繰上りのある足し算を暗算しようとすると、繰り上がった数を忘れてしまうこともあるかもしれません。それを思い出すために、頭の中で計算がストップしてしまうこともしばしばあるのではないでしょうか。
しかし、「ある方法」を使うと、繰上りのある足し算も簡単に暗算できることがあります。今回の問題で、その暗算方法を確かめてみましょう。
問題
次の計算を暗算でしなさい。
997+995
※制限時間は5秒です。
解答
正解は、「1992」です。
どうやって計算すれば、5秒という短い制限時間内に答えを出せるのでしょうか?
次の「ポイント」で、暗算方法を確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「繰上りのない形に式を変形すること」です。
今回の問題は、そのまま計算しようとすると、百の位、十の位、一の位、すべての位で繰上りが発生してしまいます。
そこでまず、式の中で使われている数をよく見てください。足される数、足す数どちらも1000という切りのよい数に近いことが分かります。
このうちどちらかを1000にして計算すると、暗算でも計算しやすい式になります。
997を1000にして計算した場合
まずは、997を1000に変形するパターンを紹介します。
997+995→1000+995=1995
繰上りがなくなり、とても簡単に足し算ができたのではないでしょうか。
しかし、当然ながら997と1000は違う数なので、式の変形前と変形後では答えが違ってきます。では、式の変形前と変形後で、答えはどれだけ違うのでしょうか。
1000は997より3大きい数ですので(1000−997=3)、変形後の式の答えは変形前の式の答えに比べて、3大きくなっていると考えられます。つまり、変形後の式の答えから3を引いてあげれば、変形前の式の答えと一致します。
具体的には、次のように計算します。
997+995
=1000+995−(1000−997)
=1995−3
=1992
これで正解にたどり着けました。
なお、1000と997の差を出すとき(1000−997)は「997に何を足したら1000になるか」と考えることで、暗算しやすくなりますよ。
995を1000にして計算した場合
今回の問題では、足す数の995を1000にしても暗算しやすくなります。暗算方法は、997を1000にした場合と同じです。
「997+995」を「997+1000」に変形して計算した後、1000と995の差である5を引いて、元の式(997+995)の答えと一致させます。
997+995
=997+1000−(1000−995)
=1997−5
=1992
こちらの方法でも、答えは1992となりましたね。
まとめ
今回紹介した暗算方法を一般化すると、次のようになります。
a+b
=a'+b−(a'−a)
※a'はaに近く切りのよい数
a'+b−(a'−a)の括弧を展開して計算すると…
a'+b−(a'−a)
=a'+b−a'+a
=a'−a'+a+b
=a+b
a'と−a'が打ち消しあうので、もとのa+bの式に戻るのが分かりますね。
これは足される数を変形した場合ですが、今回の問題で紹介したように、足す数の方を変形しても同じように暗算ができます。
どちらを変形した方が計算が楽なのかは問題によって変わりますので、その都度判断してくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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