飛鳥・藤原を世界遺産推薦 政府、26年登録へ書類提出
政府は28日、「飛鳥・藤原の宮都」(奈良)を世界文化遺産候補として推薦することを閣議了解し、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に正式版推薦書を提出した。順調に行けば今年夏〜秋ごろに諮問機関が現地調査し、2026年夏ごろに開催予定の世界遺産委員会で登録可否を審議する。
阿部俊子文部科学相は28日の記者会見で「登録が実現するよう、引き続き関係自治体と連携をしながら取り組む」と述べた。
飛鳥・藤原は天皇の宮殿跡である飛鳥宮跡(明日香村)や藤原宮跡(橿原市)、極彩色の壁画が発見された高松塚古墳(同村)など計19の資産で構成。6世紀末期から8世紀初頭にかけ、東アジアの古代国家形成期において中央集権体制が誕生、成立した過程を示すとされる。
国の文化審議会が昨年9月に推薦候補として選定。政府が正式版に先立って提出した暫定版の推薦書では構成資産を計22としていたが、地元自治体と協議し「遺産の価値を直接的に示していない」と判断した大和三山(香具山、畝傍山、耳成山)を除外した。〔共同〕