自衛隊の〝募集難〟採用達成率は過去最低の51% 大胆な処遇改善には国の決断が必要 自衛官を「憧れの人」に
昨年度(2023年度)の自衛官採用は、陸海空で1万9598人の募集計画に対し、9959人。達成率は過去最低の51%だった。
また、入隊しても辞める中途退職者数は近年、4000人前後で推移している(防衛省『経験・知識のある人材の活用に関する施策について』23年5月より)。この中途退職者は年々増加しており、まもなく6000人を超えるとみられる。
防衛省では、検討委員会を設置して処遇改善などを検討するという。ただ、その内容について「給与改善」や「無人化の検討」が進むと報じられることがあり、誤解も生みそうだ。
給与は防衛省だけで決めることはできないし、無人機などの導入で人手不足は解消されない。むしろ、無人機1機の操作に2~3人の人員を要する場合もあり、専門人材の確保が不可欠だ。無人機の必要性は高まっているが、ウクライナの事例からも、戦場でどのように活かすかが論点だ。
また、防衛省が持っている権限と予算の中で、できることは限定的である。防衛費が増えたとはいえ、国家公務員である自衛官の給料など根本的な扱いは変えることはできない。ダイナミックな対策を本気で行うなら、国としての決断が必要になる。
15~64歳の生産年齢人口は現在、約7400万人。総務省によると、50年には5275万人に減少すると見込まれ、縮小し続けるパイを各業界が取り合うかたちになる。