オリジナルグッズを贈呈されるためには、「現在女性として生活されている」ことが必要である。
一方、今回紹介した投稿では、「中高生」というだけで「参加登録した瞬間に賞品確定」と主張している。
よって、パッと見では、「中高生」ならば「現在女性として生活されている」と解釈できそうである。
しかし、本当にそうだろうか?
今回は、これについて考察していく。
他の条件もあるが……
画像に書かれた条件を全て満たすためには、「現在女性として生活されている」だけでなく「日本国内在住」などの条件も満たす必要がある。
とはいえ、このような他の必要条件があっても、画像に書かれた条件を全て満たすことに対する「現在女性として生活されている」ことの必要性には影響しない。
参加登録する条件を確認
今回紹介した投稿では、「賞品確定」の条件として「中高生」というだけでなく「参加登録した」という条件もある。
そこで、「参加登録」の条件のほうに「現在女性として生活されている」が含まれていそうかを確認する。
今回紹介した投稿に貼られた投稿からリンクされたページを見てみると、
予選はオンラインでの実施となり、AtCoder アカウントをお持ちの方であれば参加資格は問いません。
という記述がある。
さらに、
参加資格
・予選
・AtCoderアカウントをお持ちの方
という記述もある。
すなわち、予選に参加する条件は、「AtCoderアカウントをお持ちの方」だけのようである。
AtCoderの利用規約や新規登録フォームを確認すると、登録に「現在女性として生活されている」ことは不要であることがわかる。
よって、「現在女性として生活されている」ことは「参加登録」の必要条件ではなさそうなことがわかり、「中高生」の必要条件となりそうである。
「参加登録した」と「参加者」って必ずしも同じじゃないよな
画像に書かれた「大会オリジナルグッズを贈呈」の条件には、「現在女性として生活されている」を含む「下記の条件」に加え、「参加者」という条件もある。
一方、今回の投稿に書かれている「賞品確定」の条件に含まれているのは「参加登録」である。
これらは、必ずしも一致しないだろう。
「参加登録」しても当日の急用・体調不良などで参加できず、「参加者」になれない可能性が考えられる。
一方、当日飛び込み参加など、「参加登録」しなくても「参加者」になれる可能性も考えられる。
これらの可能性について考えてみよう。
「参加登録」しても「参加者」とは限らない可能性
「参加登録」しても「参加者」になるとは限らないと仮定する。
すると、「現在女性として生活されている」を含む他の条件を満たした上で「参加登録」しても「大会オリジナルグッズを贈呈」の条件を満たせなくなる可能性が出てくる。
その結果、「賞品確定」という主張が間違っている可能性が出てくる。
これは、今回の投稿から読み取れる主張として「中高生ならば現在女性として生活されている」だけでなく、「参加登録したならば参加者である」もあると解釈できる。
「参加者」だからといって「参加登録」したとは限らない可能性
もしも「参加登録」しなくても「参加者」になれるとしても、「参加登録したならば参加者である」かどうかには関係が無い。
よって、これは今回の議論には影響しない。
「参加者」って本当に予選の話?
「参加登録する条件を確認」の章では、予選の参加資格のみを確認した。
しかし、「大会オリジナルグッズを贈呈」の条件である「参加者」は本当に予選の参加者のことだろうか?
今回紹介した投稿に貼られた投稿からリンクされたページ (以下、「ページ」) には、
遠方から参加される方には、予算内で下記の通り宿泊先をご用意いたします。
という記述があり、ここに「決勝に参加される方」という条件は書かれていない。
しかし、普通に考えると、(オンラインでの実施となる) 予選に遠方から参加するというだけで宿泊先を用意するというのは、おかしい気がする。
そのため、「参加」だけで「決勝への参加」を表す可能性がある。
(もちろん、「おかしい気がする」だけで別に不可能ではないため、本当に予選に遠方から参加するというだけで宿泊先が用意される可能性もある)
もし、「大会オリジナルグッズを贈呈」の条件になっている「参加者」が「決勝への参加者」のことであるならば、決勝の参加資格には全て「現在女性として生活されている」が含まれているため、「現在女性として生活され」ていなくても「中高生」になりうることになる。
しかし、以下の理由により、これは考えにくい。
(考えにくいというだけで、完全に矛盾するわけではなく、全くありえないわけではない)
まず、ページに記載されている「大会オリジナルグッズを贈呈」の条件を構成する要素として、
現在女性として生活されている
日本国内在住
所属区分が "中学生以下"
が使用されている。
「現在女性として生活されている」「日本国内在住」は決勝の参加資格に全て含まれ、逆に「中学生以下の方は決勝にご参加いただけません。」という条件もある。
よって、「大会オリジナルグッズを贈呈」の条件である「参加者」がもし「決勝への参加者」だとすると、これらの条件は冗長となる。
ページに記載されている「決勝賞金」の条件は
決勝コンテストの順位に応じて下記の賞金を授与します。
となっており、このような冗長な条件は記載されていない。
さらに、「新人賞」の条件の記述は、「参加賞」の条件に似た以下のものになっている。
下記の条件を全て満たす参加者を対象とし、対象者内での予選の順位に応じて 下記の通り賞品を贈呈します。
特に、「下記の条件を全て満たす参加者」という記述は「参加賞」と同じである。
新人賞に関する「下記の条件」には
所属区分が "中学生以下" である
が含まれており、決勝への参加者はこれを満たせなそうである。
そのため、もしこの「参加者」が「決勝への参加者」だとすると、この条件による賞品の贈呈は行えないことになる。
しかし、ここで贈呈されるとされている賞品は図書カードであり、その金額は「賞金総額50万円!」に含まれているようである。
よって、これを実際には贈呈しないとなると、有利誤認になる可能性を感じる。
(これは法律の専門家の見解ではなく、ただの素人の印象である)
そのため、「新人賞」や「参加賞」の条件の「参加者」は、予選の参加者のことだと考えるのが自然そうである。
とはいえ、これらの「参加者」が予選の参加者のことだだと断定はできない。
冗長な条件があっても、矛盾はせず間違いとはいえない。
さらに、「新人賞」の図書カードはあくまで「賞品」であり、「賞金総額50万円!」の内訳となる残りの賞金は別にある (ページに記載されていない賞金が出る) 可能性がある。
まあ、賞金の総額を提示しつつ、その内訳の一部を非開示とし、「賞金は他にもあります」のような記述もしない、というのは不自然に思えるが。
命題とその裏の真偽は一致するとは限らない
画像には
下記の条件を全て満たす参加者 全員に 大会オリジナルグッズを贈呈します。
と書かれている。
しかし、下記の条件に満たさないものがあるか参加者でなければ、大会オリジナルグッズを贈呈しない、とは書かれていない。
画像に書かれた条件による大会オリジナルグッズの贈呈とは他に、「現在女性として生活されている」などの条件を満たさなくても、「中高生」「参加登録した」という条件を満たしただけで貰えることが確定する賞品がある可能性が考えられる。
もしそのような賞品があるのであれば、「現在女性として生活されている」という条件を満たさない「中高生」が存在しても矛盾せず、「中高生」だからといって「現在女性として生活されている」とは限らなくなる。
しかし、そうなると、「中高生は参加登録した瞬間に賞品確定」の根拠とはならない画像が投稿に貼られている意味がわからなくなる。
確定する賞品に「無」が含まれる可能性
これまで、今回紹介した投稿に含まれる「賞品確定」を「賞品を何か貰えることが確定する」という意味だと仮定してきた。
だが、そうではない可能性も考えられる。
例えば、「貰える賞品の内容が確定する」(確定する内容は「無し」の可能性もある) という可能性も考えられる。
実際、参加登録した瞬間に、「現在女性として生活されている」という条件を満たさない場合は貰える賞品が「無し」に確定し、この条件を含む参加賞の条件を全て満たしている場合は「大会オリジナルグッズ」を貰えることが確定する。
しかし、この解釈には無理がある。
「中高生」ならば「所属区分が "中学生以下" または "高等学校・高等専門学校(3年生以下)" である」と仮定したとき、「参加賞」の条件を満たし、かつ「新人賞」の条件も満たす可能性がある。
すると、「新人賞」により賞品が贈呈される可能性があり、これは予選の順位に依存するため参加登録しただけでは確定しない。
よって、「中高生」であっても「参加登録した瞬間に貰える賞品の内容が確定する」とは限らない。
なお、「中高生」でなくても参加登録した瞬間に貰える賞品の内容が (特に「無し」に) 確定する可能性はあるが、これは今回紹介した投稿の主張の正当性に影響を与えない。
ごまかし推奨?
今回話題にしている「現在女性として生活されている」という条件だが、
現在
女性として生活
の定義がよくわからない。
そのため、このプログラミングコンテストが終了するまでの間だけ、もしくは参加登録をする瞬間だけ、何らかの簡単な条件で定義した「女性として生活」をすることで、「現在女性として生活されている」という条件を満たすことができる可能性がある。
さらに、今回参加登録の方法を確認することはできなかったが、特に証拠などの提出は要求せず、「現在女性として生活されている」的な内容のチェックボックス、もしくは「はい/いいえ」で答える設問への回答内容のみを根拠として「現在女性として生活されている」という条件を満たすかどうかを判定する可能性が考えられる。
この場合、実際には現在女性として生活していない場合でも、これらの設問に対し (嘘をついて) 肯定的な回答をし、「参加賞」のその他の条件も満たすことで、大会オリジナルグッズの贈呈を受けることができる可能性がある。
どうせ嘘をつくなら、所属についても嘘をつけばよく、「中高生」という条件も要らないのでは?と考えられるかもしれない。
それでも、命題とその裏の真偽は必ずしも一致せず、中高生でなければ参加登録した瞬間に賞品確定しないとは言っていないので、別に矛盾はしない。
とはいえ、このようにごまかしや嘘で大会オリジナルグッズの入手を狙うのは、私はオススメしない。
嘘をついて本来はもらえないものを不正にもらうというのは、詐欺罪になりそうな気がする。
(これは法律の専門家の見解ではなく、ただの素人の印象である)
「大会オリジナルグッズ」の内容は不明だが、果たしてこのようなごまかしや嘘を用いてまで入手する価値のあるものだろうか?
結論
そうでない解釈もできなくはないが、今回紹介した投稿は「中高生ならば現在女性として生活している」ということであると解釈するのが自然だろう。
対偶をとると、「現在女性として生活していなければ中高生ではない」となる。
これは、あくまで今回紹介した投稿の内容の解釈であり、この記事の筆者の考えは異なる (現在女性として生活していなくても中高生でありうると思う)。


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