君津学園が組合員を懲戒処分 千葉県労働委は「不当」と判断、法人に賃金支給命令 木更津総合高など運営の学校法人
千葉県労働委員会(石井慎一会長)は5日、木更津総合高校などを運営する学校法人君津学園(木更津市)が、教職員組合の組合員を懲戒処分としたのは不当労働行為に当たるとして、処分がなければ支払われていた賃金と賞与を支給することなどを法人に命じたと発表した。法人側は「本件は民事訴訟の一、二審判決で不当労働行為に該当しないとの判断が出ている。司法と判断が分かれ、戸惑っている」と述べた。 労働委によると、労使間で労務管理を話し合う場などで、組合員が上長に対し厳しい口調で問い詰めたり侮辱的な発言をしたりしたため、法人は2021年5~7月、執行委員長ら組合員3人を10~14日間の停職、他の組合員1人をけん責の懲戒処分とした。組合側は同年8月、処分は不当労働行為に該当するとして労働委に救済を申し立てていた。 労働委は「懲戒処分の必要性が認められる」とした一方で、労使関係や、過去にさかのぼって複数の事案をまとめて処分したことなどを勘案し、組合員であることを理由とした「不利益取り扱い」に当たると判断。執行委員長らに対する懲戒処分も、組合弱体化につながるとの認識があったと認めるのが相当で「支配介入」に当たるとした。 法人側は取材に「対応について顧問弁護士と相談している」と説明。中央労働委員会に再審査の申し立てをする方針という。