どうして優秀な人材は女性向けビジネスから撤退するのか - 靴下屋の炎上騒動
2024年12月、タビオ株式会社の靴下屋についてSNSで炎上騒動が起きました。その流れをまとめておきます。
1. 経緯
ある女性が「ストッキングも破けないものを今の技術なら作れるのに買わせるためにすぐ穴があく生地にしてるって聞く」とデマを流しました。
このデマは8.1万いいねを超えるほど拡散されました。
「最近のコートって毎年買い替えさせるために安くてすぐ駄目になる生地を使ってるから、衣服業界は本当に最低。 ストッキングも破けないものを今の技術なら作れるのに買わせるためにすぐ穴があく生地にしてる」というのは悪質なデマですが、これだけのいいね数がつくということは信じている女性も多いと思われます。
さすがに見かねた靴下屋が「破れないストッキング」は都市伝説、陰謀論の領域だと訂正。
エアリプ形式で訂正したのは、あくまでデマの訂正が目的であり、個人攻撃は目的ではないからでしょう。
引用されている記事の通り、当該女性以外にも同様のデマが過去に何度も流れているという問題もあります。
また、靴下屋は「破れないストッキング」は技術的に不可能であり、安全性も低いことを端的に説明しています。
言うまでもないことですが「張力が半端ではない糸で構成された網状の物質」を身につけるのは、非常に危険な行為です。
そして、靴下屋は技術的に不可能な「破れないストッキング」ではなく、もっと現実的な提案をしました。「耐久性がある肌色タイツ」や「ストッキング感覚で使える靴下」を勧めています。
「耐久性がある肌色タイツ」を勧める靴下屋。
しかし、なぜか「タイツは破れるものと女性に諦めさせる心理が私はどうしても苦手です!!!」という意味不明な反論ポストがつきます。論点のすり替えが甚だしい。
いえ、防弾チョッキと同じ素材で作られた破れにくいタイツならもうあります!!!
— バター鮭子🐟 (@gui_bata814) December 14, 2024
Sheertexというカナダのメーカーで創業者は女性、ここのタイツは人気すぎて一時期品切れになるくらい需要があります!!!
タイツは破れるものと女性に諦めさせる心理が私はどうしても苦手です!!!(クソデカボイス https://t.co/Ta6fYeRH15 pic.twitter.com/IySGrmCDFE
そして、今度は他の女性が歴史修正を開始。
女性たちは「破れないストッキングを作れ」じゃなくて「厚紙から外した瞬間に破れるような履く前に使い物にならなくなるものをマナーとするな」と言ってるんですけどね。
— 花火 (@KzvzKu) December 14, 2024
女性たちの話を聞こうね?
ここもアツギとおんなじ感じで女性をちょっと小バカにしてるのが売りなの? https://t.co/DaBORsYWny
──なお、最初のデマポストは8.1万いいね、意味不明な反論ポストは6.5万いいね、この歴史修正ポストは5.5万いいねを超えています。さらに、
いやー嘘つきじゃん
— むちこ。 (@muchiko_truth) December 14, 2024
カナダの“女性起業家”が防弾チョッキの素材を使って破れないストッキングを開発して数年前から販売してますよhttps://t.co/plxGGjZs4P https://t.co/53vz88XqBe
──と『嘘つきと相手を叩きながらこのポスト自体が嘘』というデマと歴史修正の擁護ポストも1.8万いいねを超えた。実際は非常に高額かつ普通に破れます。
まだ続く。
これストッキング履いたことある人/ない人で認識にズレあるよ
— ゆだ (@first_of_all_jp) December 14, 2024
履いてる女性は1日で破れて捨てる経験してる人も沢山いて、なのに仕事で着用必須の人もいるでしょう
私もそういう仕事だったから、毎月のストッキング代はバカにならなかった
極端な話しじゃなく、靴下位の耐久が欲しいって話し https://t.co/eZJYbhRzHo
だれも「ストッキングを靴下くらい頑丈にしてくれ」とはいってなくて…。袋から取り出しただけでやぶけたり、はくときに爪先がひっかかってやぶけたりするのが困ります、なぜこんな脆くて面倒なものが女性にとって冠婚葬祭就職面接など正装時の必須アイテムなのか、という話だと思います。 https://t.co/p3BvDPclct
— 藤井セイラ (@cobta) December 15, 2024
極端な話しじゃなく、靴下位の耐久が欲しいって話し
だれも「ストッキングを靴下くらい頑丈にしてくれ」とはいってなくて…。
前述の通り、靴下屋は「耐久性がある肌色タイツ」や「ストッキング感覚で使える靴下」を既に勧めています。
しかし、まともに文章を読まずに《靴下位の耐久が欲しい》と要求するポストが2.6万いいねを超えました。
さらに、《だれも「ストッキングを靴下くらい頑丈にしてくれ」とはいってなくて》という正反対の嘘を吐くアカウントも現れました。
ある女性は「靴下位の耐久が欲しい」と言い、別の女性は「だれも靴下くらい頑丈にしてくれとはいってない」と正反対の嘘を吐く。
ダブルバインドです。
無茶苦茶ですが、まだ続きます。
この靴下屋さんのアカウント、いつも商品の紹介が上手くて人気だったけど何だこの言い方…「破れない」じゃなくせめてもうちょっと「破れにくい」ようにしてくれってんだよ。今の破れやすさは異常なんだよ。
— 希 (@no___0303) December 14, 2024
そういう利用者の訴えを都市伝説とか陰謀論とか馬鹿にした言い方するの普通に不快だわ。 https://t.co/sv6fdHmQun
──と、トーンポリシングで叩く女性も現れます。
この投稿も1.1万いいねを超えています。正論に対して、言葉尻を捉えて「言い方」の揚げ足を取り、堂々と「不快」を理由に"お気持ち"で叩く。
まだ終わりません。
偏見だが、Tabio靴下屋の中の人、絶対男だしミソジニストなのヒシヒシ伝わってくるよな。
— クソ犬 (@kasu_dog) December 14, 2024
靴下屋キッッッッショ
— 爪半月(そうはんげつ) (@lunuladiary) December 14, 2024
こうやって消費者に恐怖と罪悪感を与える煽り方して売上が伸びると思ってるんだとしたら広報の加害性めちゃくちゃやばいね。
マンスプかまして悦に入る、典型的な加害男性仕草じゃん。
「俺様のこだわり」最優先で、どうしたら履く人が嬉しい気持ちになるか全く考えてない。キモ https://t.co/tDJdxqikof
靴下屋ってミソのオスの臭い凄いよね https://t.co/qGyLz3g4or
— 100 (@VgjduRvjkdxeyD) December 14, 2024
靴下屋のアカウント、久しぶりに女をバカに出来る機会が回って来た喜びで興奮してるおっさん臭がやばい
— ***** (@imi_mi) December 14, 2024
悪質な憎悪扇動をするアカウントが大量に発生。上記に挙げたものはごく一部に過ぎません。いずれも女性の共感を得て、沢山のいいねで拡散されています。はっきり言って異常です。
こうして靴下屋は"悪者にされた"わけです。
普通に考えれば最初にデマを流した女性が悪いのは明白ですが、指摘されると他の女性が論点をすり替えて、さらに他の女性が歴史修正、さらにさらに他の女性が嘘をついて擁護、さらにさらにさらに他の女性がダブルバインドによる無茶な要求、さらにさらにさらにさらに他の女性がトーンポリシングで追撃、さらにさらにさらにさらにさらに他の女性が憎悪扇動をする。
証拠が記録されて残るSNSでこの有様です。現実でもデマ・論点のすり替え・歴史修正・嘘・ダブルバインド・トーンポリシング・憎悪扇動を繰り返しているでしょう。
靴下屋の炎上騒動は、残念ながら『女性』という属性のヤバさが際立っていました。フェミニスト案件でもなければオタク叩きでもなく、整形売春婦の発狂でもない。
「どの集団にも頭がおかしい奴はいる」で済む話でもない。
女性が個人でデマ等を流しているというレベルに留まらず、リポストやいいねで数万人単位の女性が拡散しており、集団ヒステリーを起こして炎上を助長している。これらのデマ等を批判している女性は極めて少数に過ぎず、全く拡散もされていません。
女性には自浄作用が無いとしか言えないでしょう。
靴下屋は女性によるカスタマーハラスメントに脅かされて、謝罪せざるを得ない状況に追い込まれました。
従業員のSNSにおける不適切投稿に関するお詫び pic.twitter.com/cXaTNnvrU9
— Tabio 靴下屋 (@Tabio_JP) December 16, 2024
靴下屋は女性向け商品を全て撤退させた方が良いと思います。
大真面目に。
女性を相手にビジネスする際の基本中の基本である『女性は平気でデマを流す・自浄作用が無いのでデマを拡散する・正論を返されると集団でヒスる・デマがバレても嘘を重ねて歴史修正する・集団で憎悪扇動を繰り返す』という事実を理解していなかったのですから。
また、予想しておきますが、数日後には靴下屋の炎上も『チー牛・オタク・弱者男性・アンフェ』に責任転嫁されているでしょう。
被害者ポジションで、女性差別とかミソジニーとか「破れないストッキングが履きたいだけなのに愚痴すら満足に言えなくて叩かれる女性蔑視の空気がしんどい辛い」とかの理由で。
現時点でも、男性に責任転嫁するポストがあります。
ストッキングというものへの解像度の差により「破れないストッキングがほしい」というコメントに対して女性側は自然に「日常生活で普通に扱って困らない程度の強度がほしい」と理解するのに対し、男性側は「女はいかなる場合にも破れない強靭な繊維を欲している」と謎解釈をするという、男女差が見え。
— しろやま🦫 (@shisoyama) December 15, 2024
普通に考えれば無理筋にも程がある屁理屈ですが、この責任転嫁ポストも3.4万いいねを超えて拡散されています。
こうして、女性は全ての責任を男性に押しつけるわけです。
2. 女性という顧客層
今回の靴下屋の炎上騒動には、どうして優秀な人材は女性向けビジネスから撤退するのかという理由が詰まっています。
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購入者のコメント
8dynamateさん
私はこの記事の筆者ではありませんが、多分理性的な女性はこういう騒動に加担しないんですよ。そういう人たちはSNSなんてやらない。良心的な人たちはこういう汚物を見て心を痛める選択を進んでしません。共感性をいい方向に働かせられるまともな女性なら尚更。
Xなんてただでさえ日本語を読める(文意を読み取れるとは言っていない)最低限の知能しかない人間ばかりなんですから。そこで(筆者さんの言う)ヒステリーだのデマ拡散だの生まれ持った共感性を悪い方面でしか使えないような知能の輩がこういうことをやるんだと思います。
あなたの仰る通り、後者だと思います。こんな奴らに社会的地位を貶められる女性が気の毒で仕方ない。
24/12/18時点で記事内に引用されたアカウントを見ると、プロフに「ふぇみ」「手帳もち」だったり書いてるあたり、所謂そういう傾向(もしくはそのように擬態してる)の方々のようですね。
とはいえそんなものに乗っかる他の女性もどうかですが。
>>dynamate
女性が真に攻撃性を発揮するのは集団になった時だから、個々は別に悪い人じゃないのよな
このnoteを読めば読むほど元嫁と離婚することになった時のやり取りを思い出して、元嫁の理不尽さが完璧に言語化されて、スッキリしましたw
全ての女性がとはいいませんが、「デマを流して、論点をすり替え、歴史修正をして、バレそうになると嘘を重ね、ダブルバインドで理不尽な要求を突きつけ、都合が悪くなるとトーンポリシングで言葉尻を捉えて揚げ足を取り、憎悪扇動に繋げて集団で叩く」は本当にあります。