大阪大学の元助教が研究不正 図表107点で捏造や改ざん
大阪大は7日、微生物病研究所の平松征洋元助教の論文7本に研究不正があり、図表計107点で捏造や改ざんがあったと発表した。昨年3月、大学内の研究公正窓口に申し立てがあり、学内外の有識者で構成する調査委員会で審査し認定した。平松氏は同月末で退職した。処分や関連する研究費の返還請求は今後検討する。
大学によると、不正が確認された論文は百日ぜき菌に関するもので、2019年12月から23年9月にかけて学術誌に掲載された。実験サンプルを入れ替えたり、実験データを流用したりしたほか、実験自体をせず結果を捏造するなどした。
平松氏は大半について不正を認め「任期付き教員だったため、次の職探しのためにも望ましいデータを出したかった」などと説明している。共著者への調査などから、平松氏が単独で不正行為に及んだと認定した。
今回の行為について、不正が長期間にわたって繰り返され「特に悪質」と判断。一部の論文は既に撤回されている。平松氏の退職時の引き継ぎで、同じ研究所の教授が不正行為の疑いを発見し窓口に申し立てたという。
大阪大は7日午後、ホームページで「多くの関係者にご迷惑をおかけした」とのコメントとともに調査結果を公表したが記者会見はしなかった。「不正箇所の数は多いが、社会的影響はあまり大きくないと判断したため」としている。〔共同〕