自衛隊の〝募集難〟採用達成率は過去最低の51% 大胆な処遇改善には国の決断が必要 自衛官を「憧れの人」に
こうした実情から、「自衛隊の募集難」と「人口減少問題」が同時に語られるようになっているが、因果関係は分からないと私は思う。
今年元日に発生した能登半島地震の自衛隊による災害派遣が、現時点でまだ続いている。金沢市などに観光客が訪れて温泉を楽しんでいるそばで、自衛隊が天幕を展開して風呂を提供している。こうした事実上、「自治体が国軍を動かす」かのような構図は、本来の国防の使命がなおざりにされているように見えないだろうか。
募集が厳しいのは日本だけではなく、米軍でも昨年目標を達成できたのは海兵隊と宇宙軍だけで、陸軍ではこの2年間で5%の人員減と言われる。
しかし、「軍の誇り」という価値観を大きく変えることはない。プロ意識を徹底することや、また個々のやりたいことができる仕組みづくりなどがむしろ求められるように感じる。
幹部自衛官が平身低頭で「自衛官募集」のティッシュ配りをすることがあるべき姿なのだろうか。自衛官には「憧れの人」になってほしい。従来の方法を見直す時代になっているのかもしれない。
■桜林美佐(さくらばやし・みさ) 防衛問題研究家。1970年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を制作後、防衛・安全保障問題を取材・執筆。著書・共著に『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出版)、『自衛官の心意気』(PHP研究所)、『危機迫る日本の防衛産業』(産経NF文庫)、『陸・海・空 究極のブリーフィング』(ワニブックス)など。
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